秋の吉野山へ。道の駅「吉野路大淀iセンター」からGo!(トイレ○仮眠△休憩◎景観△食事○設備○立地△) 

奈良県の大峰連山の北端から南へ約8キロメートル続く尾根一帯。そこが吉野山と呼ばれています。

吉野山といえば、多くの方が連想するのは「桜」でしょう。その吉野山、紅葉が綺麗だとか、紅葉の名所だとか、少なくとも私は聞いたことがありません。しかし、桜の名所は秋の紅葉も絶景なのだと言う人もいます。

春には3万本という桁外れの桜の木が満開となるが、秋にはその葉が「紅葉」するのです。つまり、吉野山の紅葉は、概ね桜の葉の秋の色を楽しむというものです。桜の紅葉は、楓紅葉よりも早く色付き始め、標高差があるので、山頂から麓へと、色づいている場所は訪れる時期によって変わっていきます。

上千本エリアは急な坂道が多い分見晴らしが良く、吉野山を一望できる花矢倉展望台や竹林院・桜本坊など見どころがいっぱい。2024年10月11日(金)から12月1日(日)の期間は、16:30から22:00までライトアップも行われています。そして、吉野山の歴史的建造物を訪れれば、建造物と自然との調和が印象的です。

金峯山寺や吉野水分神社周辺の紅葉は、古都奈良の風情そのものです。

桜の時期の吉野山は人でごった返します。人混みが大の苦手である私、桜は他のところでも見られるので、おそらく人もまばらな秋の吉野山に行ってきましたが、残念ながら写真のように眼前の桜の木はほとんど葉を落としてしまっていました。

吉野山といえば桜、その理由

吉野山はなんといっても桜の名所として有名で、4月の上旬から中旬にかけて3万本ともいわれるシロヤマザクラが豪華絢爛に咲き乱れる。しかし、そもそも。なぜ吉野山にこれほど多くの桜が植えられたのだろう。日本全国の多くの桜の名所では、近代になってから桜並木を整備したり、古くからある古木を大切に 保護したり、いわゆる「花見」のために桜を植栽・管理している。しかし吉野の桜は「花見」のためではなく、山岳宗教と密接に結びついた「信仰の桜」として現在まで大切に保護されてきており、その点が多くの「花見の名所」とは大きく異なっている。

吉野山の桜の起源は今から約1300年前。当時は山々には神が宿るとされ、吉野は神仙の住む理想郷として認識されていた。のちに修験道の開祖と呼ばれる役小角(役行者)は、山上ヶ岳に深く分け入り、一千日の難行苦行の果てに憤怒の形相もおそろしい蔵王権現を感得。その尊像こそ濁世の民衆を救うものだとして桜の木に刻み、これを山上ヶ岳と吉野山に祀ったとされている。その後、役行者の神秘的な伝承と修験道が盛行するにつれて、本尊を刻んだ「桜」こそ「御神木」としてふさわしいとされ、またそれと同時に蔵王権現を本尊とする金峯山寺への参詣もさかんになって、御神木の献木という行為によって植え続けられたのである。

危うく豊臣秀吉に焼かれたかもしれない吉野山

ところで、吉野での花見といえば、太閤豊臣秀吉抜きには語れないだろう。秀吉は絶頂の勢力を誇った文禄3(1594 )年、徳川家康、宇喜多秀家、前田利家、伊達政宗ら錚々たる武将、茶人、連歌師たちを伴い、総勢なんと5千人の供ぞろえで吉野山を訪れた。しかしこの年の吉野は長雨に祟られ、秀吉が吉野山に入ってから三日三晩雨が降り続いたのである。

兵庫県の斉藤知事などは可愛いもので、天下をとった権力者というものはなんと横暴なのだろうか、苛立った秀吉は同行していた聖護院の僧道澄に「雨が止まなければ吉野山に火をかけて即刻下山する」と伝えると、道澄はあわてて吉野全山の僧たちに晴天祈願を命じ、その甲斐があったのかどうか、翌日には前日までの雨が嘘のように晴れ上がって盛大に豪華絢爛な花見が催された。横暴極まる秀吉もすっかり機嫌を直し、吉野山の神仏の効験に感じ入ったという。これが、有名な秀吉の花見だ。

吉野山では桜の葉の色づきを楽しむ

そんな吉野山では、例年なら9月に冷え込み始めると桜葉は徐々に黄色味を帯びて、10月には程好くオレンジ掛かった桜葉が山々を覆うのだが、10月まで猛暑が続いた今年はやはり紅葉の時期はが相当にずれ込んだ。

色鮮やかなモミジに比べると少しおとなしい色合いだが、その風景を眺めつつ、これ以上秋が短くなって吉野山の四季の移ろいに狂いを生じてしまわないようにと祈るばかりであった。

道の駅「吉野路大淀iセンター」から吉野山へ

吉野山へは、道の駅「吉野路大淀iセンター」で昼間の仮眠をしばしさせていただいてから向かった。この道の駅がある大淀町は町の中央部を鉄道が走っていて、吉野郡の中では比較的拓けた町なのだが、この道の駅はそんな町の中心部から北方面に広がる森林地帯にある。

道の駅看板

しかし、そんな町外れ、森林地帯にあるにも関わらず、平日にもかかわらず「人が多い」ことに驚いた。「こんなところに」と言えば失礼だが、一体どこから人が集まってくるのだろうと思って施設の人に尋ねたら、「どこからいらっしゃるかは存じませんが、週末はもちろん平日でも駐車場はほぼ満車ですよ。野菜なんかは、地元の人が毎日のように買いにいらっしゃいますので顔見知りの人も多いです。」ということだった。

仮眠が目的だったので、施設前が車でいっぱいでも問題ない。施設からかなり離れたところに車を停めた。そして、まずはトイレへ。

そして、休憩スペースでコーヒーを。

人気の理由は充実した品揃え

町外れで温泉も無いこの道の駅になぜこれだけの客が集まるのか? それは、間違いなく物産館、農作物直売所の充実した品揃えのためだろう。

物産館では草餅、葛餅、葛きり、葛菓子、落雁、吉野漬け(大根の一本漬け)、奈良漬、柿の漬物など数多くの商品が並んでいる。私の大好物「柿の葉寿司」も。

柿の葉寿司

お茶の品揃えもすごい。どれも美味しそうだ。

農作物直売所は地産の新鮮野菜が並ぶ。

一般的な農産物は、ほぼ揃っている印象だ。

特に目につくのは季節柄、ナシやみかん、柿、りんごなど秋の味覚。そして梅と筍だろうか。

もちろん、野菜には旬の季節があるので、時期によって目につく商品は異なると思われる。

そして、観光客向けとしてだろう、この辺り一帯が森林地帯だけに「木」に関連する特産品が多い。

大淀町の食を集めた大淀バーガー

本駅にはレストランもあり、ここでは大淀バーガーが人気商品になっている。

大淀町産の金胡麻とトマト、ソースにも地産のキノコをブレンドしたものになっている。 串こんにゃく、そば、カツ丼、番茶ソフトクリームもレストランで食べることが出来る。

施設の外にはこんにゃく専門店、そして、あゆ、あまごの塩焼きを売る屋台が出ていた。

また駅名に「iセンター」と入っているように、本駅には観光案内所がある。

観光案内所内には歴史街道のパネル展示があり、吉野エリアの歴史や文化をかいつまんで学ぶことができた。