道の駅「スプリングスひよし」は、車中泊じゃもったいない!?(トイレ△仮眠△休憩✖️景観○食事○設備○立地△)

京都府道19号園部平屋線沿いに、日吉ダム建設に伴い1998年にオープンした天然温泉施設「スプリングスひよし」。キャンプ場にバーベキュー広場などを備えた巨大な複合施設で、13年後の2011年10月に道の駅として登録されました。

「スプリングスひよし」は、典型的なデスティネーション型の道の駅。 つまり、どこか別の場所に向かう際の立ち寄り場所、休憩場所、パーキングエリアとしての役割ではなく、ここを最終目的地とするタイプの道の駅です。温泉、温水プール、 バーベキューガーデン、グラウンド・ゴルフ場等、数多くあるレクリエーション施設を利用するために多くの客がここを目的地として集まってきます。

となれば内容と並んで大切なのが立地です。まず、道の駅がある南丹市は京都府のほぼ中央、丹波高原の一角に位置しています。道の駅「スプリングスひよし」は南丹市の主要な地方道である園部平屋線と京都日吉美山線が合流する位置にあり、付近には淀川水系と由良川水系を分ける平地分水界が存在します。北は福井県と滋賀県、南は兵庫県と大阪府に隣接。大半を丹波山地が占め、北部を由良川が、中・南部を淀川水系の桂川が流れ、その間はいくつかの山間盆地になっています。

どうやらキャンプが前提?

広大なキャンプサイトには芝生が張られ、きれいに整えらえている。区画、フリー、電源、バイクという4種類のサイトがあり、それぞれシーズンごとに価格が決まっている。手ぶらキャンププランとして、テントなどを一式借りることもでき、テントをレンタルするとその他の必要な備品もセットで貸してもらえる。 オプションとして、施設のスタッフにテントの設営をお願いすることも可能なので、キャンプ初心者やテントの設営が苦手という方も安心だ。

サイト利用者には、ゴミ回収サービスと温泉・プール利用1回分×人数分がついてくる。 自前のテントを持ち込む場合も、必要に応じてキャンプ用品のレンタルは可能。道の駅と併設なのでトイレの心配はないというが、テントの位置によってはトイレがかなり遠いという不都合は生じるだろう。手ぶらキャンプが可能なのは2名から。おひとりさまはお断りだと。言われなくてもわかってるよ(笑)

ひょっとしてBBQも前提か?

BBQガーデンでは、タープとテーブル、グリルなど必要品がすべてレンタルできるようになっている。事前にサイトを予約してレンタル品を申し込んでおけばいい。タープ類はスタッフが設置と撤去を行ってくれるということで楽ちん。 利用できる時間帯は10~17時までなので、ランチをのんびり楽しむ感じがいいだろう。バーベキューの食材セットは色々売られているが、おすすめは京都丹波ジビエの「里山炭火焼きプラン」。丹波名物の猪肉や鹿肉などのジビエを炭火焼きで堪能できる。

おひとり様向きではない

スプリングスひよし一番の魅力は、キャンプやBBQをはじめとして、1日中楽しめる様々な設備や遊び方が集結していること。

スポーツ施設も充実していて、さまざまなスポーツに対応できる本格的なアリーナ、芝生コースを備えたグラウンドゴルフコースがあり、ノルディックウォーキングやヒーリングヨガなどが楽しめる。隣接する広大な芝生公園でのピクニックや川での水遊びなどを楽しんで遊び疲れたら温泉やリラクゼーション施設で疲れをいやすこともできるし、温泉には温水プールも付属しているので、疲れを知らない子どもたちは大喜びするはず。昼間はワイワイとバーベキューをして、夜はレストランで静かに食事をというこもコーディネート自在である。

ということは。はっきり言ってここはファミリーや団体向きの道の駅であり、私のような高齢ひとり者はお呼びじゃない、というか場違いな場所だ。

日吉ダムは一人でも楽しめる?

