
元兵庫県議に対する名誉毀損で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告が、クリスマスイブに、兵庫県警の留置施設から神戸市北区の神戸拘置所に移送されたと知った。
この拘置所は、かつて収容中の被告が凍死したこともあり、神戸市民は知る人ぞ知る?「冬の厳しい寒さ」で知られる施設である。
それを知ってではもちろんないが、放送開始100年の節目の「紅白歌合戦」へのNHKの思いはどこまでも熱く、力の入れようは、もう尋常ではなかった。
穿った見方が得意な私などは、紅組と白組に分かれての歌合戦など、これ以上のオワコンはないだろうと思いながら毎年観ているのだが、よくぞここまで、という民放では到底不可能な顔ぶれと企画内容と演出に、いたく感動した。
みなさんそれぞれの見方やご贔屓があるので、どれが良かったなど詳しくは論じないが、私が思うに、全てにおいて史上最高の紅白歌合戦だった。
「潰せるものなら潰してみな」とばかり、NHKが総力を結集してつくりあげた史上最高の紅白歌合戦を拘置所で観れるわけもないが、立花被告は何を思って極寒の拘置所で年を越したのだろうか。
そもそも立花孝志とは何者か?
立花孝志被告は元NHKの職員。2005年4月、週刊文春でNHKの不正経理を内部告発したが、7月には自身の不正経理で懲戒処分を受けてNHKを依願退職している。 その後自称フリージャーナリストとして活動を始めるが、NHK退職後8年間はパチプロで生計を立てていた。
2012年9月7日、立花孝志ひとり放送局株式会社を設立し同名のホームページを開設。その後、NHKをダシにして政治活動に。この辺りからはみなさんご存知の通りである。
しかしこの立花孝志被告、金の問題も見逃せない。
党として10億円以上の負債を抱えて破産手続き中の『みんなでつくる党』(旧NHK党)は、立花被告へ約3億5000万円を貸し付けているが、この3億5000万円のうち使途が不明なものがあって、代表を務める大津綾香氏は同被告の私的流用を疑い、立花被告を業務上横領罪の疑いで警視庁に刑事告訴し、受理されて警察が現在捜査中だ。
このうち2億円は、参院選でのガーシー擁立費用であることが明らかになっている。ガーシーを2億円で買って臨んだ22年の参院選はまだ記憶に新しいが、ガーシーは28万7714票を獲得し、比例区で定数50人中10位で当選。これでNHK党の得票率は政党要件を満たす2%を超え、政党助成金が年3億円超出ることになった。要は2億円投資して年3億円が入ってきたのだ。
この「成功体験」に味をしめた立花被告は『選挙は儲かるビジネス』と語るようになった。
こんな輩を支援したり一票投じたりした人間の自業自得
立花被告は同時に、このタイミングで債務の私的整理を始めたと言われている。これは業務上横領などの捜査を睨んでの動きと思われるが、そんな立花被告の金の問題に関しての最新の状況は、一体どうなっているのだろう。
立花被告の弁護士は2025年12月10日、SNSで「立花孝志・私的整理に関する債権者説明会」という投稿をしている。
この投稿において弁護士は、「立花被告には約5億円以上、党には2億円以上という多額の負債があるが、<債権者の皆様へ満額お支払いする能力に欠ける状態>だとして、<私的整理として和解のご提案をさせていただきたく存じます><なお、私的整理が不成功に終わった場合、立花孝志及び党は自己破産手続きに至り今回の債権者はそのまま破産債権者として東京地方裁判所へ報告することとなります> と、債権者に和解を訴える内容だった。個人と党合わせて7億円の債務に対し、立花被告の現在の保有資産が1000万円前後、同党が2000万円前後であることも判明している。これまでの彼のとんでもない行動の数々からは、それが本当であるかどうかは全くわからないが。
しかし、多額の負債を「お支払いする能力に欠ける状態」と言われて、たまったものではないのは、立花被告を信じた出資者だろう。
立花被告はかねてから動画で支援を訴え、’19年11月には不特定多数の支持者から「1口100万円・年利5%」で約5億円を借り、’21年にも同条件で約8億円を借り入れた。
支持者の中にはあげたつもりで出資した人もいるだろうが、そうではない人のほうが多いわけで。立花被告は自己破産をチラつかせ、NHK党は火の車。このまま回収不能となれば、多くの被害者を生むことになる。
立花被告の刑事罰はどうなる?
