
北見市留辺蘂(るべしべ)町の温根湯温泉郷にある北きつね牧場では、およそ60匹のキタキツネが野生に近い状態で放し飼いにされている。

敷地内にある遊歩道を散策しながら、無邪気に毛づくろいしたり、うたた寝したり、一緒に放し飼いされているタヌキと「化かし合い」をしたり?




キツネのイメージとは違う、なんとものんびりと過ごす姿を間近に見ることができる。

北の国からの蛍の「ルールルルルル」を真似る67歳のジジイなど、そばに人がいたら間違っても晒さないが、近くに人がいないのでやってみたら本当に寄ってきた。、
通路から芝生に入るのは禁止で、タッチや餌やりも厳禁だが、人へ警戒心がすっかり薄くなっているのだろう、私の足元をクンクンするキツネまでいた。

餌をやってしまう人がいるのだろう、じーっと見つめられ、おねだりされた。
春には毎年のように子ぎつねが誕生するので、子ぎつね専用の飼育ゲージで生まれたばかりの姿もあった。人間も動物も、やっぱり子どもは可愛い。
北見市留辺蘂地区にある2つの温泉
この北きつね牧場があるのは「温根湯(おんねゆ)温泉」。
「おんね」はアイヌ語で「大きな湯」という意味で、北海道北見市留辺蘂(るべしべ)地区に明治32年(1899)に開湯し、125年もの歴史がある。
温根湯温泉は「おんねゆ温泉地区」と「滝の湯地区」の2つの地区に分かれ、2つの地区は7kmほど離れている。
滝の湯地区には家庭的な温泉宿が、たぶん2軒だけ。私はこの程度の規模で、空いている温泉が大好きだ。


おんねゆ温泉地区は小さいながら昔からの温泉街になっていて、滝の湯地区より大きめのホテルが並び、道の駅などの商店、山の水族館、先ほどまでいた北きつね牧場などの観光スポットが集まっている。
温根湯温泉は両地区とも今も湯量が豊富で、温度を下げるための水も足さず、加温もせず、源泉100%のまま利用している。泉質は源泉100%の単純硫黄温泉(低張性アルカリ性高温泉)で、筋肉痛、関節痛、神経痛への効能に加え「美白の湯」と言われている。
マイナーでも混雑がない、ゆっくりできるのがいい
北海道には数多くの温泉があるが、登別や定山渓などの有名どころと比べると、温根湯温泉はマイナーな存在。私的には、有名な温泉で芋の子を洗うような思いをするのは温泉を楽しむことにならず、極力空いている温泉を巡っていて、ここもそうだ。
滝の湯地区よりはメジャーな(笑)おんねゆ温泉地区には明治32年(1899年)創業 温根湯温泉最大の温泉旅館「美白の湯宿 大江本家」、全国でも珍しい「カバノアナタケ湯」(カバノアナタケは、キノコの一種)のある「温根湯ホテル四季平安の館」、湯めぐりの対象となっている「天然温泉ホテル つつじ荘」があって、これら3か所とも日帰り入浴が楽しめてとてもありがたい。お得に複数の旅館に入浴できる「湯めぐり手形」もある。


温根湯温泉は、大雪観光圏と網走・阿寒・知床観光圏を結ぶ中継地点にあり、私は阿寒湖周辺を回ってから、滝の湯地区とおんねゆ温泉地区の両方でゆっくりと汗を流した。
道の駅「おんねゆ温泉」


網走管内の拠点都市である北見市の道の駅「おんねゆ温泉」は、周囲はのどかな景色ではあるが道東と道北をつなぐ中継点にあって、大きな施設規模で営業している。

施設内のロビーは、イス・テーブルを設置した休憩スペースになっており、北海道開発局からの情報システムによりマルチスクリーンで石北峠の道路情報などをリアルタイムに見ることができる。


道の駅では、シンボルタワー「果夢林(かむりん)」がとにかく目立っている。

これは世界最大クラスのハト時計で、高さ約20mもある。

1時間ごとの時報とともに、妖精たちの演奏や、羽の長さ約2mの青いハト「ポッポちゃん」のからくりを楽しむことができる。

駐車場、トイレ、休憩環境は
駐車場はこんな感じ。規模が大きい道の駅なので、道の駅を楽しもうと思えばどこに車を停めても結局かなりの距離を歩くことになる。


トイレは館内にもあるが、駐車場近くのトイレは規模も大きく、また、しっかりと清掃が行き届いていた。



休憩目的では、広すぎるのが難点となるかも。ここは、時間をかけてゆっくり遊ぶようにできている道の駅だ。





果夢林の館
地元の特産品を展示・販売する「果夢林ショップ」と、木とのふれあいを大切に子供から大人まで楽しめる木製遊具を設置した「果夢林ワールド」、木工作に必要な機械・工具を取り揃え、手軽に木工作を体験できる「クラフト体験工房」の3つの部屋で構成されている。
果夢林ショップ









ショップでは木製家具や民芸品、グッズなどアイデアあふれる木工クラフトのほか、アイスクリームや銘菓など、道内屈指の種類の特産品を販売している。
果夢林ワールド
「木の宮殿」をはじめ、大人気の「木の砂場」や新しく仲間入りした「木の釣り堀」・大型らせん滑り台など、子どもだけではなく大人も楽しめる木製遊具を取り揃えている。


クラフト体験工房
木材加工に必要な工具を備えた木工体験室がある。インストラクターが常駐し、果夢林ショップでキットも販売されているので、初心者でも気軽に体験できる。

「果夢林」の2階
果夢林の内部は、2階建てになっており、1階は木こりの丸太切りレース等の遊具を備えており、2階の見学エリアでは森の小人たちが次の出番まで待機している姿を間近に見ることができる。
からくり王国
別棟のからくり王国は、ショップとは全く違った雰囲気で、個性豊かな店が並んでいる。
私的には、こっちが好み(笑)。










北の大地の水族館(山の水族館)

平成24年7月7日に道の駅「おんねゆ温泉」内に移転、新規オープンした水族館である。滝つぼを下から見上げる日本初「滝つぼの水槽」や、冬になると寒さで河川が凍りつくさまを再現する世界初の「四季の水槽」など、画期的な展示水槽が売りだ。

日本最大の淡水魚「イトウ」40匹が回遊する「イトウの大水槽」も大迫力。

ドクターフィッシュの体験水槽、絵画的美しさを追求した新展示「水草水槽」や大きく美しいピラルクーをはじめとした熱帯淡水魚など、見どころは多い。


大半の魚類は成長するにつれ、皮膚病などで外見が崩れてくるのに対し、当館はおんねゆ温泉郷の冷泉(通称「魔法の温泉水」)を用いた施設にて育てることにより、とても大きく、そしてとても美しく育った熱帯魚たちを見ることができる。