道の駅「十津川郷」から「十津川温泉」へ!(トイレ○仮眠○休憩◎景観○食事○設備△立地△) 

日本で最も広い村は北方領土にあります。それは、択捉島の留別村。終戦当時は択捉島で最も大きな集落で2,258人の日本人が住んでいましたが、現在は誰も住んでいません。このことに関して、私は12年前北海道庁に乗り込んで奪還に向けてハッパをかけましたが、所詮北海道庁ではどうにもならない問題。しかし日本は、クソロシアの不法占拠からなんとしても北方領土を奪還せねばなりません。

第二次世界大戦のどさくさに紛れたクソロシアの不法占拠以来、この留別村に誰も住んでいないことから(もちろん日本固有の領土ですが)、日本一広い村は紀伊山地のど真ん中にある十津川村ということになっています。道の駅「十津川郷」は、この十津川村にあります。 周囲には鉄道や高速道路は通っておらず、公共の交通機関はこれまた日本一長いとされる路線バス・奈良交通の八木新宮線のみです。

高速道路も西名阪自動車道の香芝ICが最寄りで、そこから国道168号線を南に92kmも走る必要があります。 村は山々に取り囲まれていて、どの方向から向かっても峠道を通る必要があり、こうした意味において本州の中では最もアクセスが難しい(時間がかかる)道の駅であると思われます。

村の四方を山々が取り囲んでいるために、かつては周囲の市町村との交流が少なく、そのために十津川村独自の文化が生まれたと言われています。 特に食品に関しては村独自のものが残っていて、私もそうした視点を持って道の駅「十津川郷」ならではの物産に注目しました。

とにかく足湯がありがたい

道の駅「十津川郷」は、物産館、農作物直売所、レストラン、そして仮眠目的のドライバーにとって必須のトイレと駐車場、それに加えてすごくありがたい「足湯」で休める施設だ。

トイレは駐車場から近くて利用しやすく、この道の駅に着くまで相当の距離を走ってくるであろうドライバーにとって、しっかり目に仮眠できる、とても貴重な道の駅だと思う。

イートインコーナーから見える景色もいい。

注目の物産館には、十津川村ならではの商品が多数並べられている。

なんと言っても、十津川ならではの商品の筆頭は「ゆうべし」だろう。

ゆうべし

「ゆう餅子」とは、柚子の実をくり抜いて、その中にそば粉・もち米・鰹節・椎茸・大豆を詰め込んで乾燥させたもの。 十津川村に古くから伝わる保存食で、秋から冬にかけて軒下にゆうべしを吊り下げ乾燥させる風景は十津川の風物詩である。

実際に食べてみると、食感は独特で、柚子の酸味が口いっぱいに広がるが、後味はスッキリとしている。白ワインをいただくときのツマミとしてすごくいいんじゃないかと思った。「茶粥」も十津川に古くから伝わる郷土料理だ。 粥に茶の粉末を加えたシンプルなものだが、十津川村ならではの味付けをした「茶粥セット」が販売されていた。鮎も、清流に恵まれた十津川村の特産品だ。 鮎を丸ごと炙った「鮎炙り」、鮎の内臓を1年以上発酵させて地産の味噌とブレンドした珍味「鮎のうるか味噌」、 そして鮎料理の定番の「鮎の甘露煮」など、こちらは日本酒のアテとしてたまらないのではないだろうか。

他にも「日本はちみつ」「黒にんにく」「梅干し」「お刺身蒟蒻」等、十津川村の独自の食文化が窺えるものがたくさんあった。

石臼挽きの「おろしそば」を味わう

建物の2階は、石臼挽きの手打ち二八そばが自慢のレストランだ。 特につゆ汁に大根おろしを入れて蕎麦を味わう「おろしそば」が店のイチオシだ。 他にも「ざるそば」「冷とろろそば」「梅おろしそば」などがあり、ご飯物では「卵かけご飯」「日替り丼」などが値段も手頃。 蕎麦アレルギーの人のためにうどんメニューもある。

