
道の駅「湖北みずどりステーション」は長浜市の湖岸道路沿いにあり、この湖岸道路沿いは琵琶湖の湖面に映える幻想的な夕日を見ることができる絶景スポットとして有名です。湖岸道路は信号が比較的少なく、概ね快適なドライブを楽しめますが、特に長浜市内を走る湖岸道路や豊公園から見える夕日は、「日本の夕陽百選」に選ばれているほど美しい。
では、なぜこのあたりから見る夕日が美しいのでしょうか。
日本最大の淡水湖・琵琶湖は、滋賀県の6分の1の面積を占め淡路島よりも大きく雄大です。その琵琶湖の湖面越しに夕日が沈む西南方向を眺められる場所である湖北からは、琵琶湖を挟んで対岸までの距離がもっとも長いのです。したがって同じ夕日を眺めるにしてもより雄大な構図が生まれ、美しさが増すと言います。道の駅の隣にある施設・湖北水鳥公園(湖北野鳥センター)からは、少し高い位置から琵琶湖を眺めることになるため、夕日を背に浮かび上がる竹生島もよく見えます。
このあたり一帯の湖岸道路・豊公園・湖北水鳥公園(湖北水鳥センター)は、湖岸の絶景スポットとして「湖北八景」に選ばれています。
夕日のベストシーズンは秋から冬にかけて
冬にかけては、オオヒシクイやコハクチョウ、オオワシなどの渡り鳥も飛来する。「冬の使者」とも呼ばれる渡り鳥のコハクチョウは、例年10月中旬にやってくる。ロシアの北極海沿岸部で繁殖するコハクチョウは、越冬のために日本国内にやってくるが、長浜周辺の琵琶湖と水田地帯は県内有数の渡来地である、コハクチョウは3月中旬まで滞在する。
厳冬期は最も多い時で600羽ほどが見られるというが、琵琶湖の美しい夕日に向かって羽を広げるコハクチョウは、夕日にさらに彩りを添えてくれる。
かつては「ギターを抱いた渡り鳥」、今は「オムツをはめた渡り鳥」の異名をとる私。渡り鳥への感情移入は半端ではない。
湖北野鳥センター
北へ行くほど水質が良いと言われる琵琶湖だが、道の駅「湖北みずどりステーション」周辺は水辺の動物の宝庫で、特に水鳥の観察をするには日本屈指の適所と言われる。本駅の近くには「湖北野鳥センターが」あって、特に秋から冬にかけては双眼鏡を持った野鳥愛好家が全国から集まってくる。

湖北野鳥センター周辺は遠浅で水生植物や魚も多く、小さい島も含めて野鳥観察には最適の環境。 写真はセンターから観察できるコガモだが、天然記念物のオオヒシクイやオオワシをはじめ、センター周辺で観察された鳥は53科250種類にのぼる。

湖北野鳥センターは、フィールドスコープでバードウォッチングが楽しめる施設として昭和63年(1988)にオープンした。 その後、平成5年(1993年)に周辺6市15町(当時)にわたる琵琶湖一帯が「ラムサール条約」の条約湿地に登録されたことを受けて環境庁(現環境省)が啓発・研究施設としての琵琶湖水鳥・湿地センターを建設(運営は当初は湖北町、現在は長浜市)。両センターが入居する三角屋根ログハウス風の3階建ての館が平成9年(1997)に完成し、5月にオープンした。
ラムサール条約とは、昭和46年(1971)にイランのカスピ海の湖畔にあるラムサールという町で採択された「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」である。 水鳥をはじめ多様な生き物がすむ湿地を守るために世界各国が協力して環境保全を推進していこうというもので、現在172ヵ国が加入し、2439ヵ所が条約湿地となっている。
湖北地方の特産品がいっぱい
駅施設はかわいい水鳥を模った建物で、その中に農作物直売所を兼ねた物産館とレストランがある。

駅施設はどちらかと言えば小規模。しかし、水鳥観察に訪れる客は多く、駅は規模の割には混雑している。琵琶湖といえば「ふなずし」、そして「鮎の塩焼き」。


物産館は農作物直売所を兼ねていて、農家さんたちの想いが詰まった農作物が販売されている。地産の米「湖北米(コシヒカリ)」も自慢の商品として、数多く販売されていた。





やはり人気商品は、早い者勝ちのようだ。


「鮎の甘露煮」「湖北そば」「びわ湖よもぎそば餅」「鮎パイ」 「近江茶クッキー」「近江鶏カレー」など湖北地方を中心に滋賀県の特産品が多数販売されている。


レストランでは湖北の郷土料理を提供
物産館横のレストランは規模は小さいが、湖北地方の郷土料理は揃っている。
まず、「うなぎじゅんじゅん」。要するに「うなぎを使ったすき焼き」だ。 琵琶湖に生息するビワマスを用いた「幻の魚ビワマス定食」はこのレストランならでは。カレーライス、ラーメン、うどん、そばなど定番軽食もちゃんとある。

建物の2階は展望台になっている。

ここから見る「琵琶湖に沈む夕日」はとても美しく、さすが「日本の夕陽百選」に選ばれているだけのことがあると納得できるだろう。

せっかく訪れたがあいにくの天候だったり、夕刻に訪れることはできない人もその美しさを知れるよう、夕日や水鳥の写真を展示したギャラリーも用意されている。
駐車場も休憩スペースもいい感じ
最後になったが、「夕日」の時間帯までのその前後に、休憩したり仮眠したりするには、概ね好適だ。


駐車場は交通量の多い湖北道路から少し高い位置にあり、道路からの距離もあるから通る車の音はほとんど気にならない。しっかり仮眠できるだろう。



