「富田茶臼山古墳」へ、道の駅「みろく」から(トイレ○仮眠○休憩○景観○食事◎設備△立地○) 

富田茶臼山古墳は、香川県の東部、長尾平野の東端に位置する四国地方最大の前方後円墳。南方の讃岐山脈(阿讃山脈)から派生した低丘陵の縁辺部に立地し、丘陵の稜線に直交するように前方部を西方に向けて築造されています。後円部に立つと長尾平野が一望でき、弘法大師ゆかりの五剣山や、高松平野との結節点に聳える白山を遠望することができます。

古墳の北側には津田川が流れ、蛇行しつつ東流して播磨灘に開く津田湾に流入しています。その河口の津田港は中・近世の商業港として知られていますが、津田湾を望む山丘上には東讃地域を代表する前期古墳が数多く分布していて、津田湾が海上交通の拠点として古くから機能していたことを今に伝えています。

中でも最大規模である富田茶臼山古墳被葬者の支配領域と経済的基盤は、その津田湾から高松平野に連なる長尾平野までを広く治めていたことが推測されます。その被葬者関しては、江戸時代の『三代物語』は日本武尊陵であると記し、『全讃史』は仁徳天皇陵、もしくはその皇子である難波皇子の墳墓と推定。また、寒川皇子、讃岐国造の祖とされる神櫛皇子の墳墓であるとする説もあります。

四国地方最大の前方後円墳

平成元年度に大川町教育委員会によって富田茶臼山古墳の確認調査が実施され、墳丘や周濠の規模や形態が明らかになった。古墳は前方部・後円部ともに3段に築成されていあて、墳丘は全長139メートルの規模をもち、後円部の高さは15,7メートル、前方部に比べると2,4メートルほど高くなっている。

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これは後円部墳頂への階段。後円部の直径は91メートル、前方部の長さは48メートル、前方部の幅は77メートルで、前方部の長さが後円部に比べて短い。下は後円部から前方部方向(西)を見た眺め。

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鞍部から前方部。おそろしく年季の入った木製鳥居、補強されているが立ち続けているのが信じられないほど細い。

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祠と櫓がある。櫓も都度補強されているようだ。

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富田茶臼山古墳の築造時期は、円筒埴輪の特徴や古墳の形態、築成方法などから5世紀前半と考えられている。富田茶臼山古墳の傑出した規模や、墳丘形態・築成方法にみられる畿内的色彩の強さを考慮すると、畿内政治勢力と緊密な結び付きを背景に、瀬戸内南岸ルートの四国東端の要衡である津田湾を掌握し、東讃地域を統合した相当有力な首長が存在したことが推測される。

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富田茶臼山古墳は四国地方最大の前方後円墳であるだけでなく、四国地方における古墳時代の政治や社会の動向を考究する上でも高い学術的価値を有しているといわれる。

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5世紀と言えば1600年も前のこと、当時の権力者の姿や生活って、どんなものだったのだろうか。

道の駅「みろく」は古墳の真ん前、パン屋さんがメイン

「道の駅 みろく」は、富田茶臼山古墳の真ん前。

高松自動車道の津田東ICから国道11号線→県道2号線→県道10号線を通って南西に9km、 香川県東部の旧大川町(現さぬき市大川町)にある。

ただ、この道の駅「みろく」には、パン屋さんしかない。

一般的に道の駅は地域の特産品や農作物を販売するものだが、本駅にはそのようなものは一切ない。 建物の2階にある作業場で作ったパンと洋菓子を1階のベーカリーレストランで販売するのみだから、駐車場もトイレも細やかなものでよいが、どちらも十分な広さが確保されている。

以前この施設にはうどん屋さんが入っていて、形態的には「うどん屋だけの道の駅」が「パン屋だけの道の駅」に変わったわけだが、 それでもうどん屋の時代は「讃岐うどん」や「柚子羊羹」等、地域の特産品が5~6品は販売されていたそうだ。 パン屋さんのみで、地域の特産品が一切販売されていない道の駅というのは、全国のどこか他にはあるのだろうか。

ただ、このパン屋さん、「牧場カフェ369(みろく)」と言うカフェと言った方が良いかもしれないが、外観も内装もおしゃれだし、作りたて、焼きたてのパンや洋菓子をその場で食べることができる。パンは、ショップのむかって道にある石垣の階段を上がったところにある製パン所でつくられて、出来上がれば都度運び込まれてくるので、正真正銘の「焼きたて」だ。

この製パン所の中の風景は門外不出、撮影NGだった。

下はショップ「牧場カフェ369(みろく)」。

私は極力を映さないように(肖像権に配慮)写真を撮るので、人がいない時間帯に撮らせていただくが、いつもは若い女性を中心にかなり賑わっているそうだ。 人気の商品はクロワッサン、ロールケーキ、焼きドーナッツ、パウンドケーキなどというが、どれも本当に美味しそうだ。

また、平日限定にはなるが「海老と舞茸のグラタン(サラダ付き)」「季節の揚げ野菜カレー」等、ランチを楽しむこともできる。

時間がないなら、自販機でジュースを買ってちょっと休憩するのにも、いい感じのスペースだ。

向かい側には「ふれあい市場」

道の駅施設には含まれないが、写真の歩道橋を渡って道の向かい側には「ふれあい市場」がある。

こちらの駐車場はとても広い。

こちらでは、さぬき市産の新鮮な農作物を約100種類販売。 販売されている農作物は季節によって異なると思うが、私が訪れた10月下旬はスダチ、柚子、 冬瓜、タケノコ芋、里芋、芋茎(ずいき)などが旬で、数多く販売されていた。 何らかの事情があって厳密に「道の駅」ではなにしても、我々ユーザー視点で実質的に農産物の特売所ととらえればそれでいいと思う。

地元の金江(かなえ)養鶏場の「金の桑卵」「かなたま」、そして「たまごかけ醤油」は見逃せない特産品。 「金の桑卵」は餌の中に桑の葉を加えオリジナルの飼料で育てた鶏の卵。 「かなたま」は餌の中にビタミンをたっぷり配合した栄養価満点の卵として、どちらも人気がある。