「カシオワールドオープン」開催地として25年間沸きに沸いた「いぶすき」へ。道の駅「山川港活お海道」から(トイレ○仮眠○休憩◎景観○食事○設備△立地○)

カシオワールドオープンゴルフトーナメント(CASIO WORLD OPEN)は、1981年から毎年11月第4週に開催されるゴルフ男子ツアーとして45年の歴史を積み重ねてきた。

海外のビッグネームが参戦して話題を呼ぶインターナショナルなトーナメントとして人気があったし、優勝賞金も高額ゆえにツアー最終盤での賞金王争いの最後の山場ともなってきた。
現在はKochi黒潮CCがその舞台となっているが、2005年まで四半世紀にわたってこのトーナメントが開催されていたのが「いぶすきゴルフクラブ」だ。

ちなみに第1回大会1981年のチャンピオンは、リー・トレビノ。
ドライバーやウッドクラブがメタルやチタンに変わって行ったのは、ずっと後のことで。この頃の選手はみんなパーシモンのドライバーで戦っていた。もちろん私も(笑)

1983年と1984年もヨーロッパの強豪が優勝するなど、国内ツアーでありながら世界のトッププロたちによる優勝争いの魅力は大きく、私がゴルフにハマっていた1992年にはプロデビューしたばかりのフィル・ミケルソンが参戦

私はこの年に、このいぶすきゴルフクラブにミケルソン目当てでやってきたので、33年ぶりの「いぶすき」ということになる。

砂むし温泉と開聞岳

まずは「砂むし温泉」へ。

指宿市南部の海岸沿いは温泉が地下を流れており、その温泉で温められた砂の中に体を埋めることによって温泉気分を味わうことができるというものだ。 係員が砂を掛けてくれるので、一人で行って自分でせっせと自分の体に砂をかけるという寂しい行為をせずとも良い。

行ってみたが、ミーハー丸出しの若い人ばかり。ミーハーであることの恥ずかしさは克服したが、おひとり様ジジイとしては、砂に埋もれるイコール土葬という抵抗感もわいてきて結局お世話にならなかったので、指宿市観光協会の画像のみご紹介。

「砂むし温泉」から北西方向には、開聞岳が見える。

高さ924メートルでそれ程高い山ではないし、登山道も整備されていて、登り3時間、下り2時間半位で登頂することもできるが、今回はこちらもパス。

開聞岳には登らずに、車で周囲をぐるりと走って、見るだけとした。

どの方角から眺めても、円錐形の形状は美しい。

なるほど薩摩富士とも呼ばれるにふさわしい山だった。

「いぶすき」の33年ぶりの「夜」は

夜は、さあ、「いぶすき」の33年ぶりの夜を楽しもうと意気込んだが。

バブル最後の狂乱で沸き立っていた当時の街は今や昔。

あまりの寂れ方に、これがあの「いぶすきか!」と愕然とした。

33年前の記憶に残っている指宿駅前と、どうも様子がまるで違う。

当時は足湯がある指宿駅前から3方向に太い道路が走り、その間を縫うように路地があって、各種飲食店、居酒屋はもちろん数えきれないほど立ち並んでネオンが眩しく、クラブ、スナックなどもひしめきあって、どこを歩いてもカラオケの熱唱が響き渡っていた。

ネオンはすっかりまばらとなって街は暗い。そして、スナックから漏れ聞こえる歌声は、数は激減しているものの33年後の今も聞こえてはきた。てか、歌声の数が激減しているということは、何を歌っているのかがより鮮明で、1曲1曲がたしかに聞こえるのだ。

驚いたのは、その聞こえる曲がことごとく、あのバブルはじけた1992年当時に流行っていた歌、もしくはその時代以前の、要するに昭和の歌ばかりだったことだ。

この街は、あの時から33年間、時計の針が止まってしまったのか?

