ゲーム会社コンサルで採用拠点を立ち上げた博多「大名」へ。道の駅「伊万里」から(トイレ○仮眠○休憩○景観△食事○設備△立地○)

今から8年前。

東京でゲーム会社のコンサルをしていた時、「ゲーム開発というものは携わる人材こそが生命線!」と強く主張し、東北、京都、九州を人材採用重点地区と定め、九州は博多、中でも若者で賑わう街「大名」のテナントビルに採用拠点を立ち上げた。

その際には、博多に何度も通い、昼はもちろん働いて(笑)、夜は懐かしい友人たちとの再会を楽しんだ。

リクルート神戸の後輩、工藤くんと。彼は今、博多山笠を仕切っている。

「にしとう」の後輩、神品さんと。

高校の同級生、九州組の藤井、ふくちゃん、まんまちゃん、遠藤くんと。

思い起こせばこの頃は体重90キロを超えるという人生最高のデブ期。この1年後に心筋梗塞で倒れたが、しばしば発作でニトロを舐めていた時期だった。

冒頭写真は、道の駅「伊万里」だが、そこで遊んでいるうちに何故か「水炊き」の口になったので、今日の夜はここから少し遠いけれども博多で過ごすことに決めた。

博多といっても広い。

天神あたりに絞っても、それでも歩き回るのは大変だし、何といっても店を物色する時間が勿体ない。

そこで、オンオフともに楽しかった懐かしい「大名」にエリアを絞って、例によって飲んだ後は駐車場での車中泊。

とことん腰を据えて飲むことにした(笑)

創業110年の岩戸屋本店へ

ハシゴ酒の1軒目、水炊きの店は、1916(大正5)年に福岡市大名で創業した「岩戸屋」。

水炊きに限ったことではなく何でもそうだが、本店が支店よりまずいという話は聞いたことないし、創業110年の老舗の本店なら間違い無いだろうと。
長年福岡の人たちに愛され続けているが、今は4代目・脇本修治さんが店主である。

創業は、西通りの岩田屋本店横(現在西日本シティ銀行がある場所)辺りだったそうだが、終戦を機に?今の場所に移転。平成15(2003)に同じ場所に建て替えられたビルの5階で営業しておられる。

水炊きのスープはドンピシャ私好み

「岩戸屋」の水炊きスープは、最近コッテリ系よりあっさり系に移行しつつある私好みだった。

一般的な水炊きは、水と昆布でスープが作られるのでスープが透き通っているが、博多の水炊きのスープは骨付きの鶏肉を煮込んでつくるため、スープが透明ではなくなる(下写真左)。

「まず、スープだけいただいてください」と言われて飲んだが、うまい!

丁寧に煮込んでいるのだろうが、その煮込む時間にも企業秘密がありそうで。鶏の旨みをちょうど良い程度に引き出し、程よいコクの、上品な味に仕上がっている。
最初にスープを減らしすぎて、追加することになったほど、うまかった。

サイドメニューからは、甘辛のバランスのとれた「砂肝の甘煮(写真下右)」を注文。

これも、とても美味しかった。

ここで、シメの雑炊の前に「ラーメン」を。

実は、「岩戸屋」の「シメの雑炊」は、「上司と一緒だと手が出しにくい」という声があるそうで、ひとりひとり注ぎ分けて持ってきてくれるシステムとなっている。

雑炊を注文したら鍋ごと持っていかれるから、先にラーメンを食べておかないと、雑炊→ラーメンという逆のシメパターンはできないのだ。

わたしゃ一人なのだから、雑炊も自分で勝手に作らせて欲しかったのだが。
その辺の融通が利かないのが、老舗の難点か(笑)

2軒目は粋な角打ち

ご存知、角打ち(かくうち)とは、酒屋の店先や一角(=角)で、購入したお酒をその場で立ち飲みするスタイルを指す。元々は枡(ます)の角から直接飲むことを意味したので、この粋な呼び名が生まれた。北九州が発祥とされ、安価で手軽に楽しめるのが特徴だ。

