
北海道で一番北にある湖をご存知だろうか?
稚内市から直線で約60kmにある周囲27kmの「クッチャロ湖」が、北海道最北にして道北最大の湖だ。大沼と小沼の2つの沼が細い水路によってつながったひょうたん型をしている。2つの沼をつなぐ水路の最狭部は約25mしかない。
湖の平均水深は1.5mと非常に浅く、最深部でも2.5mしかない。標高が低いため、満潮時には約3km離れたオホーツク海から海水が入り込んでくる。


日本で最北のラムサール条約指定地であるクッチャロ湖には数多くの野鳥が生息し、春と秋には約5千羽の白鳥が飛来する「白鳥の湖」として知られている。
クッチャロ湖は日本とロシアを渡る水鳥達の重要な中継地で、特に春と秋の渡りの季節には数千羽のコハクチョウと数万羽のカモ類が観察できます。冬には、天然記念物のオジロワシやオオワシの姿も見られ、約300種の野鳥が確認されている。
「屈斜路湖」と「クッチャロ湖」がゴッチャロコ
クッチャロ湖と弟子屈の「屈斜路湖(くっしゃろこ)」をゴッチャロコにしている人が多い。中には「クッシー」はいますか?」と言ってやってくる人もいるようで。
「クッシーの代わりにコハクチョウがいる」のがクッチャロ湖だ。
クッチャロ湖と屈斜路湖が間違われてしまうのは、どちらも同じ意味のアイヌ語から名前がつけられていて、酷似しているからだろう。
両者の語源は「トー・クッ・チャロ」。日本語では「沼から水の流れ出る口」「沼ののどもと」「沼の出口」という意味になる。
クッチャロ湖の場合、湖から出る水はクッチャロ川を経由して、オホーツク海に流れていく。この湖と川の合流点を意味する言葉が、いつのまにか湖全体を指すようになった。
2つの湖には、もう1つ共通点があって、それは、どちらも白鳥が飛来する湖であることだ。しかし同じ白鳥でも屈斜路湖に飛来する白鳥はオオハクチョウで、クッチャロ湖に飛来する白鳥はコハクチョウと、白鳥の種類が違う。

渡り鳥たちはルートをゴッチャロコにしない
日本に飛来するオオハクチョウとコハクチョウは、それぞれ別の渡りのルートを持っていて、特に道内を移動するときは、主に2つの渡りのルートを移動しながら本州へと渡っていく。
コハクチョウは、北シベリアの繁殖地からサハリンを経由して、北海道の最北に位置するクッチャロ湖に飛来。その後、石狩山地の西側にある天塩川・石狩平野を移動しながら、本州の越冬地へ渡っていく。
一方、オオハクチョウは、サハリンを経由してそのままオホーツク海を南下したあと、一番初めに濤沸湖(とうふつこ)へ飛来。その後、道東の海岸沿にある風蓮湖、厚岸湖を経由し、太平洋側を通って本州の越冬地へ渡っていく。
つまりコハクチョウは道内を縦に移動し、オオハクチョウは道東を経由し曲線を描いて移動する。渡りのルートが分かれている理由は解明されていないが、北海道の中央に位置する大雪山から日高山脈までの標高の高い地域を避けて東西に分かれて渡っているようだ。
と言うことで、クッチャロ湖には、コハクチョウが春と秋の渡りのシーズンに約15,000~20,000羽が飛来し、湖で羽を休めてから、次の休息場所へ渡って行く。
水鳥たちが落ち着いて過ごせるよう、また、鳥インフルエンザまん延防止のため、毎年10月1日~5月31日の8ヶ月館クッチャロ湖への立ち入りはできないが、6月からは秋まで、雄大な湖に沈む夕陽を観に来る人が多い。

ベニヤ原生花園
6月~9月にかけての夕日も素晴らしいが、湖に隣接したベニヤ原生花園では花のトップシーズンが訪れる。ハマナスをはじめ、エゾカンゾウやヒオウギアヤメ、スズランなど数百種類以上もの草花が群生する「ベニヤ原生花園」では、彩鮮やかな大地とオホーツクブルーの海のコントラストが楽しめる。
このベニヤ原生花園はオホーツク海に面した海岸沿いに広がる原生花園で、湖と同様に北オホーツク道立自然公園に指定されている。約330haの面積には海浜地帯、湿地帯、森林地帯などの多様な環境があり、約120種類以上の植物が分布している。


草原地帯に生息するシマセンニュウ、マキノセンニュウ、ノビタキ、オオジュリンなどの野鳥も多く観察され、国内では道北だけで繁殖するツメナガセキレイの姿も見られる。
道の駅「北オホーツクはまとんべつ」
クッチャロ湖最寄りの道の駅「北オホーツクはまとんべつ」は、2019年5月1日にオープンした北海道内登録番号123番目の比較的新しい道の駅。「町民が集い、交流する場所」を目的にした交流館、バスターミナルを兼ねた複合施設となっている。


イベント広場や多目的ホールもあり、パンの販売コーナー、バスターミナルなど、地域の賑わいをつくる交流拠点としての役割を果たしているが、大きな特徴は、子育て応援の充実。 幼児スペースや24時間利用可能なベビーコーナー(授乳コーナー、おむつ交換スペース)を備え、ばら売りおむつや液体ミルクなどを販売する自動販売機もある。



道の駅は、オホーツクラインから外れた、交通量の少ない浜頓別町市街地にある。周辺に浜頓別町役場、図書館、多目的アリーナなどがある静かな環境だ。
駐車場は広く、普通車96台の駐車が可能である。




道路から外れているため静かで、ゆったりしていて、仮眠あるいは車中泊には申し分ない。
トイレは、施設として新しい上に清掃が行き届いていて、気持ちよく使わせていただいた。



休憩環境としては申し分ない。特に屋内の休憩スペースが素晴らしい。





施設内はとても広く、遊びの広場・キッズスペースがあって、子どもたちは遊具で遊ぶことができる。




レストランはないので、カフェで軽食にするか、パンを買うか。
道の駅にレストランがないからといって、困ることもない。道の駅には採算がとれないレストラン、バカ高い値段のレストランが多いが、本来の目的である「ドライバーの休憩」に鑑みれば、駐車場とトイレと休憩スペース、これだけあれば十分なのである。

