たとえば京都発、ベイルート着。〜学生たちそれぞれの片道切符〜 第九話「役割分担」

『パレスチナ解放闘争史』出版の重信房子さんに聞く 民衆史としてのパレスチナ「私党」重信房子と日本赤軍  謎多き「魔女」の素顔に迫る。 彼女は「司令官」  指定された部屋をノックすると、開かれた扉の向こうに彼女が立っていた。だぶっとした黒いタートルネックのセーターにツイードのコート。髪はゆるくパーマをかけていたような記憶がある。レバノンのベカー高原にあったアパートの一室。あのころ、レバノンはまだ内戦 […]

たとえば京都発、ベイルート着。〜学生たちそれぞれの片道切符〜 第七話「重信と奥平」

奥平剛士と重信房子は、かつての日本赤軍の活動において、海外渡航のための戸籍を得るために偽装結婚し、中東を拠点に共に行動した同志です。 [1, 2] 出国と中東での活動 事件とその後 重信しげのぶ房ふさ子こがはじめて奥おく平だいら剛つよ士しに会ったのは、一九七〇年の夏の盛りであった。ある重要な任務を負って彼女は東京を離れ、大阪にいることもあれば京都にいることもあった。逮捕状が出ているわけではなかった […]

たとえば京都発、ベイルート着。〜学生たちそれぞれの片道切符〜 第三話「60年安保」

60年安保の英雄、唐牛健太郎 60年安保は、俺が生まれる7年も前、犬にしてみれば下手すれば一生分も前のことだ。 主人、奥平剛士にとっても中学生の頃に起こったことで、この60年安保闘争は、戦争の記憶がまだ生々しかった時代、学生をはじめとする若者に大人も加わって、国会を取り囲むまでに至った国民運動である。 この安保闘争に参加したのは、日本社会党、日本共産党などの左翼政党、日本労働組合総評議会(総評)な […]

たとえば京都発、ベイルート着。〜学生たちそれぞれの片道切符〜 第二話「差別の都」

部落差別発祥の地、京都 俺が生まれたのは京都。 この街は、そもそもこの国に、東九条のような「特殊部落」というものが現れ、それによる差別が始まった、かつての「都」らしい。 そして、それが始まったのは、摂関家全盛の時代、つまり11世紀前半に全盛期を迎えた藤原家が仕切っていた頃の京都であとのこと。 京都というところは、部落差別の源泉、醜悪極まりない部落差別の原型が生まれた忌まわしい場所だ。そう、京都とは […]

人相学にのめり込んで

実に酷い顔である。 私の人生で出会った人間の中で、つまり私が実在人物として知る限り、もっとも不誠実で、もっとも狡猾で、もっとも非人道的な行為を繰り返した人間の顔が、これである。当時まだ30歳代半ばの彼を、記憶に頼って描いたものだが、四十を過ぎないとなかなか顔に人格は出てこない中で、早くも最悪の人格が顔に出まくっている、非常に珍しい事例となった。 人の笑顔を描くのが仕事、笑顔絵師である私は、このよう […]

泣きっ面にハチ、あまりの理不尽に涙。

車中泊で全国各地を旅していると、あたり前だが、各地で人との出会いがあり、縁をいただき、お付き合いが始まって、私としては再訪する大きな動機となる。 昨年も訪れた熊本県の各地でも、能登の各地でも、そういうご縁があるわけだが、今回の熊本地震から1週間、今日などはなんと40度越えで日本で最も暑くなってしまった。私一人の身なら、飛んでいってなんでも手伝うのだが、老老介護の身、このところ両親からあまり離れられ […]

第17話「SJ(就職情報誌部門)制作、編集の人財がステージ上で再会する、奇跡の音楽祭!」

SJ(就職情報誌部門)関西版(週刊就職情報〜Bing、とらばーゆ等)の編集長を、実に15年間にわたって担ってきた伝説の人物・岡本武史が、20世紀末を機にリクルートを辞めるにあたって自らの後任として重責のバトンを渡した人物は、黒田真行だった。 黒田はその後やはり15年間にわたって、「リクナビNEXT」編集長、「リクルートエージェント」HRプラットフォーム事業部部長、「リクルートメディカルキャリア」取 […]