大名のど真ん中で、1950年から75年も続く「小谷酒舗」は、角打ちが人気の酒販店。

一時期は配達に専念して角打ちを休止していた時期もあったそうだが、角打ちを再開してから20年になるそうだ。

日本酒、焼酎、ワインなど、とにかく酒の選択肢が豊富なのが最高だ。
常温棚や冷蔵ショーケースに並んだ商品を購入して、角打ちで楽しむ場合は700㎖未満なら+60円、700㎖以上なら+300円となるが、私は色々飲みたいので、グラスでワンショットごとの注文を選択。

まずは、日本酒。
喜多屋 純米大吟醸一合が480円で飲めるのが角打ちの真髄。2杯目は、会津ほまれ 巽蔵 純米吟醸460円を。つまみは角打ち発祥の地・北九州の郷土料理、ぬか炊きのいわし(605円)。
次にワイン赤白一杯ずつ(290円)をピザマルゲリータ(580円)をつまみながらいただいた後、メインの焼酎へ。

久米島の久米仙 350円が飲みたくなって、これが今日の体調に合ったみたいでこれを3杯。

アテは、鮭とば(430円)と鯖とば(380円)。卓上で自分で炙って味わうことができる。脂が乗った鯖とばは、久米仙との相性抜群だ。

これだけ飲んで、食べて、4000円でお釣りが。

十分飲んだ。
すぐに寝て、明日早く起きて行動しようと。

3軒目に行かなかったところに、我ながらの成長を見た(笑)

角打ち最高!

道の駅「伊万里」

伊万里市は人口約5万人が暮らす佐賀県の中核都市だが、道の駅があるのは伊万里の市街地から北に5km離れた田畑の中、このあと福岡市内に向かったがその国道497号線、無料高速の西九州自動車道(国道497号線バイパス)沿いにある。

駐車場は、非常に停めやすい、利用しやすいという感想。今日はこの後、博多で飲んだ後、タイムズあたりの駐車場で寝ることになるが、ここは仮眠にも良さそうだった。

トイレは、便器設置の密度が高いという印象。まあ、数が少ないよりはいいだろうが。

休憩環境としては、敷地の中央に利用しやすいテーブルと椅子が。

突然の雨も避けられる、屋根付きだ。

農作物直売が中心

道の駅は2025年3月28日にリニューアルオープンしたばかり。

JA伊万里が運営する農作物直売が中心となる道の駅となっている。 

農作物直売所では地産の野菜、果物を多数販売していて、地元の人を中心に活況を呈していた。

カメラを持ってウロウロしていると、一目でよそ者だとわかるのだろう、威勢の良い店員さんに話しかけられた。

「どこからですか?」

「神戸のほうからです」

「おお、はるばるようこそ。そのカメラは?」
「写真を撮らせてもらって、ブログで道の駅のことを書いているんです」

そう言うと、「伊万里梨を宣伝して!」と、私のカメラを奪い取り、私に商品を持たせて写真をパチリ。

「ちゃんと商品を顔の横に!」と、持ち方の注文も厳しかった(笑)

「巨峰ぶどう」も名産らしい。どちらも旬はせいぜい11月までなので、「時期ハズレのPRになりますが」とお断りして、直売所を後にした。

有名なお茶、伊万里牛や伊万里ネギ、名物の黒米を使った特産品も美味しそうだ。

伊万里の特産品は多い

道の駅「伊万里」の名物商品は他にもたくさん。まず「伊万里焼」「伊万里茶」は特産品の双璧だろう。

さらに「伊万里焼饅頭」「村寿司」「ふるさと饅頭」「里味饅頭」「よもぎ饅頭」「かぼちゃ饅頭」等の饅頭類はお手頃価格でちょっとしたお土産向き。

「石垣団子」「黒米ようかん」「黒米うどん」「黒米パスタ」「伊万里グリーンカレー」「伊万里梨カレー」「伊万里牛黒カレー」「伊万里牛焼肉まん」などもある。

また、物産館、農作物直売所から少し離れた場所に、ブランド牛「伊万里牛肉」の販売所がある。