
金剛山は、大阪府千早赤阪村と奈良県御所市の府県境にある山。大阪と奈良の県境を南北に走る金剛山地(葛木岳・湧出岳・大日岳の3峰から構成される)の主峰で、紅葉の名所。標高は1125mです。

金剛山は古来、葛城山または高天山(たかまやま)と呼ばれていました。今から約1300年前に役小角(えんのおづぬ=後の山岳宗教の開祖役の行者)が16才の時にこの山に登って霊気を感得。長い修行を経て頂上に法起菩薩を本尊とする金剛山転法輪寺を建立し、自身の祖神「一言主神(ひとことぬしのかみ)」を祀ったことから神仏混淆の霊峰とされました。
以来真言密教の霊場として信仰を集め、転法輪寺のお寺の山号である『金剛山』が山の略称として使われるようになり、やがて葛城山脈中の最高峰を指す名称になったと言われています。ということで山頂付近には葛木神社と役行者が開いた転法輪寺とがあるのですが、山頂は葛木神社の神域とされ、現在も立ち入り禁止となっています。
そのため一般的には大阪平野が見渡せる国見城跡の広場が山頂とされていますが、6時〜19時の間にここに登頂するとはんこをもらえるという独自のシステムが広まって、回数登山の対象となっていることでも有名です。中には1万回も登山している人がいて、私も、NHKが何かの番組でその人のことを取り上げていたのを見た記憶があります。
車で千早城跡まで駆け登る
後醍醐天皇(今から約670年前)の時代、金剛山転法輪寺の山伏勢力を利用してわずか500の兵で関東5万の大群を寄せ付けなかったという「大楠公の知略」「千早城の要塞」は、今も語り継がれている。その「千早城跡」までは、道の駅「ちはやあかさか」から車で30分もかからない。
例年なら紅葉の見頃は10月中旬から11月上旬にかけてということだが、今年は夏が長すぎ、紅葉も大きく遅れた。11月中旬は四国を回ったので、下旬になってしまった。

ブナの美林が黄や橙に染まる紅葉がまだ楽しめるのではないかと期待して金剛山にやってきたのだが、やはり11月中旬がベストだったようだ。




日本一かわいい道の駅「ちはやあかさか」
金剛山の麓に、「日本一かわいい」を標榜する道の駅「ちはやあかさか」がある。金剛山に登る前に寄ったのだが、あまりの小ささに驚き、なんだ、日本一「かわいい」じゃなくて、「小さい」だろうと意地悪なことを言いそうになってしまったが、間違いなく「日本一かわいい」道の駅だ。

まず、サイズが小さい。トイレすらないのだ。しかしトイレと駐車場は隣の施設のものを利用すればいいので支障はない。

施設入り口横に、一応(笑)インフォメーションがあって、道の駅の機能を果たそうとしているのがまずすごく健気。本当にかわいい。

そして、やたらでかい野菜直売所では一通り見るだけでも大変だが、コンパクトな野菜直売所ではしっかり見ていい野菜を買えそうだ。



千早赤阪村産の野菜にこだわっていて、1つ1つ丁寧に育てた地元の新鮮な野菜を買ってもらいたいという気持ちがひしひしと伝わってくる。金剛山からの水で育った野菜や米、果物はどれもとっても美味しいということだが、値段はとてもお手ごろだ。9時ごろに毎日、村の農家さんが直接持ってきてくれるそうである。

村カフェが抜群にかわいい

「村まるごと!棚田カレー」や北海道の放牧牛のミルクを使った究極のソフトクリーム、村の名産品「いちご」や「もも」「いちじく」をつかった四季折々の期間限定パフェ・ドリンクなど、名物メニューがいっぱい!
1階で注文したものを2階のイートインスペースもしくは庭のような休憩場所など好きな場所でいただくのだが、2階は金剛山系を一望できる、眺めの良いテーブル席が15席!抜群の休憩スペースだ。絶対長居してまうやろ〜!



自家焙煎コーヒー飲みながら 村ライブラリーの本も読める。のんびりいら
こんなにほっこりのんびりできる道の駅は初めてだ。

庭でいただくのも素晴らしい!



メニューの一部を紹介しよう。

これが「村まるごと!!棚田カレー」
季節の野菜で村の棚田、村のお米で金剛山、サラダで緑豊かな森を、1皿で「千早赤阪村」を表現しているのとのこと。村の米で作った「甘酒」が隠し味で、なんと11種類ものスパイスをつかった自家製本格カレーは素晴らしい。ランチメニューとして注文すると、ドリンクセット割引もある。

こちらは「村の素材を使った自家製!おむすびランチ」
千早赤阪村のお米をミネラルたっぷりの天日塩で丁寧ににぎったおむすびだ。しいたけやおかか梅干しお味噌など、こだわりの具材を入れてもらい、平日は注文してからむすんでくれる。ゆっくりほっこり流れるここならではの時間が楽しめる。

これは、私的イチオシの「こだわり卵を使った究極の!たまごかけご飯セット」。
厳選された国内飼料で育てた平飼い有精卵、喜味の鶏子を使った究極のたまごかけご飯だ。天然醸造の国産丸大豆しょうゆ、蔵出しの麹味噌を使ったお味噌汁、村の野菜などを使った手作り一品と一緒にいただくのだが、こういうシンプルなメニューこそ、お米のおいしさが引き立つというものだ。
かわいすぎる村ショップ
村で作ったお菓子やジャム、梅干や味噌、木の小物やアクセサリーなどの雑貨を販売しています。
地域のオリジナル品がどんどん入荷していて、見ているだけで楽しい。

オーガニックコーナーでは、農薬や肥料を使わずに育てた野菜や果物をつかった加工品や、村カフェでも使用している米粉、砂糖、塩などの販売もしています。

土日祝には、できたのおむすびや村コロッケ、季節の蒸しパンも売られているそうだ。

こちらは、「もったいないから産まれたこだわり!MURA GELATO(村ジェラート)」。
村の旬な果物などを使ったこだわりジェラートで、ジェラートの滑らかさを出すために、乳化剤や安定剤などの食品添加物を使わず、吉野本葛など国産のくず粉を使っていて、自然の味わいが素晴らしい。牛乳は、生乳に近い味わいでおなかにも優しい、北海道の生産者指定ノンホモ牛乳を使用しているというこだわりぶりだ。

これは先取り情報。富田林寺内町の万里の春醸造にて製造する「金剛山ビール」が、2025年の夏に発売予定となるそう!棚田百景「下赤阪の棚田米」と金剛山麓の湧き水を使用した爽やかなビールとのこと。ドライバーは誘惑に負けず、お土産や贈り物としてのご利用を!
今回、金剛山の紅葉狩りとセットで訪れた道の駅「ちはやあかさか」。このセットは再訪に値する。
金剛山に何度も登る人が多いのは、スタンプがもらえるだけではなく、案外麓にあるこの「日本一かわいい」道の駅とのセットでのリピートが多いのかもしれないと思った。