AUTHOR

神生 六

JR高山本線を走る特急「ひだ」を眺めながら、飛騨川畔の道の駅「美濃白川」へ(トイレ○仮眠○休憩○景観○食事△設備◎立地○) 

高山本線は、岐阜県岐阜市の岐阜駅から富山県富山市の富山駅に至る、総延長225.8 kmの鉄道路線(地方交通線)である。 高山本線は、飛騨高地の山間を通って中京と北陸を結んでいる(岐阜-猪谷間はJR東海、猪谷-富山間はJR西日本の管轄)が、実は中京から北陸へのアクセスは北陸本線の方が速い。なので、高山本線はもっぱら中京もしくは北陸から「飛騨地方」へのアクセス路線として利用されているようだ。 […]

「東濃ひのき」の主産地「東白川村」から清流「白川」を下流に走って、道の駅「クオーレふれあいの里」へ(トイレ○仮眠○休憩○景観○食事△設備◎立地△) 

朝もやを切り裂くように東の尾根から朝日が差し込み、山にはシカ、サル、イノシシ、リスが、川にはアユ、アマゴ、イワナなどの水生生物たちが豊かに棲む東白川村。 岐阜県の東部の深い山林の中にある人口2,000人余りの小さな村だ。 明治初年、新政府による神仏分離令に端を発した廃仏毀釈運動で仏教建造物のほとんどが破壊されて以降、この村においてはなんらの再建がなされなかったために、全国でも珍しい「お寺のない村」 […]

徳川家康ゆかりの「鳳来寺」「鳳来山東照宮」がある「鳳来寺山」から、道の駅「したら」へ(トイレ◎仮眠○休憩○景観○食事○設備◎立地△) 

鳳来寺山は、今から1500万年以前の大昔、火山活動により誕生した。流紋岩などから成る極めて変化に富んだ岩山に桐・杉の大木が生い茂る神秘的な山で、スタジオジブリの映画「もののけ姫」では、この森の中で収録された音が使われている。 古来奥三河の山岳修験道の霊山として信仰され、勝岳山、桐生山、霧生山、煙巌山とも呼ばれてきたが、現在では鳳来寺山という呼ばれ方が定着しているようだ。 標高は695m。 山全体が […]

多才という言葉がピッタリ。渡辺崋山の生と死の地へ、道の駅「田原めっくんはうす」から(トイレ◎仮眠△休憩○景観△食事○設備○立地○) 

渡辺崋山は、寛政5年(1793)9月16日、江戸半蔵門外、田原藩上屋敷裏門脇の長屋で生まれた。 当時、父は留守居添役仮取次で15人扶持の給料をもらっていたが、財政難の田原藩は家臣の減給を行っており、渡辺家は11名も家族がいて特に貧しく、幼い弟妹たちを奉公に出さなければならなかったため崋山は貧しさを救うために絵を描く内職をしながら学問に励んだ。 12才の崋山は、「日本橋の暴辱」から志を立て、徂徠学派 […]

私が最も好きな戦国武将「馬場信春」の墓へ。道の駅「つくで手作り村」から(トイレ○仮眠◎休憩○景観○食事○設備○立地△) 

馬場信春(信房)は、約800人ほどの軍団を引き連れて長篠・設楽原の合戦の参戦した。運命の天正3年(1575)5月19日、武田勝頼の医王寺山本陣の軍議で、馬場信房は決戦回避を主張したが果たせず、内藤昌豊、山県昌景、土屋昌次 らと大通寺本堂の裏手にある盃井戸の水で訣別の盃を交わし出陣して行ったという。 回避したかった設楽原の戦いで、彼の危惧通り武田軍は大敗したが、総崩れした武田勝頼を守り、撤退の殿(し […]

長篠の戦いがあった場所、そして家康ゆかりの満光寺へ。道の駅「鳳来三河三石」から(トイレ○仮眠◎休憩○景観△食事△設備△立地○) 

巨匠黒澤明による1980年に公開された映画『影武者』をご覧になったことはあるだろうか。 そのクライマックスで描かれたシーンが、天正3(1575)年に行われた「長篠の戦い」だ。 果てしない荒野を土煙とともに敵陣へ疾走する武田騎馬隊の荘厳な姿は、まさに黒澤映画の真骨頂。現代ではしばしば用いられるCG技術に頼らず、膨大な数のエキストラを動員して構成された迫力の実写映像は、まさに圧巻だ。 長篠の戦いは、こ […]

桜咲く道の駅「奥大井音戯の郷」で、「SL」「アプト式鉄道」など川根本町の観光コンテンツを満喫(トイレ△仮眠✖️休憩○景観○食事△設備○立地△) 

