「ウサクマイ遺跡群」→「樽前山」→「野鳥の森」→「支笏湖」→「オコタンペ湖」。道の駅「花ロードえにわ」から(トイレ○仮眠◎休憩◎景観○食事△設備○立地○)

道の駅「花ロードえにわ」を出て、まずは10数キロ南下。内別川の周辺で発見された約7,000年前の縄文時代早期からアイヌ文化期にいたるまでの遺跡群に向かう。

千歳市の西方約5キロメートルの地点で千歳川と苗別川が合流するが、この遺跡群は、この両川に挾まれて東西に細長く延びるウサクマイ台地及びその裾部の川岸に集中して分布している。

昭和54年に史跡として指定されたこの「ウサクマイ遺跡群」では、擦文(さつもん)時代の土壙墓(どこうぼ)や各時代の土器といった出土品がたくさん発見された。

本遺跡では28の墓壙と、蕨手刀・刀子・擦文土器・北大式土器、土師器などの副葬品が発見され、それらは古代東北地方との文物交流を物語るというからすごい。また、遺跡の一部には落葉や落枝からなる泥炭層が形成されていて、動・植物の遺体とともに繩文前期の土器が発見されている。
ここには見学コースが整備されていて、79の竪穴住居跡が地表に明瞭なくぼみを見せて密集しているのを見ることができる。

大規模な集落跡のそのくぼみは、いわゆる絶景でもなんでもないが、それらを見ながら散策路を歩いていると縄文時代にいる気がしてきて、北海道の先人たちの息吹が感じられるのだ。

支笏湖野鳥の森へ

「ウサクマイ遺跡群」を後にして、10キロほど西に車を走らせていると、支笏湖東岸にモラップ山(506メートル)とキムンモラップ山(478メートル)の二つの小高い山が見えてくる。
このうち、北側にあるキムンもラップ山麓の国有林は、野鳥観察の場として開放されている。

園内には散策路が整備されており、一年中みられる留鳥だけでなく季節ごとの漂鳥(渡り鳥)にも出会え、緑のじゅうたんのように苔むした歩道を歩きながら森林浴を楽しめる。

さまざまな野鳥に出会うことができる湖に面した巨木の森
ここは木々が生い茂っているがもう支笏湖に面していて、見通しの良いところに出ると、標高1,041mの活火山「樽前山(たるまえさん)」が見える。
プリンのような形の溶岩ドームが特徴的な活火山

樽前山

樽前山は、「樽前山」は、プリンのような形の溶岩ドームが特徴的な活火山。

繰り返される噴火でできた複式火山だが、山頂部の地形が1800年代初期に形成された外輪山を伴う火口原と1874年の噴火で開いた火口、そして1909年に中央部に盛り上がった溶岩ドームで構成されていることから、とても珍しい「三重式火山」である。
車で7合目ヒュッテまで行くことができ、駐車場から10分ほど登ると見晴らし展望台があって、眼下に国内有数の透明度を誇る真っ青な支笏湖を見ることができる。

これぞ真っ青?支笏湖ブルー

支笏湖は、長径13km、短径5kmの東西に長いマユ型の湖で、周囲は約40km、最大深度約360m、平均水深約265m。国内では、秋田県の田沢湖に次いで2番目に深く、日本最北の不凍湖である。水中の栄養分が少なく、プランクトンの発生も少ないことから透明度は非常に高く、環境省の公共用水域水質測定結果において、過去20回も全国1位に輝いている。
この透明度と水質を誇る支笏湖の澄んだ水は光に照らされることで「支笏湖ブルー」と言われる青色の輝きは生まれるのである。

支笏湖ブルーと周囲の雄大な自然景観は必見だ

支笏湖もまた、およそ4万年前に支笏火山の噴火でできた陥没地に水が溜まって形成された、洞爺湖などと同じカルデラ湖である。

名前の由来はアイヌ語で”大きな窪地”を意味する「シ・コッ」が語源と言われ、友人たちから「コッシー」と呼ばれている私はとても親近感が持てる湖だ(笑)。

また支笏湖の清らかな水は古くから千歳の貴重な水源とされてきたが、今から向かう今日のハイライト「オコタンペ湖」や「苔の洞門」、標高1,000mを超える「風不死岳」「恵庭岳」など周辺の自然も豊かにしている。