村内全域源泉かけ流しの十津川温泉へ

十津川村が全国で初めて「源泉かけ流し宣言」をしたのは2004年のことである。以来、村の温泉施設すべてが、お湯の循環、再利用を一切せず、沸かさず、塩素消毒をせず、薄めず、「ほんまもんの温泉」をこんこんとかけ流してきた。これは、十津川村の豊富な湯量だからできることであるが、宣言の当時は正直、湯量・湯温に比べて訪問者が圧倒的に少ないという事情があったようだ。

十津川温泉郷は、紀伊半島の中央部、奈良県の最南端にあって、険しい山々に抱かれた川沿いに湧く「湯泉地」「十津川」「上湯」の、それぞれ泉質の異なる3つの温泉地である。3つの温泉地はすべて「美肌の湯」の泉質を持っていて、先にも触れたが、村内の全ての旅館や民宿、公共施設はお湯を再利用しない「源泉かけ流し」。あらゆる施設で常に新鮮なお湯を楽しめる。

「湯泉地」温泉は、十津川の左岸に湧く温泉で、560余年の歴史を誇る。宝徳2(1450)年に湧出した後、信長に追われた佐久間信盛が武蔵に隠棲中湯治に訪れたという話だけでなく、大和郡山城主豊臣秀長の子秀保が文禄4(1595)年、湯泉地において小姓と無理心中したなどのあまり聞きたくない伝説も残っている。「滝の湯」と「泉湯」は日帰り湯として好評で、特に旅館を改装した「滝の湯」は休憩室を備え、滝を眺めながら入る露天風呂が人気を集めている。

「上湯」温泉は、十津川温泉から県道龍神十津川線を西へ約5kmの上湯川上流に湧く温泉だ。約280年前享保年間、里人が川原に湧く湯をみつけたといわれる。よけいな飾りは何もない、大自然の中のしっとり落ち着いた名湯である。

そして、私がチョイスしたのは「十津川」温泉。初回訪問なので無難にオーソドックスな選択だ。「湯泉地」温泉から約10km南へ下った、村の中では一番賑やかな、中心的温泉地である。

約300年前元禄年間に炭焼き職人が見つけた冬でも湯冷めしないと言われる温泉で、日帰り湯は、昴の郷温泉保養館「星の湯」「わらびお公衆浴場」「南部老人憩いの家浴場」「十津川温泉庵(いおり)の湯」の4軒がある。

今回私が利用したのは「十津川温泉庵の湯」。奈良県初となる飲泉場があり、足湯、男女別の内湯を備えた施設である。庵の湯は、ニ野津湖の湖畔、村で一番建物も集まっているバスターミナル前にある。
しかし、国道の下の僅かな土地に、湖へ張り出すようにして建っているので、道路からは見えない。

駐車場は、バスターミナルに隣接して村営駐車場があるので、そこを利用した。

これが「十津川温泉庵の湯」の門。

ここから入って、階段を降りていくと、眼下にこぢんまりとした2棟の湯小屋が見える。村特産の杉などの材木をふんだんに使った建物が縦列に並んでいるのだが、男湯・女湯がそれぞれ独立した建物になっていて、内部は脱衣場と内湯だけというとてもシンプルな構造である。

階段を下っていく途中に足湯があった。

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無料の足湯のほか、奈良県初という保健所の正規許可を得た飲泉場もあった。これがお酒ならグイッと飲むのだが、「飲む」というより、恐る恐る口に含んでみた程度。オエっとえづくようなものではなく、拍子抜けするぐらい普通の味だった。

浴室の扉は、風情ある木戸だ。それを開けると、眼前にいきなりダム湖が広がった。

そして、鼻粘膜をくすぐる定番の硫黄臭と、木造の湯ならではの木の香りが混ざり合う中で裸になり、しっかり掛け湯をしてから湯船に。四畳半ほどの小さな湯船からは白濁した湯がざあっと溢れ出し、溢れた湯は排水口へと消えていく。湯船の中に妙な吸い込み口などは一切ない。そこはまさに”かけ流し”の、最上級の温泉だった。ああ極楽極楽w

庵の湯は、2か所の源泉から得た混合泉を使用しているそうだ。そして、原則温度調節のための加水は行っておらず、それどころか、新湯投入量が豊富であるとして消毒薬の投入すら行っていない。つまり、まさに”あるがままの天然温泉”なのである。

目の前に広がるエメラルドグリーンの二津野ダム湖畔が一望できたことも、実に素晴らしかった。

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