川根本町は静岡県のちょうど中心あたり。町の中央には大井川がゆったりと流れ、茶畑や山々に囲まれた、自然がとても豊かでのんびりとした町だ。 人口は少なく産業的に注目を浴びることは少ないが、大井川がらみの観光資源は実に豊富だ。 吊り橋日本一の町として、大井川に架かる数多くの吊り橋は観光スポットとして多くの観光客を集めているし、大井川の支流・寸又川の渓流近く深い山々に抱かれた秘境の温泉「寸又峡温泉」は美肌 […]

道の駅「美並」から、「円空館」「弥勒寺」に「円空」の足跡を訪ねて(トイレ○仮眠○休憩△景観○食事○設備○立地◎) 

江戸時代の山林修行僧・円空は、愛知、岐阜を中心に関東、北陸、さらに北海道までを巡り、各地に木彫の神仏像いわゆる「円空仏」を多数残してきた。 修行の旅に生涯を捧げ、人々のために祈りを込めて仏を彫った円空は生涯に12万体の神仏を彫る誓願を立てたといわれ、飛神の剣のようにノミを振るい、神仏を彫り続けたというから、その生き様は私のような凡人には理解不能だ。 円空の彫刻は、材となる「樹木」に樹神の姿を求めて […]

「甌穴」の数や大きさにおいて日本を代表する「飛水峡」から、道の駅「ロックガーデンしちそう」」へ(トイレ○仮眠○休憩△景観○食事○設備○立地◎) 

飛騨川において白川町白川口から七宗町上麻生までの約12kmにわたり作る峡谷は飛水峡と呼ばれ、美濃帯堆積岩類のチャートと砂岩層からなる岩盤が深く削り込まれている。 その下流部約2kmの間は“ロックガーデン”と呼ばれ、通常の流路が深く削り込むことでその両側に硬いチャート層の岩盤が段丘状に広がっている。その岩盤上に大小さまざまな「甌穴(ポットホール)」群が形成されているが、その数は直径1m以上のものだけ […]

三十条を超す竪堀(臼の目堀)を構えていた「篠脇城」から、道の駅「古今伝授の里やまと」へ(トイレ○仮眠○△休憩○景観○食事◎設備◎立地△) 

篠脇城は、岐阜県郡上市大和町にあった山城である。 下総国の名門・千葉氏の一族であった東(とう)胤行は、承久の乱(1221)の戦功により郡上郡山田荘を加領され、阿千葉城を築いた。 鎌倉時代末期(1310年頃)、四代目・氏村が篠脇城に本拠を移し、その後、東氏は8代二百数十年にわたりここで領地を治めた。 東氏は代々歌道に優れていたが、中でも九代・常縁は古今集研究の第一人者だった。ご存知「古今和歌集」は日 […]

道の駅「安曇野松川」」からひたすら北上。「若一王子神社」と「仁科三湖」の桜へ(トイレ○仮眠○休憩△景観○食事○設備○立地◎) 

長野自動車道の安曇野ICから国道147号線を北に12キロ、その後、県道306号線を北に約1キロ、 長野県北部の松川村に道の駅「安曇野松川」がある。 松川村は手厚い移住政策によって、人口を増やしている自治体の一つだ。 一応「村」を名乗っているが人口は1万人を超え、人口要件的には「町」を名乗る資格を持っているようだ。 北西の方向には美しい北アルプスの山々を見ることができ、長寿、鈴虫でも有名。 道の駅の […]

ゆっくりするならここ。「うるぎ温泉 こまどりの湯」と、道の駅「南信州 うるぎ」(トイレ○仮眠◎休憩◎景観○食事○設備△立地△) 

写真は、観音堂の枝垂れ桜。 享保20年(1735)ごろに建立された観音堂の脇にそびえる。 樹齢は約140年と推定され、売木村内に現存する桜ではもっとも古い名木だ。 「うるぎ温泉 こまどりの湯は長野県の南端、下伊那郡売木村にある温泉施設だ。 ここは売木村。標高1000mを越えた小さな山あいの里にある村営の温泉「こまどりの湯」をいただきにきた。 里山の風景を眺めながら入る露天風呂はもう最高だ。というの […]

徳川家康も崇敬した遠江国の守護神「小國神社」」からの、道の駅「いっぷく処 横川」(トイレ○仮眠○休憩△景観○食事○設備○立地◎) 

遠江国の守護神「小國神社」は、創建から1470年。徳川家康をはじめ、朝野の崇敬を集め、人々から「遠江国の守護神」として国土開発・諸業繁栄・商売繁昌・家内安全・縁結びなど古くから篤い信仰を集めてきた。祭神は大己貴命、ご存知「大国様」だ。 「大国主命(おおくにぬしのみこと)」とも呼ばれ、神話の中でも「因幡の白うさぎ」はよく知られており、赤裸にされたうさぎを助けられた心のやさしい神様である。大己貴命は「 […]

