ノンフィクション「餃子の王将殺人事件」 〜加藤一族V.S.大東隆行V.S.餃子大王〜
私は、神生 六、探偵だ。 ある人の依頼を受けて、2013年12月に起こった未解決事件「餃子の王将前社長・大東隆行殺人事件」の全容解明という厄介なことに首を突っ込むことになった。探偵には守秘義務があり、まだ依頼者の名は明かせない。 というわけで事件を調べ始めたわけだが、現在私が「臭い」と睨んでいる線は、4つある。一つはズバリ、越生康之ではないかと。彼は学生時代に「餃子大王」の異名をとった人物だが、「 […]
私は、神生 六、探偵だ。 ある人の依頼を受けて、2013年12月に起こった未解決事件「餃子の王将前社長・大東隆行殺人事件」の全容解明という厄介なことに首を突っ込むことになった。探偵には守秘義務があり、まだ依頼者の名は明かせない。 というわけで事件を調べ始めたわけだが、現在私が「臭い」と睨んでいる線は、4つある。一つはズバリ、越生康之ではないかと。彼は学生時代に「餃子大王」の異名をとった人物だが、「 […]
酒と書いて きちがい水と読みまする。今は口にできん言葉でも、昔の人がそう言ってたのさ。 「ういっ~、お酒飲む人、花ならつぼみ、今日も酒酒(サケサケ)、明日も(酒)咲け、ってね。」「ずぶ六は寝るが ずぶ五は手に負えず」なんてことも言いますな。ぐでんぐでんに酔っぱらった呑兵衛のことをずぶ六と言いまして、呑むだけ呑んでずぶ六になって潰れてしまえば、寝かせておけばいいのだが、始末が悪いのはその一歩手前のず […]
1984年の初夏、兵庫県の農業振興を担う県の委員会組織の中で、兵庫県立明石農業センター(試験場)において自らの「米の品種改良」という役割を全うすべく、私の父は、空梅雨で水が足らない中、汗だくで自分が担当する品種改良田の稲に黙々と水と薬剤を撒いていました。そこに、農作業にはおよそ似つかわしくない、背広姿の一人の男が現れます。 何の用か?と父が水を止めると、男は近づいてきて、「太陽ゼネラル株式会社」と […]
「娘をホストから救ってほしい」。 連載第14回目に詳しく紹介した「玄さん」の「新宿駆け込み寺」には、ここ数年、親からの相談が急増しているそうです。 若い女性が被り続けるあまりに非道なホスト被害をなんとかしようと、「青少年を守る父母の連絡協議会」(略称:青母連/せいぼれん)という名の専門対策組織が、東京・歌舞伎町に事務所を構える公益社団法人「日本駆け込み寺」内に立ち上がっています。 提供していただい […]
詐欺のニュースを耳にしない日がなくなってきました。 巧妙な手口が紹介され、どれだけ「気をつけましょう」と連呼されていても、また今日もどこかで誰かが誰かを騙し、誰かが誰かに騙されているのです。 お年寄りばかりとは限りません。若い人だってたくさん騙されています。騙す方が悪いのは当然として、一方で「騙される方がばかだ」という言い方があります。 私の2,000人のサンプルの中に、詐欺被害者は、私の両親も含 […]
こんな私でも、現役時代はおそらく自分のことで精一杯だったのでしょう、あまり世の中について世知辛いとかギスギスしてきたとか感じませんでした。しかし、仕事の量を半分以下に減らしてみると、斜め読みしかしていなかった新聞を隅々まで読んだり、つまらないテレビも観たり。ぼんやりしていると、今まで感じなかったようなことも、感じ出すものです。まず感じることは、随分、世の中や人間関係がギスギスしていること。とりわけ […]
皆さんはアメフト=アメリカン・フットボールというスポーツをご存知でしょうか。 大男がぶつかり合う様は格闘技に近い印象もある一方、もっとも「知力」を結集して戦うとも評されます。オフェンス、ディフェンスや各ポジションはもちろん、スタッフ、場合によっては観客を含めた、「組織的」と「総合力」が勝負を決するからです。 日本最強の関西学院大学アメリカンフットボール部で、自ら日本一を目指す中で「最強であるために […]
世界の民族は、たどってきた歴史から「狩猟民族」と「農耕民族」に大きく分かれるそうです。 狩りによって食べ物を得ていた人々は獲物がたくさん獲れれば満腹になるが、捕れない日々が続けば途端に飢えてしまう。なので狩猟民族は常に獲物を仕留める武器をつくって進化させ、獲物を求めて移動を繰り返してきました。アングロサクソンやロシア、東欧諸国、アフリカなどに住む人たちのルーツは狩猟民族だったといわれているが、ロシ […]
働かなくてもお金がもらえるという夢のような話は、実際のところは夢でもなんでもありません。 バブルの時代を思い出せば、そんなことが実際にあったなあと懐かしいでしょう。あの頃、定期預金にお金を預けていると、そのお金が12年間せっせと働いてくれた結果、なんと預けた額と同じ金額を稼ぎ出してくれて、定期預金額は「倍」になりましたよね。 そう、あの頃は金利が6%もあったのです。もちろん、今は金利も何もかもが全 […]
