
山陰自動車道の出雲ICから国道431号線及び一般道を通って北に9km、 島根県北東部の旧大社町(現出雲市大社町)に「道の駅 大社ご縁広場」があります。ここからは出雲大社の一の鳥居がはっきりと見えます。

参拝前に立ち寄ると、無料で利用できる足湯でスッキリしてから参拝できたり、大社参りが初めての方は出雲大社の情報を仕入れたりできて便利です。







以前は道の駅とは言うものの、物産館もレストランも無く観光案内所が存在するのみ。 出雲大社参拝のための駐車場として利用することは可能でしたが、 もっと近くに駐車場はあるので本駅に車を泊める人は稀。 本当に寂しい道の駅だったそうです。しかし2019年7月末、そんな道の駅に待望の商業施設がオープン。 とても大きくて綺麗な物産館や、名物の出雲そばを味わうことがでるそば処もでき、多くの客が集まる人気の道の駅に変貌しています。
生まれ変わって5年、賑わう道の駅へ

物産館の一つの特徴としては、「縁」に纏わる商品が多いということ。

入り口付近には「縁結びコーナー」があり、「縁結びチョコクランチ」「縁結びぜんざい」「縁結びショコラ」 「ハートクッキー」「出雲縁結び餅」など、縁起の良い商品が並んでいる。出雲の漆芸商品も魅力的だ。


出雲名物と言えば「出雲そば」。「深山出雲そば」「アゴ出汁出雲の割子そば」等、実に35種類の出雲そばが販売されている。

宍道湖名物の「しじみコーナー」もあり、「しじみ佃煮」「山椒しじみ」「しじみ生姜煮」等が販売されている。


お酒コーナーも充実。地酒の「八千矛(やちほこ)」は、出雲大社の御神酒にも使用されている格式高いお酒。

出雲そばの名店「吉兆」

本駅のそば処「吉兆」は、有名な出雲そば専門店。 一番人気のメニューは「3色割子そば」だ。 3つのお椀にそばが盛られ、それぞれ卵、山芋、大根おろしがトッピングされている。 もちろん普通の「割子そば」もあるし、「天ぷら付き割子そば」も美味しそうだ。ご飯ものでは「さざえご飯」、ご飯とそばを両方味わいたい方には「神迎セット」。 これは割子そばとさざえご飯がセットになったメニューだ。


駐車場、トイレ、休憩、どれも不足なし











足湯が気に入ったら、温泉湯の持ち帰りもできる。
神々が集う大いなる社 出雲大社へ
出雲大社(正式な読みはいづもおおやしろ)は、神々の国と呼ばれる出雲の地にその象徴のようにあって、いつも私たちの参拝を受け容れ迎えてくれる。しかし空を突き刺すような本殿屋根の千木を仰ぎ見るその瞬間、壮大な神代の世界のもとで己の小ささと神への畏怖を感じざるを得ない。八雲山を背にした境内には森厳な空気が漂い、そこに数千年の歴史を持つ神殿が厳かに建っている。日本最古の歴史書といわれる『古事記』にその創建の由縁が記されているほどの古社で、明治時代初期まで杵築大社(きづきたいしゃ)と呼ばれていた。
主祭神は「だいこく様」として馴染みの深い「大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)である。

大国主大神にまつわる神話では「因幡の素兎」をご存知だろう。サメに全身の皮を剥かれた白ウサギは、大国主大神の兄達から「海水に浸かり風に当たれば治る」と教えられる。ウサギがそのとおりにしたところ傷は酷く悪化してしまった。ウサギが痛みで泣いているところに大国主大神がやって来て「真水で塩を洗って蒲の穂に包まれると良い」と教え、ウサギの傷が癒えたという話だ。また、大国主大神は出雲王朝を繁栄させるという偉業を成し、多くの女神と結婚してたくさんの子をもうけたとして縁結びの神様ともされているのは皆さんご存知の通りだ。
『古事記』に記される国譲り神話では、大国主大神が高天原の天照大神(あまてらすおおみかみ)に国を譲られたとある。そのときに造営された壮大な宮殿が出雲大社の始まりといわれている。
出雲大社の参拝手順

毎年多くの参拝客が訪れる出雲大社。本殿へは周囲どこからでも向かう事ができるが、私はいつも正門から正式な手順を踏んで参拝している。

大きな石碑とともに立つ高さ8.8m、横幅12mの鋼管製の大鳥居。ここが出雲大社の正門でこの先から参道が始まる。神門通りの入り口にある宇迦橋の大鳥居から出雲大社本殿までは合計4基の鳥居があり、ここは二の鳥居。ちなみに一の鳥居は、200メートル離れた道の駅「大社ご縁広場」からも見えるほどの巨大さだ(こんなふうに見える)。高さは23mもある日本一高い鳥居である。

出雲大社の参道は全国でも珍しい下り参道。参道の右手の、心身の穢れを祓い清める四柱の祓戸神(はらいどのかみ)を祀る祠で、神前に至る前にまずここで身を清める。

祓橋(はらえのはし)を渡り三の鳥居をくぐると、日本の名松100選に選ばれている松並木が続く。参道は中央と両側の三つに分けられ、中央は神様の通り道ということで、昔は神職や皇族の方以外は通行できなかった。人それぞれだが私は端を歩く。
境内の入り口手前、右手には出雲大社の主祭神、大国主大神の「ムスビの御神像」、左手には「御慈愛の御神像」が見える地点。神域である「荒垣」内に入る前に、ここで手と口を清める。

青銅製の四の鳥居。一礼してくぐると、拝殿が。1963年に新築された戦後最大の木造神社建築である。高さは12.9mで、大社造りと切妻造の折衷様式。ご祈祷や奉納行事などもここで行われる。しめ縄は、一般の神社とは左右逆である。

御本殿を参拝する際は、おそらく出雲大社だけだろう?二礼(二回おじぎ)四拍手(四回手を打つ)、最後にもう一度おじぎをする(一般の神社においては「二礼二拍手一礼」という参拝が一般的)。
現在の本殿(国宝)は延享元年(1744)造営されたもので、大社造りと呼ばれる日本最古の神社建築様式で1744年(延享元年)に再建されたものだが、平成の大遷宮で大屋根や千木などが新装されている。高さは約24mだが、平安時代の頃には約48mあったと伝えられる。この説については明治時代から様々な研究がなされ当時の技術ではその高さの木材建築は不可能ではないかとも言われてきた。しかし2000年に本殿の南側で鎌倉初期の造営と推定される三本一組の巨大な柱根が発掘され、これはその巨大な神殿の存在を裏付ける発見となっている。
御本殿と八足門の間には楼門があり、八足門は正月五カ日だけ開放されて楼門前まで入る事ができるが、それ以外の日はいつも御本殿を参拝すると帰路に着く。


時間がある方は1日かければ、とにかく広くて奥が深い出雲大社を満喫できるだろう。帰り道にも見どころは多い。