店の数はおそらく10分の1以下に減り、人の賑わい、街の喧騒とともにまるでバブルのごとくはじけて消えてしまった、そんな印象である。

33年ぶりの「おでん」

前回来た際の記憶を辿って、33年前に訪れた記憶のある、一軒の店を探し当てた。

「ほろ酔い」という居酒屋だ。

プロゴルファー池田勇太選手とのツーショットのおかみさんの顔には見覚えがあったので、33年前に来た店に間違いないと確信。残念ながら、彼女はもう店のカウンターには立っておられなかった。

おかみさんと写真に収まっているのは、プロゴルファー池田勇太選手。この地でカシオワールドが開催されていた頃にはまだプロゴルファーではない。

のちにいぶすきゴルフクラブで日本プロゴルフ選手権が開催され、この時、石川遼らと優勝争いをしているが、その時の夜の写真と思われる。

33年前には小学生だった池田選手が今や選手生活終盤の40路、私もそれだけ年をとったということだ。

この店の「おでん」が美味しかったことは覚えていて、この店ではやはりおでんばかりをいただいた。

2軒目のテーマは「薩摩芋焼酎」

2軒目は、地元のいも焼酎の品添えが素晴らしい居酒屋「うっかり八兵衛」へ。

古民家を利用したお店で、新鮮な刺身と浜焼き、そして40種類以上の鹿児島県産の焼酎を一合単位でのみ倒せることがウリの店。

指宿鰹節で出汁を取ったおでんはお店の一番人気で、一人3品の制限があるほどの人気なので、まずそれを。

薩摩地鶏の刺身、これは歯応えもしっかりあって、噛めば噛むほど肉の旨みが楽しめて、とても美味かった。

薩摩焼酎は40種類もあるの、1合単位の量り売りなので全制覇はとても無理。

なかなか手に入らないものから順に7種類ほどじっくり時間をかけて楽しんだが、かなりフラフラになってきたし、せっかく最高の味を堪能した後、3軒目のチョイスを間違うとその日の梯子酒が台無しになることもままあるので、珍しく3軒目は自重した。

道の駅「山川港活お海道」は九州最南端の海鮮市場

道の駅「山川港活お海道」は、九州自動車道の鹿児島ICから国道225号線、国道226号線、国道269号線を真っすぐ南に53km、 鹿児島県南西部で薩摩半島先端の旧山川町(現指宿市山川)にある。

対岸の大隅半島側の南端に行くには、同じ鹿児島県とはいえ陸路では延々百数十キロ以上の距離を鹿児島湾沿いにブーメランのように迂回する必要がある。

しかし、根占港-山川港を就航するフェリーを利用すれば距離も費用もグッと節約できる。道の駅は、その根占港-山川港間フェリーが出る山川港から250mの場所にあって、出航時間までの時間潰しにも便利である。

道の駅としての最大のウリは、山川港直送の海鮮市場。 九州最南端の道の駅の座は大隅半島南端の「根占」に譲ったが、海鮮市場としては依然「九州最南端」をアピールしている。

駐車場は、施設規模なりの広さ。

トイレも、小ぶりだがさほどの混雑はなさそう。

カツオを用いた各種加工品が大人気

道の駅の施設は、物産館、海鮮市場、農作物直売所、レストラン。

物産館、海鮮市場、農作物直売所では、山川町ならではの商品が。

その代表格は、山川港で水揚げされたカツオを用いた加工品。「カツオ節」「カツオ味噌」「カツオちぢんこ」「カツオの腹皮唐揚げ」「カツオマヨネーズ」「カツオたたきの炭火焼き」「カツオロイン」等々。 「カツオちぢんこ」はカツオの心臓の燻製のことで、山川町に古くから伝わる珍味で、私はこれを購入した。

海鮮市場

レストランでは山川港直送の鮮魚を

レストランを利用される方には、ぜひ山川港で水揚げされた鮮魚を使ったメニューをお勧めする。

特に当日の水揚げ状況により旬のメニューを提供する「山川刺身定食」「山川寿司定食」「海鮮丼」「山川漁師飯」、西郷隆盛が好物だったと言われているウナギとカツオをセットにしたメニュー「隆盛丼」 などがイチオシ。

カツオを使った料理「山川かつおのたたき定食」「かつお大トロかば焼き丼」「かつおごろっと角煮温たまらん丼」「山川かつおの角煮揚げカレー」なども人気だ。