尼子氏は、元を辿れば近江（滋賀県）の京極氏の流れで、出雲国守護代でした。応永二年（1395）、江州京極高詮の守護代として富田城に入り、出雲・隠岐両国を治めようと決意したのは尼子持久です。
その後、持久の子・清貞が家督を相続して京極からの独立を図りますが、この時は失敗に終わりました。その二年後、富田城を攻め、乗っ取りに成功したのが清貞の嫡男・経久です。守護京極政経に対抗して戦国大名として独立を果たした経久は、さらに近隣諸国を次ぎ次ぎと幕下に加えて体制を強化。経久に危機感を持った京極氏によっていったんは富田城を追われますが、富田城奪回に成功。永正十五年（1518）に経久の嫡男・政久が阿用（大東町）にて討ち死にしたものの、その後わずか数年間で、尼子経久は一気に武威を拡大。写真の山の向こうの銀山はおろか安芸・備後・備中・備前・美作・播磨・因幡・伯耆・出雲・石見・隠岐等、山陰・山陽十一ヶ国をその手中に収めたのです。
天文六年（1537）、尼子の全盛、その基礎を築いた経久は孫・晴久に家督を譲ります。尼子家の当主となった晴久は、天文九年（1540）には郡山の城主・毛利元就の叛逆が増長するをみかね、元就征伐のため晴久は郡山城へ軍を起こしましたが、翌年、経久の片腕として尼子氏繁栄に尽力した弟・尼子下野守義勝が、毛利との合戦で戦死してしまいます。そして天文二三年（1554）、経久の二男・国久を長とし、尼子氏最強軍団と目された新宮党に目を付けた毛利元就は、謀をめぐらせ晴久と仲たがいをさせ、国久・誠久父子は晴久に殺害されたのでした。新宮党は族滅、ただ一人誠久の三男・孫四郎だけが落ちのびました。
永禄五年（1560）晴久頓死により、嫡男・義久が跡を継ぎますが、新宮党亡き後戦闘能力の激減した尼子氏は山中鹿介を中心とする尼子十勇士の活躍もおよばず、永禄九年（1566）、ついに毛利の軍門に降り、富田城は落城したのです。実質的に滅ぼされた尼子氏ですが、山中鹿介等浪人たちは、新宮党滅亡の際、ただひとり落ちのびた孫四郎勝久を大将と仰ぎ、永禄十二年（1569）織田信長の力を借りて尼子家再興の宿願を果たさんと図るも力およばず、天正六年（1578）勝久は上月城で自害してこの世を去り、鹿介もまた備中甲部川にて殺害されてしまいます。こうして尼子家再興の道は完全に絶たれ、尼子氏繁栄180年の歴史はついにその幕を閉じたのです。
尼子一族の系譜
系譜を見てみよう。尼子持久は守護・京極高詮（たかのり）の代官として月山富田城へ入城し、出雲尼子の祖となった。尼子経久（つねひさ）は、守護京極氏から月山富田城を奪取し、のち勢力を急拡大して山陰・山陽11州を治めた。
尼子国久（くにひさ）は、富田城麓の新宮谷に屋敷を構えたことから『新宮党』と呼ばれた一族の党首である。尼子国久は豪勇で武略に長け、率いる一族は外征などで大活躍したため次第に奢った態度を取り、当主晴久との間に確執を生じる。そこを毛利元就に付け込まれ、対立するよう謀られて、国久一族は晴久に討たてしまう。
尼子晴久は、中国六ヶ国の守護となり、尼子氏の領国を最大化する。その後毛利領の吉田郡山城を攻めて大内氏・毛利氏に大敗するが、内政に力を入れて領国の統治を安定させた。晴久は身内ながら『新宮党』の横暴な振る舞いを苦々しく思いながら功績を考慮して目をつぶってきたが、毛利元就にその心理を突かれ、謀られたことで自ら『新宮党』を滅ぼし、尼子軍の弱体化を招いてしまう。
尼子義久は毛利元就の出雲侵攻を受け、富田城にて篭城戦を行うも4年後に毛利氏からの和睦の申し入れを受けて降伏、月山富田城は落城した。義久を慕う家来達は散り散りとなり、幽閉された後、晩年僧となってその余生を送った。
尼子最後の総大将が、尼子勝久である。『新宮党』滅亡の際に辛くも難を逃れ、京都で僧となって過ごしていたが、尼子再興を計る山中鹿介（しかのすけ）ら尼子遺臣に擁立され、尼子再興軍の総大将となる。一時勢力を回復するも振るわず、羽柴秀吉の中国遠征に従っていたところを毛利氏・宇喜多氏に包囲され、籠城するも切腹。尼子氏再興の道はここに絶たれた。
道の駅「ごいせ仁摩」
山陰道仁摩・温泉津道路の仁摩・石見銀山インターチェンジ（ＩＣ、大田市仁摩町大国）出入り口付近に、2022年1月29日、島根県内で29カ所目となる道の駅「ごいせ仁摩」がオープンした。大田市が、島根県との共同で総事業費16億6千万円を投じて整備。「ごいせ」とは仁摩地域の方言で、「いらっしゃいませ」を意味する。世界遺産・石見銀山遺跡の中心部まで車で約７分という好立地で、地元から新たな観光・地域振興の拠点としてその発展に期待が寄せられている。
道の駅「ごいせ仁摩」の駐車場、トイレ、休憩環境
『道の駅ごいせ仁摩』駐車場は、大型車も合わせて100台以上が停められる。
EV充電スポット、車中泊ができるスペース「RVパーク」もある。
空いているスペースがたくさんある割に、座れるベンチなどがあまりないのはいかがなものか。
トイレは規模、清潔さ、さまざまな配慮ともに申し分ない。観光案内所も充実している。
道の駅全体が把握できる案内板もわかりやすい。
物販コーナーのほか、大田市ならではの食事が楽しめるレストランなど位置確認はこれでバッチリ。奥の方に、ドッグランができる場所もあるようだ。
室町時代後期から伝わる石見神楽や音楽ライブ・しまねっこステージライブなど、老若男女様々な方が楽しめるイベントをここで開催されているそうだ。
特産品に工芸品。石見地方の気になる商品がたくさん！
物販コーナーでは、新鮮な鮮魚や産直野菜のほか、特産品各種が販売されている。
山陰の水産品も多数。
特産品はとても充実している。
「椿窯」や「もとしげ（元重製陶所）」などの工芸品もずらり。
大あなご丸ごと一匹いっとく？
レストランでは大田市名物の大アナゴを１匹まるごと味わえる「穴子天丼」「天丼」「海鮮丼」のほか定食やカレーライスが用意されている。
ソフトクリームやコーヒーなどのテイクアウトに特化したカフェもあって、便利だ。