道の駅「舟屋の里 伊根」から、近畿最北端「経ヶ岬へ!!(トイレ○仮眠○休憩○景観△食事△設備○立地△)

宮津与謝道路を与謝天橋立ICで降りて、国道178号線沿いを北北東に20数キロ走ると、京都府最北端の伊根町の道の駅「舟屋の里 伊根」に着きます。 駅名に「舟屋の里」とある通り、ここは伊根湾に沿って海面スレスレに「舟屋」の住居が立ち並ぶ街。 漁村としては初となる国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

海際に立ち並ぶ家々は、まるで海に浮かんでいるようにも見えます。伊根湾の沿岸にはこのような「舟屋」と呼ばれるおよそ230も建屋が軒を連ねていて、この道の駅「舟屋の里 伊根」からはその町並みを一望できます。舟屋は海側から見なければ家の造りがわかりづらいのですが、本駅は伊根湾越しに舟屋群を鑑賞できる最高のビュースポットとして、多くの観光客を集めています。

舟屋は住居ではない

舟屋とは、もともと船を海から引き上げて、風雨や虫から船体の腐食を守るために建てられた施設である。昔は小さな木造船を使って漁をしていた。

船が、当時塗装も不備な木造であるということは、濡れた船体が腐らないように乾かす必要があったのだ。船を収納する一階に対して、二階は網の干し場や漁具置き場として使われていた。当時は今のようなしっかりとした2階ではなく、板を渡しただけの簡単な構造のものが多かったという。

舟屋は家のような形をしているので、人が住んでいると思われているが、一般的には舟屋に住んでいる家庭はそれほど多くはないそうだ。舟屋は漁師の仕事場としての機能が主であるため、道1本挟んだところに生活拠点として主屋(母屋)を別に持っている家庭が多いという。

今では船もFRP(繊維強化プラスチック)製となり、また大型化したため、船を引き上げずに舟屋の前に係留している家が増えている。ただ作業用の小船を持っている家は今でも舟屋の中にその作業船を収納しているようだ。また、船を収納することがなくなった舟屋もあり、空いた一階を料理場に使ったり洗濯物を干したりと、日々の暮らしに活用されている。

仮眠環境として最高

私は今日、ここで仮眠させていただくので、まずは車を止める場所とトイレのチェックを。
道の駅の施設と駐車場の位置関係はこんな感じ。

施設の建物のいちばん右がトイレ。距離的に適当で、尚且つ、静かそうなところ、ということでとりあえず木陰もある場所に目をつけた。

このように、隣に絶対車が来ない場所も落ち着くので、ここも候補場所。

施設側から見ると、駐車場はこんな感じだ。

道の駅の施設までアプローチする坂があり、その下には第二駐車場がある。短時間の仮眠でトイレも必要ないなら、こちらの方が落ち着くかもしれない。

トイレ棟。案内表示が「かわや」となっている。

トイレは綺麗だし、ウォシュレットだし、気持ちよく使わせていただこう。

休憩するにも最高

とにかく、景色が素晴らしい。同じ休憩でも、こうした景色を眺めながらの休憩時間は値打ちがある。

道の駅「舟屋の里伊根」は、NHK連続テレビ小説の「ええにょぼ」、映画「釣りバカ日誌」などのロケ地でもあり、 伊根町は、日本で最も美しい村(the most beautiful villages in japan)を提唱している。 最近では人気テレビ番組「DASH島」で登場する舟屋のモデルにもなっている。

ちょっとした休憩場所も多い。

物産館では海産物販売が中心

駅施設を簡単に。物産館とレストランから成る構成だ。 まずは物産館に入ると、海産物の加工品を中心に特産品が販売されていた。 まず目に付くのは魚の干物で、カレイ、イワシ、スルメイカなど。 海産物加工品としては、ウニホタテ、ウニのり、エイヒレ、ホタテ貝紐、ジャコの佃煮、 しそわかめちりめん、笹かまぼこ、煮干し、青さ海苔など。 伊根の名を冠した土産品では、瓦煎餅「伊根の舟屋」もあるが、私は海苔佃煮「伊根育ち」を買い求めたが、絶品だった。

レストランでは海鮮丼が人気

レストランの入る建物は舟屋をイメージした構造になっており、 1階の中央部が吹き抜け、奥にレストラン、そして2階にもレストランがある。1階にあるのが「油屋」で、2階にあるのが「レストラン舟屋」。どちらも魚料理がメインのレストランだが、油屋はメニューが少なく、軽めに昼食を済ませたい人向け。レストラン舟屋では数多くのメニューの中から好みの料理を選ぶことができる。

海鮮丼

ここに来たからには、経ヶ岬へも!

経ヶ岬は、同じ伊根町のそれこそ最北端。近畿最北端にあって、19世紀点灯の灯台と、岩礁の絶景で有名なところだ。道の駅「舟屋の里 伊根」からはほんの18キロほど北上すれば着く。

経ヶ岬は日本海に突き出した丹後半島の、その最北端に位置していて、海流も早く冬は季節風で荒れる事が多かった。そのため、古くから船舶航行の難所とされてきた。岬の名前の由来も、沖行く船が無事を祈りお経を唱えながら行き交ったという説があるほどだが、沖から経ヶ岬を見ると柱状節理の大きな岩が経巻を立てたように見えることから名付けられたという説もある。

経ヶ岬の先端、海抜140メートルの断崖に「経ヶ岬灯台」がひっそりと建っている。

経ヶ岬

この灯台のレンズを回転させる機械は、1893年にフランスの技師プール・デーュという人が重いレンズを円滑に回転させるために発明した水銀槽式回転機械と呼ばれるもので、当時世界中から注目され、パリで開催された万国博覧会に展示されたものをそのまま購入して、経ヶ岬灯台に設置したもの。おそらく経ヶ岬沖の逼迫した危険度が窺えるエピソードである。

灯台レンズ

光源はメタルハライドランプを使用し、光の到達距離は55km。レンズは全国で6灯台しかない最高級の第1等レンズが使用されているという。

経ヶ岬灯台

日本海の荒波にノコギリの歯のように削られた海岸線が印象的。伊根の、どこかほっこりした景色とはまた違う絶景だ。

経ヶ岬
経ヶ岬
磯場