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2025年

人間はなんで働くの?-26  働けない人と働かない人がいる

こんな私でも、現役時代はおそらく自分のことで精一杯だったのでしょう、あまり世の中について世知辛いとかギスギスしてきたとか感じませんでした。しかし、仕事の量を半分以下に減らしてみると、斜め読みしかしていなかった新聞を隅々まで読んだり、つまらないテレビも観たり。ぼんやりしていると、今まで感じなかったようなことも、感じ出すものです。まず感じることは、随分、世の中や人間関係がギスギスしていること。とりわけ […]

人間はなんで働くの?-25  働いても足らないお金をどうする

皆さんはアメフト=アメリカン・フットボールというスポーツをご存知でしょうか。 大男がぶつかり合う様は格闘技に近い印象もある一方、もっとも「知力」を結集して戦うとも評されます。オフェンス、ディフェンスや各ポジションはもちろん、スタッフ、場合によっては観客を含めた、「組織的」と「総合力」が勝負を決するからです。 日本最強の関西学院大学アメリカンフットボール部で、自ら日本一を目指す中で「最強であるために […]

人間はなんで働くの?-24  お金を増やさないと老後貧乏になる

世界の民族は、たどってきた歴史から「狩猟民族」と「農耕民族」に大きく分かれるそうです。 狩りによって食べ物を得ていた人々は獲物がたくさん獲れれば満腹になるが、捕れない日々が続けば途端に飢えてしまう。なので狩猟民族は常に獲物を仕留める武器をつくって進化させ、獲物を求めて移動を繰り返してきました。アングロサクソンやロシア、東欧諸国、アフリカなどに住む人たちのルーツは狩猟民族だったといわれているが、ロシ […]

人間はなんで働くの?-23  いやいや、お金に働いてもらうんです私は

働かなくてもお金がもらえるという夢のような話は、実際のところは夢でもなんでもありません。 バブルの時代を思い出せば、そんなことが実際にあったなあと懐かしいでしょう。あの頃、定期預金にお金を預けていると、そのお金が12年間せっせと働いてくれた結果、なんと預けた額と同じ金額を稼ぎ出してくれて、定期預金額は「倍」になりましたよね。 そう、あの頃は金利が6%もあったのです。もちろん、今は金利も何もかもが全 […]

人間はなんで働くの?-22  死ぬまでお金に困らないで長生きしたいから

企業に早期希望退職を募集する動きが広がって久しいですが、東京商工リサーチによると2021年には上場企業80社が計18635人の早期希望退職を募集(この他に募集人数が判明していない企業が13社)。 直近の2024年は57社の上場企業が1万9人を募集し、2021年以来、3年ぶりに1万人を超えました。 2021年はもちろん、新型コロナの影響で業績・財務体質が悪化したことに対応した措置だったわけですが、2 […]

人間はなんで働くの(生きるの)?-21  ああ、生まれてきてよかったなって思うことが何べんかあるじゃない、ね。そのために人間生きてんじゃねえのか

こんな私でも、人様から人生相談を受けたことが何度かあるわけで。でも私はどんな相談であれ、その人の悩みを解決する自信がなかったので、決まって「映画・男はつらいよの寅さんでも観てみたら?」とだけ言うしかなかったわけで。 私自身が『男はつらいよ』を観た最初は、彼女にフラれた夏休みです。その後仕事を失った時やうまくいかなかった時に、失敗しながらも明るく前を向く寅さんや、それを支える周りの人の姿に、自分の今 […]

人間はなんで働くの?-20  「これ」をするために生きている

Life Work(ライフワーク)という言葉の定義を調べてみると、以下のようなものが見つかります。 「生涯にわたって続ける仕事、一生かけて行う取り組み、人生を捧げる事業」(wblio辞書より) 「ライフワークとは、自分のなかにある《幸せの源泉》から湧き出る情熱を使って自分らしさを表現し、まわりと分かち合う生き方」(本田健さんの書籍中の表現※Wikipedia「ライフワーク」より) 他にも色々な言葉 […]

人間はなんで働くの?-19 世の中を、日本を、よりよくしたいから②

ファイナルステージのたった二人。 その二人目は、江副浩正(えぞえ・ひろまさ)氏です(私にとっては、私を社会人として育ててくださった恩人でもあるので、以下「江副さん」と表記させていただきます)。 Amazon.comの共同創設者、取締役会長のジェフ・ベゾス氏はAmazonの成功で世界最大級の資産家となった人ですが、かつて彼をも「部下」にもち、アマゾンの「AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)」やグーグ […]

人間はなんで働くの?-18 世の中を、日本を、よりよくしたいから①

ファイナルステージのたった二人。そのうちのお一人が、中西宏明氏です。 前経団連会長で、日立製作所の社長、会長を務めた中西宏明(なかにし・ひろあき)氏がこの世を去ったのは2021年6月27日、75歳でした。 日立製作所トップの重積を担い、2018年5月には経団連会長に就任、実力派会長として就職活動ルールの廃止を主導するなど、周りに流されない「改革路線」で「財界総理」の異名をとって存在感を示した人で、 […]

人間はなんで働くの?-17 「五方よし」を実現したいから?

