
支笏湖から唯一、湖の外に水が流れ出る川がある。
千歳川だ。
千歳川は、支笏湖から千歳市街地を流れ、石狩川に合流して最後は日本海に流れ出る、延長108キロメートルの川である。
この千歳川に、秋になるとサケが海から帰ってきて、遡上する。

ご存知のように、サケは、千歳川からまずは海に出て数年を過ごし、生まれ故郷である千歳川に繁殖活動のために戻ってくるのだ。そして、サケは産卵を終えると多くの場合、死んでしまう。

これを「ホッチャレ」と呼ぶが、サケは命を繋ぐため、そして死ぬために海から川に戻ってくるのだ。
リクルートの先輩に羽根地伸夫さんというサケの遡上をこよなく愛する素敵な人がいて、私が新人時代、彼の営業に同行させてもらうと、その行き帰り、いつも目に涙を溜めてこの「ホッチャレ」を力説。サケへの愛を語ってくれ、時には大人の性教育もしてくださった、あの日が懐かしい。
サケが遡上する千歳川は命を繋ぐ産卵場所になるのだが、水鳥が休み、様々な生き物たちが生き抜く拠り所ともなっている。

今は6月。まだサケの俎上を見ることはできない。
なので、天気もあまり良くないこの日、支笏湖から続く北海道の水の自然を体験することができる2つの水族館に行った。
千歳さけますの森 さけます情報館

千歳さけますの森 さけます情報館は、サケのふ化の様子を観察したり、卵や稚魚に直接触れることができる展示施設だ。
館内は、魚を見ることができる巨大水槽、実際の重さや質感を体験できるハンズオン展示、ゲームで楽しく学ぶことができるデジタルコンテンツなどがあり、「みて」「さわって」「学ぶ」施設となっている。

千歳さけますの森 さけます情報館は2つの建物で構成されている。
大水槽やパネル展示のある展示棟

展示棟の中では、さけます・孵化放流事業の歴史やサケの生態などとても充実した情報発信がなされている。大型の水槽があって、餌やり体験もできる。

実際に手を持って感じる「ハンズオン展示」もたくさん取り入れられていて、私もサケではないが童心に遡って楽しめた(何十年遡上するねん!)。

ゲームやミニ飼育地のある体験棟

こちらにも「ハンズオン展示」が随所にみられる。


サケの放流体験をすることもできる。




サケのふるさと 千歳水族館

「サケのふるさと千歳水族館」は、道の駅「サーモンパーク千歳」の隣にある。道の駅に車を止めたらサケのふるさと 千歳水族館まで歩いてすぐだ。
ここは、淡水では日本最大級の水槽を有する水族館で、館内ではサケや北方圏の様々な淡水魚の生態を観察することができる。最大の見どころは「水中観察室」。館内に、千歳川の水中を直接見ることのできる日本初の施設が設けられていて、実際に遡上してきているサケを観察することができるようになっている。
サケ捕獲情報
サケのふるさと 千歳水族館では、「サケ捕獲情報」を毎日更新して発信している。
採卵用サケ親魚の捕獲は8月21日~12月中旬頃まで行われる。千歳川のサケ親魚の遡上は、早い年では7月下旬に始まるが、7月、8月あたりはまだまだ遡上数も少なく、目に見えて増え始めてその姿を見ることができる時期は例年9月以降になる。
体験ゾーン
体験ゾーンでは、タッチプールで魚と触れ合ったり、ドクターフィッシュに角質をパクパク食べられたり。


めっきりキスをされることがなくなった私だが、無我夢中でめちゃくちゃ吸い付いてくれる魚が愛おしくてたまらない。
生まれたばかりの長女が、私の上唇を妻の乳頭と思って必死になって吸い付いてくれた、あの頃を思い出して涙した。

千歳川水中観察ゾーン
そして、進んでいった先で階段を降りると…これが噂の、本物の千歳川の中を見ることができる千歳川水中観察ゾーンだ。


橋の上からも観察
水族館を出て、先ほど水族館の中で見た川に橋が架かっているので、秋には上から遡上するサケを観察することもできる。


道の駅「サーモンパーク千歳」
「サーモンパーク千歳」は、千歳市と小樽市を結ぶ国道337号沿いに位置している。
トイレが、屋内外ともに素晴らしい。







休憩するにも、充実の空間だ。



ショッピングスペースも非常に充実している。








サーモンパークという名前を冠しているだけあって、道の駅では鮭(サーモン)に関する品を数多く取り扱っている。








農産物の直売も、スペース、品数ともにすごい。
地元の人がスーパーとして利用しているのだろう、お買い得の野菜が棚からどんどん消えていく。
