第16話「R75岡本武史は、私の入社時、カルチャーショックの緩衝材となってくれた人。ついに再会、そして…」

私の大学、京都市立芸術大学美術学部デザイン学科からリクルートに入った人間は過去3人。私以外の2人は、あまりのカルチャーショックに、ともに1年でリクルートを去った。では、なぜ私が良くも悪くも10年近くもリクルート居座ったのか?それは私が上司に恵まれたことがもっとも大きいが、入社時の強烈なカルチャーショックを身近で和らげてくれた岡本武史の存在も非常に大きかったと振り返る。 岡本武史は、音楽で身を立てよ […]

第15話「『拝金主義』は『武士道』の対極。R82鈴木正英と共に歩む『真言の道』とも相容れない『かもめのDNA』」

「笑顔絵と音楽展」の4日目最終日、妙見山を越えて歩いてきてくれた猛者が一人。R82同期の鈴木正英である。彼と私は、ともに真言宗徒である。最近は、同期であること以上に、同じ価値観、特に死生観を共有する彼との無言のわかり合いが心地よい。 「死は終わりではなく、目覚めである」 私たち二人は、空海が語った、“生死一如”の世界観に生きているのだ。 私が祖父から受け継いだ姓は「越生」である。 「生死を越えよ。 […]

ノンフィクション「かもめのDNA」第14話「なぜ黒田真行はすごいのか?私が彼をこよなく愛するのはなぜなのか?」

私は、R89黒田真行が好きである。 というか、猛烈に愛している。もちろん、68年間書いたこともなかったラブレターを書いてピンポンダッシュしたほどR80平尾勇司に大恋愛した私だが、黒田への愛の深さもまた平尾に対する恋心と、甲乙つけ難いものがある。上司、兄貴としての平尾と、後輩、弟分としての黒田と、その違いはあるが。そして、平尾には同じ営業所内で大いに薫陶を受けたが、黒田とは机を並べたこともないのに、 […]

ノンフィクション「かもめのDNA」第13話「長生きは人生の目的ではないが、だからといって早く死ぬこともないだろう!」

2026年になり1月19日にR85池辺正博が64歳という若さで死んだ。 池辺が死んだことで、彼を慕ってやまないR86西野愛に電話をし、池辺を見送ることができなかった関西の友人たちで「献杯の会」をしようと企画したのが今回の「笑顔絵と音楽展」だった。 今年に入って、池辺のことだけでなく、R80平尾勇司の闘病に嫌な予感がしたものだから、たまたま池辺逝去の翌日に平尾と会う約束をしていたので、池辺のお別れの […]

ノンフィクション「かもめのDNA」第12話 「平尾勇司の知られざる一面。凄まじい家族愛が織り成した奇跡と最後の12日間」

「そんなことまで書いてくれとは言ってないぞ!」 平尾さん。天からのお叱りに、お言葉を返します。 「第11話は、あなたが神に休することを許された翌日、4月9日に書きました。だから11日の通夜式、12日の葬儀、告別式については書けておりませんでしたので、それについてはお約束通り書こうと思いきや、それはあなたの愛弟子・中尾隆一郎くんがしっかり書いてくれました。なので、私は独断で、ここにあなたが愛してやま […]

ノンフィクション「かもめのDNA」第11話 「平尾勇司の、あまりにも平尾勇司らしすぎる生き様と死に様」

2026年4月8日、18時25分。 平尾勇司、永眠。 彼は自ら決めた通り、10年間戦い続けた腎臓の病との決着をつけるべく、あるいはもうこれ以上透析に支配されることを許さず、4月3日に最後の人工透析を行った。 10年間も続けた週に3回、1回4時間という過酷極まる「人工透析生活」と、ついに決別したのだ。それは、つまりは「現代医療を手放し」「神に命を預ける」という大きな転機であった。そして、彼はその方針 […]