オコタンペ湖はすごかった

「オコタンペ湖」は、支笏湖の北西約7km、支笏湖より標高が300メートル高い600メートルの場所にあり、恵庭岳(1,320メートル)と漁岳(いざりだけ/1,318メートル)に囲まれ、人気のない山間にひっそりと佇んでいる。

ここは北海道上士幌町の東雲湖(しののめこ)、足寄町のオンネトーと並び「北海道三大秘湖」と言われる神秘の湖として知られている。

鬱蒼と生い茂る原生林に囲まれているため遠くからでは湖の全景は見ることができないが、道道78号線側にある展望台からはなんとか美しい湖面を望むことができる。

国道のゲートから展望台までは車で5分くらい。展望台付近の木々のすきまから青い湖面が見える。

水面標高が支笏湖より300m高く、オコタンペ川を通じて支笏湖へ流れて出ていでのだが支笏湖まではわずかな距離なのにこの落差。かなりの激流と思われる。

展望台からでも少ししか見ることはできないので、湖面に近づくことにする。周りは手つかずの原生林で巨木の森。笹をかき分けつつ湖面に近づくと、信じられないような的な色が目の前に。

歩いていると刻々と水の色が変化して行く。季節はもちろん時間帯、太陽の当たり方、見る角度によって、湖水の色がコバルトブルーやエメラルドグリーンに不思議な変化をする。恵庭岳の山頂も見えて、これまた美しい。

しばらく恵庭岳に見惚れていると、湖の色がまた変わっている。これが北海道3大秘湖と呼ばれる神秘の湖たる所以か。

道の駅「花ロードえにわ」

今日の旅の起点としたのは、1日交通量38,000台という国道36号と、サケが遡上する漁川の交差する場所に位置する道の駅「花ロードえにわ」だ。
花ロードえにわには花・水・緑・食べる・買い物を楽しめる場所として年間100万人以上が訪れる。

全国道の駅ランキングポスター.jpg

自分で見たものしか信じないし、自分でいい悪いは判断する私は、こうしたランキングに私はあまり興味はないが、多くの方の評価はとても高いようだ(笑)。

駐車場には、人気の道の駅らしくたくさんの車が。少なくとも仮眠に適した道の駅ではない。

75インチのタッチモニターを中心に周辺観光案内のほか、道路交通情報や地域情報を提供してくれているが、ちょっとしたトイレ休憩にも向いていないだろう。腰を据えて買い物や食事をするにはいいと思う。

花ロードというだけあって、ガーデンは広く、恵庭農産物直売所かのなは非常に充実した内容だ。

恵庭農産物直売所かのな

花ロードえにわGift

恵庭産の素材を使用したスイーツや北海道のお土産、地元の方もリピートする商品などを約4,000種類も取り揃えており、日常使いのちょっとした良い物・お土産・手土産・プレゼントを選んだりする人たちでごった返している。人が写らないように写真を撮るのが本当に大変(笑)。

えにパン(ベーカリーコーナー)

ベーカリーでは、圧倒的人気のかぼちゃプリンパンや見た目もカワイイりんごパン、恵庭産放牧豚こな雪とんとんを使ったウィンナーパン、えにパンなど約40種類の出来立てパンを販売。コーヒー類も売っていて、買ったパンは飲食スペースで食べられる。

スキレットカレーこな雪とんとん(フードコーナー)

恵庭産放牧豚「こな雪とんとん」の旨味をたっぷり味わえる特製カレーを、アウトドア感満載&美しいガーデンが見える客席で楽しめる。

食事をしたばかりだったが、せっかくなので小さいのを一ついただいた。カレーはテイクアウト可能。

Tea&Swets『goasis』

恵庭産もち米を使ったここでしか購入できないオリジナル豆大福・よもぎ大福・えに塩大福が人気。もち米は恵庭の農家さんに特別に作ってもらっているそうだ。

Ra-no Store HanaRoadEniwa

恵庭発・顔も身体も洗えるナチュラルな石鹸や雑貨類、 Eco商品を取り扱っている店もある。

花ロードというだけあって花の販売も充実