業務上横領罪は10年以下の拘禁刑だ。億を超える金額になると大きな話になるので、起訴され有罪になれば実刑になる可能性は高い。立花被告については前から使途不明金については言われていて、それがどこまで解明できるかが、彼の金に関する捜査のポイントとなる。
現在、立花被告とNHK党は裁判所が関与しない『私的整理』で金銭問題を片付けようとしているようだ。しかし、そうはさせじと債権者が反対して『破産手続き』となれば、法的手続きの下でカネの流れが明らかになる可能性がある。債権者が泣き寝入りをすることなく、ぜひ法的手続きの下でカネの流れを明らかにしてほしい。少なくとも国庫から年間3億円がNHK党には出ているのだから。
立花容疑者は、離党したNHK党の地方議員らへの脅迫罪やNHKに対する威力業務妨害罪で、東京地裁で懲役2年6カ月執行猶予4年の判決を受け、この判決は23年に確定している。
今回の起訴内容で実刑となった場合、原則としてすでに確定しているこの2年6カ月の懲役刑と、新たに言い渡される刑を合わせて受刑することになる。
新たに言い渡されるかもしれない刑についての起訴内容は、2024年12月13~14日、自らが立候補した大阪府泉大津市長選の街頭演説で「何も言わずに去っていった竹内議員は、めっちゃやばいね。警察の取り調べを受けているのはたぶん間違いない」などと発言し、竹内氏の名誉を毀損したというもの。
さらに竹内氏が亡くなった2025年1月19~20日には「昨年9月ごろから兵庫県警からの継続的な任意の取り調べを受けていました」「どうも明日逮捕される予定だったそうです」などと虚偽の情報を自身のSNSに投稿するなどして、竹内氏の名誉を毀損したという内容なども含まれていて、逮捕されている。

極寒の神戸拘置所で越年する立花被告の末路
刑事被告人や死刑囚が収容される拘置所の中で、イブの日に立花被告が移送された神戸拘置所は全国8カ所ある本所のうちの1つである。
拘置所は、神戸市の山間部、かなり標高が高い場所にある。周囲には閑静な住宅街が広がっていて、神戸港を一望する絶景が眺められる場所もあって素晴らしい環境のように思えるが、冬はとにかく寒いというのが現実だ。2006年には収容中の男性被告(当時29)が凍死している。
亡くなった男性は、日記に「寒さで体が動かない」などと書き残し、死亡前日には医師から「指の一部が凍傷化」と診断されていた。
『ここは神戸冷蔵庫や』という刑務官もいるというが、いくらなんでも拘留者が死んでしまうというのはシャレにならない。
立花被告は、斎藤元彦兵庫県知事を追及し、今年1月に亡くなった竹内英明元県議に対する名誉毀損罪で2025年11月28日に起訴された。立花被告側は起訴当日に保釈請求したが通らず、準抗告したものの12月8日に地裁が棄却した。地裁は理由を明らかにしていないが、証拠隠滅の恐れや、同被告が保釈後に捜査を妨害する可能性などを加味したものと思われる。
初公判は早ければ来年2月ごろ、遅ければ3月に開かれそうだが、それまでは保釈請求は通らない。保釈されるとしたら、裁判所に証拠や必要書類を提出した初公判のあとになる。
ということで、立花被告は極寒の神戸拘置所で越年することになったのだった。
ただ目立つことで支持者からおカネを借り、それが尽きたらまた騒ぎを起こしておカネを借り。その繰り返しで金を回せば良いと安易に考えていたのか、立花被告の金銭感覚は異常で、あればあるだけ使ってしまい、税金滞納などどこ吹く風だという。
公判及び釈放後も、税金すら滞納するどの口が、国民の受信料で成り立つNHKを批判するのか。
我々の税金からも3億円を得て使途不明を繰り返した挙句すっからかんになったあきれた彼が、最後にどんな醜態を見せ、そしてどんな末路を辿るのか、注目したい。