大雪山国立公園「旭岳」へ。道の駅「うりまく」横の「熊酒場」から北上(トイレ○仮眠◎休憩◎景観○食事○設備○立地◎)

大雪山国立公園は北海道の中央部に位置する、日本最大の国立公園である。

面積はなんと23万haもあり、現在も活動を続ける火山をを含んだ山岳を中心とした原始性豊かな国立公園で、見どころが非常に多い。

山々の標高は2,000mほどだが、高緯度に位置していることから本州の3,000メートル級の山岳に匹敵する環境を持ちあわせている。

然別湖、糠平子、ニペソツ山から大きく西に走って十勝岳、トムラウシ山、そして北海道の最高峰「旭岳(2,291m)」と「中岳」を含むその周辺の山々、さらには東川に属する柱状節理が美しい天人峡も狙うと、おそらく走行距離300キロをジグザグと北上することになる。

翌朝からの長距離運転に備え、起点とする道の駅「うりまく」から徒歩圏内に見つけた「熊酒場」で早い時間から英気を養った。

熊酒場

2026年2月6日から22日まで、第25回オリンピック冬季競技大会がイタリア北部の都市ミラノとコルティナ・ダンペッツォで開催される。8競技116種目が実施されるが、新田恭子選手は、スピードスケート中距離の強化選手。瓜幕(うりまく)中学校の卒業生で、街をあげて熱烈に推されている。

カウンターの前のカレンダーは、新田選手が(右下)出ている2024年8月からめくられていない(笑)。

芋焼酎「熊酒場」一本を飲み干し、北海道の幸をしこたまいただいて、道の駅に戻って爆睡した。

まずは然別湖へ

翌朝目が覚めると「全道雨」という最悪の天気予報通り、雨が強く降っていた。
仕方ない、途中で天気回復ということもあるかもと、まず大雪山国立公園の唯一の自然湖「然別湖」へと向かった。

火山が川をせき止めてできたといわれ、森林に囲まれた自然性の高い湖沼景観が「神秘の湖」と呼ばれる然別湖のみに、オショロコマの亜種であるミヤベイワナが生息している。

タウシュベツ川橋梁・糠平湖

糠平(ぬかびら)湖は、昭和31年に完成した発電用ダムによる人造湖で、東大雪の山々をバックにした湖水の風景が景勝地として評価されている。ぬかびら源泉郷は東大雪エリアの利用拠点。今回は寄らなかったが源泉かけ流しの温泉だ。

糠平(ぬかびら)湖に残された旧国鉄士幌線のコンクリート製アーチ橋(通称・めがね橋)は夏には水没し、糠平湖の水位が下がる1月頃から写真のような姿を現すことから「幻の橋」と呼ばれている。

タウシュベツ川橋梁・糠平湖の写真

6月初旬なら本来はまだ見えていたかも知れないが、天候が悪く雨もかなり降っていたので、残念ながらその姿は見当たらなかった。

同様に、東大雪に位置する標高2,013mの急峻な山容を持つ独立峰「ニペソツ山」も雨ともやでちゃんと見えず、溶岩の積み重なった岩場に生息するエゾナキウサギにも会えなかった(涙)。

十勝岳とトムラウシ山への肉薄は断念

現在も火山活動を続ける十勝岳の山頂周辺には大正大正火口やグランド火口など多くの火口があり、白金温泉から車道が通じていて手軽に行ける望岳台から、正面に噴煙を上げる十勝岳を望もうと思っていたし、その北東の表大雪と東大雪の境に位置し「大雪の奥座敷」と呼ばれる標高2,141mのトムラウシ山も、こう見通しが悪いと無駄足になるだろうと、これまた断念。

その代わり、雨ならではの「大雪湖」や、上士幌エリアを流れる石狩川、ルべシナイ川、ユニイシカリ川、ニセイチャロマップ川などはそれなりに美しかった。

また、ちょうど羽衣の滝へ続く遊歩道が冬期通行止めが解除されていて天候も回復してきたので、これも楽しむことができた。

旭岳再訪を誓って

例年、6月中旬には「日本で一番遅く咲く桜」としてチシマザクラが開花し、2ヶ月後の8月下旬からは早くも「日本で一番早い紅葉」が始まる大雪山旭岳。

6月の山開きから10月初旬の紅葉期までの4ヶ月間が表のハイシーズン(裏のハイシーズンはスキー)。短期間でめまぐるしく変化する大自然は圧巻で、7月下旬に向けてピークとなる高山植物の花々が足元をカラフルに染め、アイヌ語で「カムイミンタラ」(神々の宿る庭)と称されるまさに楽園の様相となる。

日本で最も早く紅葉が訪れる場所としても知られているので、今回天候に恵まれなかった旭岳チャレンジは、9月中旬から下旬にかけて姿見エリアから始まり日ごとに旭岳温泉へと移っていく紅葉狩りに切り替えることにした。

また、冬は日本で一番長く(11月~5月上旬)スキーが楽しめる場所であり、旭岳の麓に広がる標高約1,050mの旭岳温泉街に宿泊してのスキーも楽しみに、今回は旭岳をスルーした。

道の駅 うりまく

大雪山国立公園の神秘の湖「然別湖」に車で20分、道内でも珍しい乗馬体験ができる道の駅が「道の駅うりまく」だ。

駐車場、トイレ、休憩環境は

熊酒場から歩いて戻り、車中泊をさせていただいた駐車場。爆睡できた。

トイレも駐車場から行きやすく、便利だった。

朝起きて小雨の中、広い敷地内を散歩したが、休憩環境としては抜群だ。

根付きベンチがあるので、雨天でも安心。

うりまく直売所

平成22年4月より内装をリニューアルし、軽食の提供が始まっている。

人気メニューは鹿追産そば粉とダシを使用したそばやうどん。テイクアウトできる肉じゃがまん、出店のたこ焼きもいい。

お土産品は鹿追産特産品や、地元の人が作る手芸品、ハンドメイドの革製品など。