企業に早期希望退職を募集する動きが広がって久しいですが、東京商工リサーチによると2021年には上場企業80社が計18635人の早期希望退職を募集(この他に募集人数が判明していない企業が13社)。 直近の2024年は57社の上場企業が1万9人を募集し、2021年以来、3年ぶりに1万人を超えました。 2021年はもちろん、新型コロナの影響で業績・財務体質が悪化したことに対応した措置だったわけですが、2 […]
こんな私でも、人様から人生相談を受けたことが何度かあるわけで。でも私はどんな相談であれ、その人の悩みを解決する自信がなかったので、決まって「映画・男はつらいよの寅さんでも観てみたら?」とだけ言うしかなかったわけで。 私自身が『男はつらいよ』を観た最初は、彼女にフラれた夏休みです。その後仕事を失った時やうまくいかなかった時に、失敗しながらも明るく前を向く寅さんや、それを支える周りの人の姿に、自分の今 […]
Life Work(ライフワーク)という言葉の定義を調べてみると、以下のようなものが見つかります。 「生涯にわたって続ける仕事、一生かけて行う取り組み、人生を捧げる事業」(wblio辞書より) 「ライフワークとは、自分のなかにある《幸せの源泉》から湧き出る情熱を使って自分らしさを表現し、まわりと分かち合う生き方」(本田健さんの書籍中の表現※Wikipedia「ライフワーク」より) 他にも色々な言葉 […]
ファイナルステージのたった二人。 その二人目は、江副浩正(えぞえ・ひろまさ)氏です(私にとっては、私を社会人として育ててくださった恩人でもあるので、以下「江副さん」と表記させていただきます)。 Amazon.comの共同創設者、取締役会長のジェフ・ベゾス氏はAmazonの成功で世界最大級の資産家となった人ですが、かつて彼をも「部下」にもち、アマゾンの「AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)」やグーグ […]
ファイナルステージのたった二人。そのうちのお一人が、中西宏明氏です。 前経団連会長で、日立製作所の社長、会長を務めた中西宏明(なかにし・ひろあき)氏がこの世を去ったのは2021年6月27日、75歳でした。 日立製作所トップの重積を担い、2018年5月には経団連会長に就任、実力派会長として就職活動ルールの廃止を主導するなど、周りに流されない「改革路線」で「財界総理」の異名をとって存在感を示した人で、 […]
「五方よし」というのが「三方よし」を「現代の企業経営」に当てはめて発展させた考えであり、具体的にはステークホルダーを顧客、従業員、取引先、地域社会、株主・投資家の5者とした上で、この5者に対して「等しく分配すべき」とすることを目指す経営であると言うことを確認しました。そして、関西経済連合会が、この「五方よし」すなわちマルチステークホルダー資本主義を唱えていると言うことで、その加盟企業を列挙しておき […]
前回の記事では、「売り手」「買い手」「世間への貢献」ができていること、という三方よしの選考基準と、それができている方の典型例を示しました。 「五方よし」というのは「三方よし」を「現代の企業経営」に当てはめて発展させた考え。ステークホルダーを顧客、従業員、取引先、地域社会、株主・投資家の5者とした上で、この5者に対して「等しく分配すべき」とする考え方です。 ビッグモーターが自店舗前の公道の樹木を除草 […]
自分の仕事も、事業を成し遂げた結果も、世の中にとって「ナイス」でありたい。そして、次世代にも貢献したいという目的で仕事に邁進する人がいらっしゃいます。 そんな人たちを私は「Nice worker(ナイスワーカー)と呼び、彼らの働く目的を「Nice work(ナイスワーク)」と名付け、ビジネスマンの最高ステージと位置付けています。 ただ、サンプルを見直していると、この最高ステージを一括りにするには、 […]
Lite WorkをAIに聞けば、何かに光(light)を持たせる力を持つ仕事、またはその仕事に従事する人という答えが返ってくるが、私は少し具体的に、「弱っている人や絶望している人の心に光を灯す目的、あるいは社会の一隅を照らすという目的を持って取り組む仕事」と定義しています。 ネットで「ライトワーカー」検索すれば、「光の仕事をする人」という直訳の答えも存在します。 光の仕事って何さ?照明屋か?との […]
前略 黒田裕子さん。あなたはすごい人でした。 私もその一人ですが、どれだけ多くの被災者が、あなたに助けられたことでしょうか。 あれから今年で30年が経ちました。あなたに学び、あなたの遺志を継いだ人たちは、今日も頑張っていますよ。 2024年のお正月には、能登で大震災が起こってしまいました。その時、あなたの「教え子」たちがたくさん能登に入って、黒田さんから教わった大切な観点から、被災者の皆さんの支援 […]
美輪明宏さんが「ヨイトマケの唄」をつくったのは、高速道路が地方に造られ始めた1966年のことです。ヨシオの家は貧しかったし、国民の多くがまだまだ貧しさから脱したわけではなかったですが、日本経済は敗戦からにわかに復興、「高度成長」の只中にありました。 その時代からおよそ60年。 今の日本は、「相対的貧困率」が米国や韓国にも抜かれ、先進国で最悪の数値となっています。 相対的貧困率とは、等価可処分所得の […]