ノンフィクション「かもめのDNA」第10話「R80平尾勇司のDNAが、一体どれだけ多くの弟子たちに受け継がれたのか問題について」

1990年台後半の日本は、金融機関の破綻が続く一方で、ネット企業が登場しはじめ、リクルートでも紙からネットへ、ペーパーレスの情報提供への移行がテーマになっていた。 雇用面では非正規雇用者数が徐々に拡大。 従来と異なるキャリア観を持つ人々も増加しつつあった。 一方、労働人口の減少も目前に迫り、主婦等の労働力も求められるようになっていた。 非正規雇用者ニーズへの対応としては、リクルートグループとしては […]

ノンフィクション「かもめのDNA」第9話「HRの鬼と、ホットペッパーの神とは同一人物。その平尾勇司がリクルートを変えた。」

私は、死ぬまでに一度でいい、関一郎さんと再会したい。 お聞かせいだだきたいことが三つある。 一つは、「かもめのDNA」に深く関わり続けてきたご自身の人生だ。 自らリクルートの急成長の主役であり、理不尽にも背負った巨額の負の遺産を見事にすべて片付けて、そして恩師・江副の判決確定までをも見届けた人物として、リクルートを語っていただきたい。 二つ目は、リクルート最大の危機に際して新しい人事コンセプトによ […]

ノンフィクション「かもめのDNA」第8話「選択定年制で水を得た魚のごとく大海に泳ぎ出た中澤さかなの人生は、元リク人生設計のお手本かもしれない」

第8話も、第7話の主人公・リクルートに10年いた絹谷公伸に続いて、リクルートに20年いて外に出て通用する強烈な力を身につけたあと、その後同じ20年をさらに素晴らしい人生として生き、リタイアしてから最もやりたかったことを手に入れた、すばらしき元リクの物語だ。 R80、つまり1980年リクルート入社の中澤さかな(本名:等)は、私の新人時代は東京でいい仕事を連発する憧れの存在だった。 私の倍の20年間リ […]

ノンフィクション「かもめのDNA」第7話「バブルート崩壊。債務減らし人減らしと、次のステージに飛び出した絹谷公伸の、win-win」

1991年の秋に私がリクルートを辞める時には同じフロアで働いていたR83村井満が、急遽全社の人事部門に異動になったのは、1992年のことだった。 求人分野の広告は不掲載という会社も増え、リクルートに教育トレーナーなんてやってもらいたくないという不買運動に近いようなことも起こって、リクルート事件が長期化の様相を呈してきたことはじわじわとビジネスに影響し始めていたが、何よりバブル崩壊による経済の冷え込 […]

ノンフィクション「かもめのDNA」第6話「リクルートに2兆円近い負債を押し付け、創業来の盟友を自己破産させて逃げたもう一人の江副浩正」

第5話では、私の心の中の何かを半分切った男が、大阪の私のデスクの5m先にいたことを話した。が、東京⇄大阪のピストン兼務が始まってすぐ、かすかに繋がっていた心の中の何かを完全に断ち切った男がもう一人、東京の私のデスクの5m先にいた。 それが当時の企画室長・藤田洋である。多少仕事はできたが、リクルートの女性を手当たり次第に犯した、セクハラ男というか犯罪人である。もういろんなところで書いてきたので、この […]

ノンフィクション「かもめのDNA」第5話「事件無関係の膨張の果てに手にしたカネという果実、実らなかったヒトという果実」

リクルートという会社にも、きっと「真夏」の季節はあったろう。 で、それはいつだったか?2014年に10月16日に上場し、以降時価総額で日本のトップレベルに位置するようになったことをもって「真夏」とする向きがあるかもしれない。 しかし、それは全然しっくりこない。真夏の光と影、光が強ければ強いほど、影は暗く濃いからだ。 上場が真夏の光だとすれば、当時およびその後のリクルートにはそんなに濃い影は見えない […]

ノンフィクション「かもめのDNA」第4話「クリエイティブ人材を狩る→味見→捨てる=残虐のDNAの端緒」

この第4話には何が書かれているかを最初に一言で言うと、それは「リクルートのクリエイティブ残酷物語、その序章である」ということになる。 残酷物語が始まったのは、リクルート創業から10年、1970年のことであり、その終焉は1997年。私の一番弟子でありリクルート制作のエースに成長した絹谷公伸の電通への「放出」によって、足掛け27年に及んだ残酷物語のすべては、「リクルートクリエイティブの完全消滅」という […]