高野山金剛峯寺の桜は、私にとって特別な存在。血のつながっていない祖父が東寺中学で学び、そして私に注いてくれた愛の花を見る思いがする。

高野山は、標高800mの山上盆地に117の寺院が密集し、1200年以上信仰の歴史を秘めた山上の宗教都市。峻険な山嶺と深遠なる樹叢とが一体となった荘厳な景観を形成している。 ご存知真言密教の根本道場として空海が弘仁7年(816)に創建した「金剛峯寺」はその中心を成し、創建以来、現在まで連綿として継承されてきた特殊な伽藍配置を伝える山岳寺院だ。伽藍地区、奥院地区、大門地区、金剛三昧院地区、徳川家霊台地 […]

願い事が“ことのまま”に叶う言霊のお社「事任八幡宮」へ、道の駅「掛川」から(トイレ○仮眠○休憩△景観○食事○設備○立地◎) 

「言霊」とは、「ことだま」と読み、言葉に宿ると信じられている霊力のことだ。 言葉には、発せられた内容通りに現実世界に影響を与える力があると考えられていて、具体的には、良い言葉を発することで良いことが起こり、不吉な言葉を発することで悪いことが起こるのだと。 真偽のほどはともかく、少なくとも言葉にすることで自分の願いが具体化され、叶えるために自分がすべきことを考え、行動を変えるきっかけになることは確か […]

東海有数の名瀑と名高い「宇嶺の滝(別名「お君の滝)」へ、道の駅「玉露の里」から(トイレ△仮眠△休憩○景観◎食事○設備○立地○) 

県道32号線を車で北上することおよそ30分。 藤枝市の北部、高根山のふもとに近づくと蔵田観光駐車場が見えてきて、そこを右折して1㎞ほど走ると「宇嶺(うとうげ)の滝」と書かれた石碑がある。 そこから歩いて遊歩道を下っていくと、滝の轟音が次第に大きくなってくる。 落差が70mあり、水量が豊富で東海の名瀑として知られていて、悲恋の伝説から、別名「お君の滝」とも呼ばれている「宇嶺の滝」の音だ。 「お君の滝 […]

樹齢450年超。奇跡の移植を経て今なお生きる2本の「荘川桜」を拝みに、道の駅「桜の郷 荘川」から(トイレ△仮眠◎休憩○景観○食事△設備○立地○) 

岐阜県高山市荘川町。ここに、二本の老いた桜が、450年を超えて生きている。四方を山に囲まれた御母衣湖畔にたたずむこの2本の老桜には、奇跡のものがたりがある。昭和35年、電源開発株式会社による「御母衣(みぼろ)ダム」建設によって、荘川村(現荘川町)中野地区が水没することになったが、同地区の光輪寺と照蓮寺の境内にあった老桜も同じ運命になることとなった。春になると村人の眼を楽しませていたのが、二本の老桜 […]

道の駅「FARMUS木島平」から御魂山の神代桜、上杉謙信ゆかりの飯山城址の桜を(トイレ○仮眠◎休憩○景観○食事○設備○立地○)

上信越自動車道の豊田飯山ICから国道117号線、国道403号線を利用して北東に約10キロ、 長野県北部のスキー名所・木島平村の中に「FARMUS木島平」という道の駅がある。 この道の駅の建物は、使われなくなったデルモンテの工場を改装したもの。 とても洗練されたデザインに仕上がっており、2015年度のGOOD DESIGN AWARD金賞に輝いている。 あまり天気が良くない日だったので長距離を下道で […]

郡上の豊かな森林の最高にうまい空気を吸いながら、雪解けの道の駅「清流の里しろとり」へ(トイレ△仮眠○休憩○景観△食事○設備○立地△)

400年の伝統を持つ「郡上おどり」、名水と清流が育んだ工芸品「郡上本染」「郡上紬」、江戸時代の人々の暮らしを彷彿とさせる郡上八幡の「城下町」等々、豊かな文化が受け継がれてきた郡上が大好きな私は今回、白山信仰の息づく白鳥町を訪れた。白鳥町を前回訪れたのは、たしか1999年。高原にスキーをしにきて以来、2度目だ。 写真のように、郡上市の総面積の90%に当たる92,398haは森林である。 ここに、市の […]

武田信玄V.S.上杉謙信の5度にわたる川中島の戦いを辿りながら、道の駅「ぽかぽかランド美麻」へ(トイレ○仮眠△休憩○景観△食事○設備◎立地△)

川中島の戦いは、戦国時代に甲斐の武田信玄と越後の上杉謙信が北信濃の領有権をめぐって戦った合戦を言う。両者は1553年から1564年にかけて5度にわたって戦い、特に永禄4年(1561年)の第4次合戦は苛烈をきわめた。 なぜ「川中島の戦い」が起きたのかには諸説あるが、もっとも重要な点は、川中島が犀川(さいがわ)と千曲川が合流する地点で、越後と信濃を結ぶ交通の要所だったことだろう。肥沃で豊かな土地であっ […]