「五方よし」というのが「三方よし」を「現代の企業経営」に当てはめて発展させた考えであり、具体的にはステークホルダーを顧客、従業員、取引先、地域社会、株主・投資家の5者とした上で、この5者に対して「等しく分配すべき」とすることを目指す経営であると言うことを確認しました。そして、関西経済連合会が、この「五方よし」すなわちマルチステークホルダー資本主義を唱えていると言うことで、その加盟企業を列挙しておき […]

人間はなんで働くの?-16 社会がどうであれ、ナイスな存在でいたい

前回の記事では、「売り手」「買い手」「世間への貢献」ができていること、という三方よしの選考基準と、それができている方の典型例を示しました。 「五方よし」というのは「三方よし」を「現代の企業経営」に当てはめて発展させた考え。ステークホルダーを顧客、従業員、取引先、地域社会、株主・投資家の5者とした上で、この5者に対して「等しく分配すべき」とする考え方です。 ビッグモーターが自店舗前の公道の樹木を除草 […]

人間はなんで働くの?-15 社会に貢献したい、ナイスな存在でありたい

自分の仕事も、事業を成し遂げた結果も、世の中にとって「ナイス」でありたい。そして、次世代にも貢献したいという目的で仕事に邁進する人がいらっしゃいます。 そんな人たちを私は「Nice worker(ナイスワーカー)と呼び、彼らの働く目的を「Nice work(ナイスワーク)」と名付け、ビジネスマンの最高ステージと位置付けています。 ただ、サンプルを見直していると、この最高ステージを一括りにするには、 […]

人間はなんで働くの?-14 崖っぷちの人がおるからな

私が玄秀盛氏(以下・玄さん)に会ったのは、彼が当時「」(後の新宿駆け込み寺、現・公益社団法人日本駆け込み寺)という小さな事務所を新宿歌舞伎町の雑居ビルの一室に構えたばかりの頃です。 コーチングの勉強でご縁をいただいた浮世麻里子さんにご紹介いただき、Light Workの実例を研究するために、2002年の秋、直接お話を聞きに開いたばかりの事務所を訪ねたのでした。 雑居ビルの階段を上がってドアをノック […]

人間はなんで働くの?-13 人を助けたい、心に希望の光を灯したい

Lite WorkをAIに聞けば、何かに光(light)を持たせる力を持つ仕事、またはその仕事に従事する人という答えが返ってくるが、私は少し具体的に、「弱っている人や絶望している人の心に光を灯す目的、あるいは社会の一隅を照らすという目的を持って取り組む仕事」と定義しています。 ネットで「ライトワーカー」検索すれば、「光の仕事をする人」という直訳の答えも存在します。 光の仕事って何さ?照明屋か?との […]

人間はなんで働くの?-12 人と接するのが好きだから?

前略 黒田裕子さん。あなたはすごい人でした。 私もその一人ですが、どれだけ多くの被災者が、あなたに助けられたことでしょうか。 あれから今年で30年が経ちました。あなたに学び、あなたの遺志を継いだ人たちは、今日も頑張っていますよ。 2024年のお正月には、能登で大震災が起こってしまいました。その時、あなたの「教え子」たちがたくさん能登に入って、黒田さんから教わった大切な観点から、被災者の皆さんの支援 […]

人間はなんで働くの?-11   子どものためならエンヤコラ

美輪明宏さんが「ヨイトマケの唄」をつくったのは、高速道路が地方に造られ始めた1966年のことです。ヨシオの家は貧しかったし、国民の多くがまだまだ貧しさから脱したわけではなかったですが、日本経済は敗戦からにわかに復興、「高度成長」の只中にありました。 その時代からおよそ60年。 今の日本は、「相対的貧困率」が米国や韓国にも抜かれ、先進国で最悪の数値となっています。 相対的貧困率とは、等価可処分所得の […]

人間はなんで働くの?-10   父ちゃんのためならエンヤコラ

「ヨイトマケの唄」をご存じでしょうか。 この楽曲の作者・美輪明宏さんには、小学生時代の忘れられない記憶があったそうです。美輪さんは長崎県に生まれ、長崎市本石灰町の家から小学校に通うようになりました。 当時の名前は丸山臣吾だったので、以下、敬称略で「ゴロウ」と表記させていただきます。小学生低学年の頃、当時まだ「父兄会」という言い方でしたが、そこに着飾った服を着ている母親たちの中に一人、野良着にモンペ […]

人間はなんで働くの?-9  「メンツ」→「権力欲」の無限ループ

ロシアと同盟関係にあるベラルーシの大統領選挙で、中央選挙管理委員会は、現職のルカシェンコ大統領が得票率およそ87%で当選が決まったと発表しました。反対勢力を弾圧してきた強権的な統治が、なんと7期続くことになります。 しかし、いよいよ彼の末路は悲惨なことになることも確実になったと言えます。 なぜそう言えるのか。政治に起こることは企業にも起こると言われますが、政治の歴史が証明している権力者の末路はただ […]

人間はなんで働くの?-8  人に負けたくないからな、メンツってもんがあるだろ?

1億人近い党員がいる中国共産党。「ヒラ党員」から総書記までのピラミッド組織ですが、党員たちはそこをどんな風に上っていくのでしょうか。 中国共産党の出世の仕組みは、日本の会社の出世レースとよく似ています。違うのは規模だけ。どちらもリーダーは密室で決まり、部下は実績を上司にアピール。昇進には権力者とのコネがものを言い、時に派閥争いや権力闘争が繰り広げられるという点は全く同じです。 なぜ中国共産党の話を […]

人間はなんで働くの?-7  お金が大好きなのよ、のう越後屋

このセリフの後には、「お主も悪ようのう、ゲヘヘヘ」と続くわけですが、ハッキリ言って、お金が度を超えて大好きな人には「ワル」が多いですね。 中小零細企業の「お金目的」による消費者への裏切り行為は、これはもう無数に近いです。 私が直接被害を被ったケースで忘れられないのは、交雑種の牛肉約100キロを「和牛」と虚偽表示して「焼肉六甲」元町店などの焼き肉店に卸したとして、食肉卸会社「神戸サカヱ屋」(現・神戸 […]