道の駅「北信州やまのうち」を拠点に、志賀高原での長期滞在候補地「湯田中・渋温泉」「角間温泉」で宿探し(トイレ○仮眠✖️休憩△景観○食事△設備○立地◎) 

15年ぶりにスキー再開を決めてから、以前とは違う楽しみ方として、温泉を楽しみながら長期滞在してスキーを楽しめる場所を探している。

「ゲレンデ以外にオフピステでの山スキーができる」ゲレンデのそばに露天風呂付きの安い宿があって長く滞在できる」「とにかく空いている」という3条件を全て満たす場所を探しているのだが、なかなか見つからない。昔は今ほど人混みを嫌わなかったので志賀高原には通いまくったが、人気の山ノ内町に静かな環境で安く長期滞在できる宿などありそうには思えない。

志賀高原中央エリアには、サンバレースキー場、高天ヶ原マンモススキー場、一の瀬ファミリースキー場など、道の駅に近いところだけで大小13ものスキー場があり、全33コースがある。もちろん、勝手知ったる横手山スキー場に足を伸ばすこともできる。

温泉はと言えば、周囲に20もの温泉地、60もの外湯、160近くの温泉宿がひしめいている。

そう思うと、ハナから諦めてどうする!山ノ内町のどこかに穴場はあるのではないか、という気になってきた。

とにかく拠点となる道の駅「北信州やまのうち」がある山ノ内町に行ってみよう。そして、まずは道の駅から最も近い東1kmのところにある湯田中・渋温泉とその南の角間温泉に絞って、温泉街を歩いて歩いて探してみよう。

そこに、ネットから漏れるような鄙び切った温泉宿が絶対にないとは限らないのだから!

温泉とスキー場の町にある道の駅

まず、道の駅「北信州やまのうち」を再確認。ここはとても重要だ。

もし私が志賀高原を冬の長期滞在地に決めた場合、滞在中に各スキー場に向かう際のチェーン着脱場として、この道の駅が「拠点」となるからだ。

駐車場は、今(春)でこそ空いている。しかし、スキーシーズンはごった返すだろう。
宿はここから近い湯田中温泉か角間温泉に絞ったので、そこの駐車場でチェーン着脱をした方がいいかもしれない。

トイレは大切。スキーシーズンは混み合うだろうが、用を足すことができるだけでありがたい。

私の場合は、休憩や宿泊は「宿で」ということなので、ここで休憩させていただくことはないだろうが。
周辺スキー場の最新情報や道路情報の確認をここでできるのはありがたい。

道の駅には、物産館、農作物直売所、レストラン、出店がある。

施設の種類は多彩だが、各々の施設は小規模だ。スキーシーズンのキャパオーバーは容易に想像できる。

レストランと出店も、きっとごった返すのだろう。

湯田中・渋温泉の宿を訪ね歩く

道の駅から北東方面、湯田中温泉郷入り口の駐車場に車を停め、温泉街の曲がりくねった細い石畳を歩いて宿を一軒一軒訪ね、私が求める条件に合うかどうかチェックしていく。この道の先は、渋峠を経て上州草津へ続く、旧街道の一部。とても風情がある。

まあ、湯田中と渋で長期滞在できる宿が見つからなくても、ここでは外湯(共同浴場)が楽しめるので、外湯もチェックしつつ。

外湯は、湯田中に9つ、渋にも9つあって、それぞれ個性的。外観を見て歩くだけでもワクワクする。

こちらは四番湯「竹の湯」。源泉が異なる9つの外湯(共同浴場)があることは、渋温泉の魅力の1つだが、外観からしてそれぞれとても個性的だ。

六番湯「目洗の湯」。鄙び方がすごい(笑)

それぞれの温泉に違った効能があるとされていて、二番湯「笹の湯」は湿疹の改善に良いとのことだ。

宿は、「安い」「一人での長期滞在」という条件を満たすところがなかなか見つからない中、一軒、予算ギリギリの線で、平日限定の連泊ウィーク」に1泊2食が楽しめる宿がかろうじて見つかった。
平日限定だから5連泊が最高だが、他の宿と組み合わせればいい。

鄙びて穴場感満載の角間温泉へ

向かった先は「角間温泉」。実は、ここが本命だ。

角間温泉は志賀高原の入り口にある湯田中・渋温泉郷の南にある温泉地だ。
ややこしいことに、長野県には角間温泉が2ヶ所あって、もうひとつの角間温泉は菅平の近くにある。私の本命の角間温泉は、山ノ内町を見渡せる見晴らしのよい高台にあって、ひっそりと落ち着いた雰囲気。まさに「静養向き」そのものの温泉だ。

温泉の発見は室町時代で、高僧である蓮如上人が岩間を訪れて発見したという開湯伝説がある。

道路の真中をふさぐように共同浴場の大湯があって、ほかにも坂を少し下ると2箇所の共同浴場がある。

共同浴場はすべて地元用だが、かつては立ち寄り入浴が可能だった。温泉街のほぼ中心、大湯の向かいにある「黒鳥商店」で300円を支払うと木製の鍵を貸してくれ、入口の鍵穴に木板を差し込むと開錠できて3件ある共同浴場に入ることができたのだ。

残念ながらこの商店自体が閉店してしまい、現在は立ち寄り風呂の利用はできなくなった(地元民と旅館の宿泊者のみ入浴できる)。

角間温泉にいい宿を2つ発見

角間温泉は、寂寥感に包まれている。

何せ古い温泉旅館がたった5軒しかない、小さな温泉街だ。

江戸時代の創業、そして明治後期に建築されたという「越後屋旅館」に「ようだや旅館」、そして「大湯共同浴場」が一枚絵。

なんと「越後屋」さんでは、「今は暇ですから」と、館内を案内していただけた。

「三佳亭」(山と川、温泉、人情全てにおいて優れているという意)の書が額に掛かっていたが、これは宮本武蔵の作者として有名な吉川英治氏の直筆。館主代々家宝として保管しているとおっしゃっていた。吉川英治氏はまだ文学青年に過ぎなかった頃に、家財道具を全て売り払って1年間こちらの宿に逗留していたのだ。
後の4軒も全て回るのは容易く、結果5軒のうちなんと2軒が、完全ではないものの「安い」「一人連泊」という私の条件に合致した(かなり条件交渉したので宿名は伏せる)。

4つの宿を組み合わせて長期滞在プランを

一つは、僻遠の地とも言える雰囲気そのままの、気取らない、素泊まり専門の自炊宿。

ほぼ理想的とも言える宿だが、最大のネックは営業日が不定であること(笑)。別に何泊までという日数制限もないが、直前にならないと、営業日すらわからない、長期で休むこともしばしばだというのだ(笑)。

もう一つは、一人での連泊日数を現在は最大3日に限っているということで、この「決まり」は融通が効きそうにない。しかし、食事付きで価格もリーズナブルだ。

ここに金土日3連泊し、湯田中・渋で見つけた平日5連泊できる宿へ。これに、いつ営業しているかわからないという素泊まり自炊宿を前後にくっつければ、2週間弱は滞在できそうだ。

あとは予算オーバーはするがかつての定宿「横手山山頂ヒュッテ」に足を伸ばして、計3週間ほどの「志賀高原満喫プラン」はなんとか成立しそうである。