「御在所岳」「湯の山温泉」を両方楽しめる道の駅「菰野」(トイレ○仮眠○休憩○景観△食事△設備△立地◎)  

49万人の受験生が頑張った「大学入学共通テスト」も終わり、受験シーズンもいよいよ佳境です。

三重県菰野(こもの)町の、標高1212mの御在所岳中腹にある奇岩「地蔵岩」には、「絶対落ちない」というご利益にあやかろうと、受験生を家族に持つ登山者たちがひっきりなしに現れては、手を合わせていきます。

写真の手前右に写っているのが地蔵岩ですが、5合目付近に突き出た高さ約2.5メートルの二つの岩の隙間に、1辺約1メートルの立方体状の岩が挟まれ、バランスがとれているのか、いつからかわからないがずっと動いてこなかったので「絶対に落ちない石」として有名になったのです。

正直、見た感じをそのまま言うと、「絶対に落ちない」というよりも、「落ちそうで落ちない」と言うのが当たっていると思うのですが(笑)まあ、落ちなけりゃギリでもいいと考えれば、すがる気持ちはわからないでもありません。

鈴鹿山脈の中心にそびえ立つ御在所岳

鈴鹿山脈は、三重県と滋賀県の県境に横たわる東西方向に約10km、南北方向に約55kmの山脈。鈴鹿連峰は本州の中央部にあり、気候風土や文化においても東と西に二分する重要な山脈である。最高峰は雨乞岳(標高1,238m)だが、菰野町内にはほぼ同じ高さの御在所岳(1,212m)、鎌ケ岳(1,161m)、釈迦ケ岳(1,092m)、国見岳(1,170メートル)など鈴鹿の山を代表する山が連なっている。

そんな鈴鹿国定公園の中心にそびえる御在所岳自身も見るからに雄々しく、実に堂々とした山容であるが、そこに登ってから周りの景観を観る価値も大きい。御在所岳は、南に鎌が岳、北には国見岳を従える。御在所岳から見るこの両山の山容は見事だし、琵琶湖、伊勢湾も一望し、天気の良くて空気が澄んでいれば遥か富士山さえも遠望できる日がある。また、運が良ければ御在所岳に生息している特別天然記念物のニホンカモシカなど、珍しい生物を見ることもできる。五合目の人気スポット地蔵岩だけでなく、山上には三重県内唯一のスキー場もあって、オールシーズン楽しめる。

冬はスキー。滑るしかない!

と言うことで、「すべらない」と言っておきながら、冬の御在所岳はなんと言ってもスキーなのである。

御在所岳の樹氷

紅葉のシーズンが絶対オススメ

しかし、御在所岳に行くにはいつがベストか?とベストシーズンを問われれば、迷わず「10月下旬から11月末まで」と即答する。例年10月中旬からの紅葉が、御在所岳はなんとも見事なのだ。ロープウェーからの眺めも最高で、いろいな場所から楽しめるという点でも素晴らしい。

山上付近の紅葉が進んでくると、赤いゴンドラが風景の中に溶け込んでしまう(記事中の紅葉写真は御在所ロープウエイ提供)

山上付近はツツジ科の植物が多く、赤や橙に色づくのが御在所岳紅葉の特徴なのだ。

御在所ロープウエイによると、過去4年の標高1000m以上の山上エリアの色づき始めは、2021年が10月10日、2022年が同14日、2023年が同13日、2024 年はもっとも遅くて10月18日に色づき始めた。色づき始めから1カ月半ほどかけて、麓の湯の山温泉街までゆっくり降りていく。この間は、いつ行っても山頂から麓の菰野町、湯の山温泉街、四日市市方面に向けて、絶妙の高揚グラデーションが楽しめる。

湯の山温泉も楽しめる

菰野町は、三重県の北西部の観光を代表する湯の山温泉と御在所岳の両方が楽しめる。菰野町は、県内最大の都市である四日市市に接しており、同市街地までは約10キロメートル、また、名古屋中心街へは約40キロメートルの位置にあって、西側には山脈、東側には平野が広がっている。

山脈は鈴鹿国定公園に指定されており、町内の代表的な山としては御在所岳(1,212m)のほかには、鎌ケ岳(1,161m)、釈迦ケ岳(1,092m)がある。

三滝川、朝明川の2つの河川がつくる平野部はゆるやかな丘陵地と扇状地を形成していて、のどかな田園風景も魅力的だ。

湯の山温泉は、718年(養老2年)、浄薫(じょうくん)和尚が薬師如来のお告げにより発見されたと伝えられ、傷ついた鹿が傷を癒したという伝説から別名「鹿の湯」とも言われている。

泉質はアルカリ性ラジウム泉で、胃腸病、神経痛、外傷に効果があるとされ、また、美肌効果もあると言われることから女性にも人気がある。温泉街には情緒のある旅館があり、志賀直哉も滞在して短編「菰野」を執筆した。

今回は御在所岳メインの旅行だったので、湯の山温泉は次の機会になるが、前に来た時の満足度はとても高かった。必ず再訪して旅館と温泉を楽しみたい。

道の駅「菰野」

道の駅「菰野」は、三重県内では「飯高」とならんで一番目に登録された道の駅である。四日市から湯の山方面に向かう街道は菰野町のメインストリート。その湯の山街道(国道477号)沿いに道の駅「菰野」はある。

駐車場は特に広いわけではないが、施設規模からして十分な駐車台数だと思う。

トイレも、すぐわかるし、綺麗に清掃していただいて、ありがたい。

ウォシュレットです。

ゆっくり休憩もできるし、自転車のレンタルもできる。

施設の内外で、町内産・町内加工にこだわった地場産品の展示販売に徹している。

道の駅内には観光案内の各種パンフレットを設置したコーナーもあり、夏場を除いて限定販売される「草もち」や「おはぎ」などは、平日のみのサービスとして「菰野茶の振る舞い」があって、お茶をいただきながら頬張ると最高に美味しい。

道の駅「菰野ふるさと館」に入ると朝採りの野菜や、地元和菓子店の草餅、長年親しまれているお土産などがズラリと並んでいた。あるものは全て菰野町で育ったもの、作られたものだけだ。中でも菰野町の特産品、マコモを使った商品はそうめん、ウィンナー、焼き菓子、お茶など、バラエティー豊かだ。

菰野町産の安全安心な野菜などを求めて、毎日たくさんの人が訪れる。観光客だけでなく地元の人にも愛される道の駅だ。

2019年から、湯の山温泉駅の南山側にフォレストアドベンチャーがオープンしており、子育て世代や若い人たちが楽しめるアクティビティがさらに増えている。