ただ、施設の直上流には近畿淀川水系一の総貯水量を誇る日吉ダムがある。日吉ダムは淀川・桂川流域の治水と京阪神への利水を目的としてつくられたもので、人工ダム湖の広さは東京ドーム53杯分、甲子園球場70倍に相当する。湖にはコイ、フナ、ワカサギ、ウナギ、ニジマスなどが放流されており、スポーツフィッシングのメッカなので、釣りが趣味の人なら楽しめるし、ダムと当該施設が調和した美しい景観は誰もが楽しめる。

この日吉ダムは2012年の台風18号の猛威から京都を救ったとして、2013年12月には「日本ダムアワード2013」で「洪水調節賞」と「ダム賞」を受賞している。また、堤体各部まで見学できる日本で初めてのダムであり、ダムが出来上がるまでのプロセスがジオラマや実物の資材で紹介されているので、土木建造物に興味のある人には楽しいかもしれない。

また、堤体のすぐ下流は広々とした芝生公園になっており、そこから少し上ると桜並木が連なるお花見広場。ダムは京都市内の嵐山を流れる桂川・保津川の上流にあるだけに、花見もより混雑する桂川や保津川で花見をするよりいいかもしれない。

楽しげ派の温泉

ひよし温泉の泉質は「ナトリウム-塩化物泉」で泉源温度は28.8度。陽の湯と月の湯の2種類があって、1日交替で男女入れ替え制です。源泉100%の露店岩風呂やつぼ風呂の他、ジェット浴、電気浴、冷水風呂などが楽しめる内風呂、森林浴サウナ、アロマロウリュウサウナ(フィンランドの熱気浴サウナにアロマミスとを加えたもの)、チムジルバン(岩盤浴)、足湯などがある。

どうやら、一人静かに静養したいという人向けの温泉とは対極にあるようだ。

物産館でお土産でも物色するか(笑)

物産館は、おひとり様も大丈夫(笑)。

スプリングスひよしで丹波の特産品を販売する売店「里の市」。豊かな自然とおいしい水ではぐくまれたみず菜、みぶ菜などの京野菜や丹波栗、マツタケ、丹波黒大豆などが特産品。日吉町ならではの味を取りそろえた「彩花菜園」には、地元農家が丹精こめて育てた新鮮野菜や果物が並ぶ。

いくつか紹介しよう。まず、最高品質を誇る京都の丹波黒大豆を食べやすい枝豆として品種改良した「紫ずきん」。京野菜に指定されていて、大粒でもっちり濃厚な甘みが最高だ。出荷時期は9月~10月。

丹波黒大豆

丹波黒大豆は、兵庫県と京都府にまたがる丹波地方で作られる有名な黒豆だ。大粒で味が濃いとして知られ、枝豆として食べるなら10月、黒豆としての販売は12月中旬~2月下旬。

味と香りは世界一と称される京都丹波産の「丹波マツタケ」。土瓶蒸し、マツタケご飯、焼きマツタケ、吸い物、天ぷらなど、京料理には欠かせない最高級品だ。価格は時価、出荷は10月上旬より。

丹波栗

栗といえば丹波産!「丹波栗」は大粒でほくほくとしたおいしさが古来より人気の、南丹の秋を代表する味覚。京都の和菓子にもは絶対に欠かせない。出荷は9月上旬~11月上旬。

他にも、大和イモの一種である丹波芋(山の芋)、みず菜の交配種であるみぶな、春菊、九条ネギ、伏見とうがらしなど、南丹市ならではの野菜はいろいろ。

おっと、丹波ワインを忘れてはいけない。

お食事処は「楽河」と「レストラン桂川」

スプリングスひよし内には、食事処として2店舗がある。「大河」は温浴施設内にある食事処で、ランチに最適なラーメンやそばなどがあります。人気メニューは、「世木ダムカレー」。

カレー

ウェルカムプラザ内にある「レストラン桂川」にも「日吉ダムカレー」がある。ここにはランチやディナーに利用できる食事のほか、テイクアウトメニューや宴会メニューなど多彩。イベントでランチバイキングなどを開催していることもあるそうだ。

間違っても仕事がらみでは来ないよ

国道から離れて静かな駐車場は広く、普通車269台、大型車5台の駐車可能である。しかし、車中泊していたのは、普通車ばかりで、トラックはゼロ。そりゃあ、仕事がらみの利用はないだろう。遊んでいる人ばかりだもの。