「北の国から2002遺言」の準主役?「羅臼のトド=唐十郎」に献杯。道の駅「知床・らうす」にて(トイレ○仮眠△休憩◎景観◎食事◎設備○立地○)

大好きな役者「唐十郎」さんが亡くなって一年。
北の国からファンの私は、彼が23年前の北の国からの最終話「2002 遺言」のみに突如現れて快演した「トド」という男に、完全にやられてしまった。

唐十郎演じる「トド」が初めて五郎(田中邦衛)と出会い、家を建てているシーン、酒を酌み交わしながら、「結」と言う助け合いについて語り合うシーンなど、感銘を受けたシーンは多々あるが、結局。

真に強い男とは、こういう男を言うんだ!

と思い知らされた。ガサツで高圧的でも、筋が通った発言と行動を貫くトドの存在の大きさは、羅臼の厳しい環境があっての必然。それを唐十郎の快演から感じたゆえ、羅臼の自然に触れながらアングラ演劇の旗手で小説家、劇作家、演出家、俳優として活躍された彼のありし日をリアルに思い出し、追悼したかった。

だから、今日は羅臼へ。

一周忌から1ヶ月ほど遅れてしまったが。

北の国から最終話「2002 遺言」

草太(岩城滉一)が事故で亡くなってから4年。草太から引き継いだ牧場の倒産で、純(吉岡秀隆)と正吉(中沢佳仁)は借金を抱え富良野から出て行き、純は羅臼で廃棄物処理の仕事に就いていた。

螢は3歳になる息子・快(西村成忠)と富良野で暮らしていた。五郎(田中邦衛)にとっては孫の快が唯一の生きがいであった。

ある日、和夫(地井武男)の元に娘のすみえ(中島ひろ子)が帰って来た。結婚が決まったというがすでにお腹には子供がいるらしい。すみえの結婚相手の清水正彦(柳葉敏郎)は、五郎が廃棄物で作った雪子の家を見て感動し、自分とすみえの新居を建てて欲しいと頼み込み、五郎は新居作りに着手することになった。

そんな時、久し振りにシュウ(宮沢りえ)が五郎を訪ね、近く結婚して神戸に行くことを話し、純にあてた手紙を置いて行った。

その時、五郎の下腹部は急に痛みだし、螢に言われ続けた精密検査を受ける決心をする。

純はシュウの手紙を、廃棄処理業をしながら暮らしている漁師町・羅臼で受け取った。

トド、登場!

純は、仕事中に漁港にあるコンビニで店員・高村結(内田有紀)と出会い、魅かれていく。

しかししばらくして純は、結が人妻で、その義父・吾平(唐十郎)がトドと呼ばれる気性の激しい男だと聞かされた。目が可愛い唐十郎、怖さ激しさと、優しさの、両極端を表現し切っていたな。

螢(中嶋朋子)の勤める病院にみずえ(清水まゆみ)が入院してきた。肝臓に癌が転移しておりすでに手の施しようがなかった。その日、一緒に新居作りをしていた新吉(ガッツ石松)が「遺言を書いているか?」と切り出してきた。新吉のすすめもあり、五郎は元中学校の校長の山下(杉浦直樹)に習い、遺言を書いてみることにした。

ひょっこりトド(唐十郎)が五郎を訪ねてやって来た。二人は、仕事や子供のことを語りあったが、五郎は最後までトドの素性を知らなかった。そして純(吉岡秀隆)は、流氷を親父さんに見せるようトドに言い渡された。羅臼までの交通手段と同封された費用を受け取った五郎は、この冬の羅臼行きを決めた。

結をめぐる決戦

その頃、結(内田有紀)の夫・弘(岸谷五朗)が町に戻って来た。呼び出され叩きのめされた純。

純は自分の決心を告げに弘のもとに乗り込み、そして結の手には猟銃があった。

流氷が来て、五郎が羅臼にやって来た。純は富良野に帰ろうと思っていること、結のことを打ち明けた。翌朝、純はトドがトド撃ちに行ったまま戻って来ないことを知らされた。漁船での捜索、巡視船も出された。そんな中、純も弘も迎え火を焚いてトドの帰りをひたすら待つのだった。

時をほぼ同じくして、富良野からみずえの死の報が入り、純は2年振りに富良野に帰ることになった。

五郎と並んで大好きな中畑のおじさん(地井武男)の妻への愛情に涙が止まらない。余命短い妻の為に、楽しみにしている息子夫婦の新居完成を急ぎ、最後まで妻へ愛情を示した。

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五郎や純たちを全話に渡って支え続けた中畑さんは富良野の中で一番人徳があり、彼のおかげで五郎達は苦労を乗り越えてこれた。そして全話通じて、地井さんの演技は素晴らしかった。

五郎の遺言

この最終話「2002遺言」で、五郎が純と蛍に贈った「遺言」。

それは、黒板五郎という人物の生き様そのものだった。

「金なんか望むな。倖(しあわ)せだけを見ろ。

ここには何もないが自然だけはある。

自然はお前らを死なない程度には充分毎年喰(く)わしてくれる。

自然から頂戴(ちょうだい)しろ。

そして謙虚に、つつましく生きろ。

それが父さんの、お前らへの遺言だ」

黒板 五郎

「北の国から」は、自分に欠けてるものにいつもハッと気づかせてくれるドラマだった。

道の駅「知床・らうす」

目の前には、根室海峡と北方領土・国後島が横たわり、後ろには日本百名山の1つ標高1,661mの羅臼岳がそびえる。

国道335号沿いに建つ「道の駅 知床・らうす」は、標津方面から北上し、知床横断道路の羅臼側の入り口にある道の駅だ。日本で一番北方領土・国後島に近い道の駅で、もっとも近いところでは約24kmしか離れていない。
晴れた日には、東側に北方領土・国後島が、西側には高さ1661mの羅臼岳が一望できる。

道の駅「知床・らうす」がある知床羅臼は、「魚の城下町」の異名を持つ。

海産物が豊かで、冬は羅臼産エゾバフンウニ、すけそうだら、春には時鮭(トキシラズ)、夏には羅臼昆布やブドウエビ、秋には鮭児(ケイジ)などの秋鮭やイカなど、一年中多種多様な魚介類がとれる世界有数の漁場として賑わっている。近隣には、それらを活かした飲食店、宿泊施設等があり、一年中観光客の目と胃袋を楽しませている。

道の駅に隣接する海鮮工房や深層館では、羅臼の旬の海の幸を買うことができる。羅臼漁港であがったばかりの新鮮な魚介類をはじめ、スイーツやグッズなど、羅臼の様々な土産物が完璧に揃う。

2階の食堂では知床・羅臼ならではのグルメを味わうことができます。

定番のウニ丼やイクラ丼、ホッケ焼き定食やキンキ焼き定食、人気の昆布ラーメンのほか、羅臼でしか味わえない黒ハモ丼は絶品だ。
世界自然遺産知床には日本で最後に残ると言われている手付かずの自然環境がある。知床半島には、陸からはアクセスできず、事故の記憶が新しい「遊覧船」で遠巻きに見ることしかできない。
山にはヒグマが、海にはシャチが生息。

知床岬は、海と陸の生態系の頂点に君臨する野生動物が棲んでいる秘境である。