奈良県吉野郡天川村は紀伊半島の中央部に位置し、村の面積の４分の１が吉野熊野国立公園に指定されています。
2004年にはユネスコ世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」として登録され、天川村はその主要な構成要素としての「大峯奥駈道」・霊場「吉野・大峯」の一部を擁しているのです。
天川村に流れる美しい川は、近畿最高峰の八経ヶ岳をはじめとした名峰連なる大峯山脈の源流域のその一滴が、幾つもの渓谷を渡ってきた清冽な清流。上流域から下流域に至るまで、実に美しい自然景観を作り出しています。
天川村の人々は、いにしえから山岳や奥深い自然に対し畏敬の念を抱き、その山と自然を守り続けてきました。 おおよそ1300年前に役行者によって開かれた修験道発祥の地である霊峰大峯山（山上ヶ岳）には、今も多くの修験者が修行に訪れ、この天川村で修行前後の体を休めています。
奈良を代表する紅葉の名所
中でも天川村の「みたらい渓谷」は奈良を代表する紅葉の名所だ。
みたらい渓谷は一級河川・新宮川水系の天ノ川（てんのかわ）の支流・山上川（さんじょうがわ）の下流部で、川迫川（こうせがわ）が合流する付近にある峡谷である。ちなみに新宮川は、水系名としては新宮川のままだが、河川名は現在、熊野川に改められている。
山上川は修験道の聖地である標高約1,719メートルの霊峰・大峰山周辺を源流とし、洞川温泉（どろがわおんせん）などを通て、天ノ川に合流している。
「近畿の耶馬渓」とも呼ばれる絶景
そんなみたらい渓谷はなんといっても高低差が大きく、流れ落ちる大小さまざまな滝、巨岩を縫って流れる清流とエメラルドグリーンに輝く神秘的な淵などによって構成される。そして、みたらい渓谷周辺の森林は人の手が加わっていない自然林であり、イロハモミジ・オオモミジ・コハウチワカエデ・フカギレオオモミジ・イタヤカエデなどが分布。
紅葉と山上川、吊橋、滝などが織りなす光景は新緑と紅葉の季節は一段と美しく、その神秘的な美しさから「近畿の耶馬渓」とも称されている。
近畿一の絶景と評する向きも多いと聞いてやってきたのだが、本当に美しい景色だった。
過去最高の宿泊コスパ！
宿泊費をかけないというのが私の旅。特にビジネスホテルなんか利用しても、お金を払う価値を感じないから、ほぼ車中泊（仮眠）で旅を続けている。しかし、民宿はたまに大当たりがあり、じゃらんなどのサイトで値段が安くて良さそうな民宿があれば、たまに利用させていただている。
今回、天川村の紅葉狩りの前泊をどうしようかと思って宿泊サイトも見ていたら、天川村の栃尾というところ（天川紅葉見物の上流と下流のちょうど中間）に素泊まりで税込5,300円、５段階ユーザー評価なんと4.9の民宿をじゃらんで発見。
お人柄が偲ばれるご夫婦による経営ということで、「ここは良い！」と直感。即、予約した。昔から私は、こういった「良い予感」は実によく当たるのだが、今回は過去にも例のない「大当たり」だった。
写真のように、部屋ではなく、離れ一棟まるごとお借りしての一泊だった。
全ての部屋、設備に清掃が行き届き、到着予定時間にはすでにこたつが温められ、お風呂のお湯も満たしていただいており、コーヒー、カフェオレ、緑茶、ペットボトル緑茶、そしてケーキまでご用意いただいて、この一棟丸ごと宿泊の価格がたった税込5,300円とは。
ご主人と奥様とに、約束した。
「毎年来ます。来年は夕食と朝食付きで」と。