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ノンフィクション「学生たちの片道切符」

たとえば京都発、ベイルート着。〜学生たちそれぞれの片道切符〜 第六話「高野悦子と立命館全共闘」

高野悦子が失望した2つの全共闘 1969年6月24日未明、立命館大学三回生の女子学生が貨物列車に飛び込んで、自死した。 鉄道自殺で亡くなった学生の名は、高野悦子。 2年後の1971年に、彼女が死の直前まで書き留めたノートの内容が、死後、遺族によって『ニ十歳の原点』という書籍として発刊されたが、この本は1970年代の学生にとってのバイブルのように読まれ、そののち『ニ十歳の原点序章』『二十歳の原点ノー […]

たとえば京都発、ベイルート着。〜学生たちそれぞれの片道切符〜 第五話「京大闘争の勃発」

新年明けましておめで闘@京大 1969年になると、 俺はすっかり騒がしかった医学部にも嫌気がさして、俺は学生部の建物とその周りに居を移していた。 ところがなんと、ここもすぐに居心地が悪くなる。 新年早々、あれは1月16日のことだった。 「寮闘争委員会」の奴らが学生部建物を占拠した。 建物を封鎖して、これまでより酷い、暴力的な騒ぎが始まったのだ。 封鎖の直接のきっかけとなったのは、 同建物で前日の1 […]

たとえば京都発、ベイルート着。〜学生たちそれぞれの片道切符〜 第四話「ゲバラと奥平」

エルネスト・チェ・ゲバラの死 俺が主人、奥平剛士に最初に出会った1967年の夏が過ぎ、さらに秋が過ぎて冬が訪れようとしているある日、「ボリビアの高原地帯の寒村でエルネスト・チェ・ゲバラが10月に処刑されていた」というニュースが日本に伝えられた。 わずか82名のゲリラ部隊を率い、一艘のヨットに折り重る難民のようにメキシコからキューバへ上陸したゲバラは、同志カストロと共に、アメリカ支配の支柱として独裁 […]

たとえば京都発、ベイルート着。〜学生たちそれぞれの片道切符〜 第三話「60年安保」

60年安保の英雄、唐牛健太郎 60年安保は、俺が生まれる7年も前、犬にしてみれば下手すれば一生分も前のことだ。 主人、奥平剛士にとっては中学生の頃に起こったことだし、彼がその後70年安保闘争に熱心だったかと言えばそうではないが、彼が入学し、そして死ぬまで在籍した京大にはその影響が色濃いので、少し触れておきたい。 60年安保闘争とは、戦争の記憶がまだ生々しかった時代、学生をはじめとする若者に大人も加 […]

たとえば京都発、ベイルート着。〜学生たちそれぞれの片道切符〜 第二話「差別の都」

部落差別発祥の地、京都 俺が生まれたのは京都。 この街は、そもそもこの国に、東九条のような「特殊部落」というものが現れ、それによる差別が始まった、かつての「都」らしい。 そして、そんな「差別」が始まったのは、摂関家全盛の時代、つまり今からは1000年ほど前の11世紀前半に全盛期を迎えた藤原家が仕切っていた頃の京都であった。 そう、京都というところは、部落差別の源泉、醜悪極まりない部落差別の原型が生 […]

たとえば京都発、ベイルート着。〜学生たちそれぞれの片道切符〜 第一話「京都大学1967」

俺は、見ての通り、犬である。 生年月日や命日は、人間のように正確に記録されてはいないが、 どうやら1967年の梅雨の頃には生まれていたようだ。 名前は「タケシ」。生まれてからずいぶん後、5歳になってから名付けられた。 今から話す物語は、1967年6月に犬として生まれ、 犬としてはかなり長生きした俺が見聞きしてきたことだ。 舞台は、学生運動が燃え盛った時代の京都である。だから、俺が接してきた人間、つ […]