
今回の参院選、私は期日前投票を済ませて旅に出て、参院選投票日前日にリクルート同期の奥村耕三(以下耕三)と広島で会った。
持つべきは同期である。
耕三も京都と広島と、もうどっちが長いか。
彼の人生の中で最高ランクの店に次々に連れて行ってくれた。
そもそも「同期」の何がいいって、同じタイミングに社会に出て、入社動機から退職動機、その後の人生まで、話題が尽きないことだ。
待ち合わせは広島三越のライオン像。

なんとも月並みな待ち合わせ場所だが理由があって、耕三の長女さんとその旦那(ポーランドのITエンジニア)、家族ぐるみの付き合いをしているポーランドの友人たち総勢7名と「流川通」で待ち合わせして、私に紹介してくれるためだった。

耕三の長女さん、そしてポーランドの人たちとボディランゲージで和やかに懇談した後、耕三が最初に私を案内してくれたのは広島焼き「越田」だった。

ここから6軒梯子し、こうして備忘録を残すべき「濃い話」を延々と(笑)。
耕三のおかげで、この夜はポーランドの人たち、フィリピンの人たちにも会い、参院選当日には水源、電源をともに「不法」に抑えられている岩国の中国資本の現場も訪ねるなど、参政党神谷がまんまと選挙の争点にした「外国人」に深く関わる旅となった。
以下、「備忘録」なのでワイルドな言葉遣いはそのままに、生々しく残すことをご容赦願いたい。会話の「太字」が耕三、「細字」が私の言葉である。
1軒目、広島焼き「越田」で参院選予想

もちろん互いの近況報告で「現在地」を確認しあった後だが、明日が選挙ということで話はそこから始まった。
「明日、選挙やな。今回、参政党がやけに目立っとるなあ」
「ああ、神谷の思う壺で、アホな国民も多いから、相当議席増やすやろな。本来はありえへんけどな。俺は(兵庫選挙区で)期日前投票で、泉房穂さんと、比例区は国民民主に入れてきたわ」
「え?国民民主?ほらあの松田裕子(耕三の後輩)の旦那の佐々木喜一、国民民主の比例で出てたやん?まさか彼を支持?」
「まさか、誰があんな最低男を。どうせ落ちるやん。だから国民民主のマシな候補者名を書いてきたよ」
「ところで、神谷のことやけど、物価高対策一辺倒だった争点に、神谷が外国人受け入れの見直しを強く主張して、あれよあれよと言う間に、参政党が比例投票先の3位まで上がったやん?彼は何者?俺、よう知らんけど」
「小頭のいい右翼やね。トランプ気分で日本人ファーストって、浅はかな若者層だけやなくて、俺らの世代以上、もはや戦場に駆り出されることがなくなった高齢者層の右翼層、よく酒場で見かけやろ?酔っ払って無責任に中国、韓国、北朝鮮などやっちまえ!と叫んでる最低の高齢者層、そいつらの比例票を取り込むよ。自民があかんからその保守層も取り込んで、かなり党勢拡大するやろな」
「確かに、なんか、神谷の参政党対他党みたいな論戦になってるな。比例で相当伸びそうやから、各党は参政の勢いを意識せざるをなくなってしまって、外国人政策に言及せざるを得なくなった」
「喧嘩の仕方が上手いけど、外国人問題って何よ?お前のお嬢さんの旦那、ポーランド人のITエンジニアやけど、長女さんと向こうで暮らし、今回こっちにきてるやろ?そんなもん、仲良くやっていけばええやん?どの国も、他民族が協調して生きていく時代に、何が日本人ファーストや、馬鹿馬鹿しい。ちなみに、選択的夫婦別姓にすら反対してるのはこの神谷と、アホの百田だけや」

「そら、うちの家族の場合はもちろんちゃんとやってるわけやけど、でもお前、こないだ北海道で、中国人の不法開発に抗議して北海道庁に殴り込んだんやろ?」
「その一点だけや、神谷と俺の一致点は。北海道はじめ日本の大切な水源が中国人資本に買い漁られてる。2010年からの15年間で、外国人が取得した北海道の森林面積は5倍に拡大中や。航空自衛隊千歳基地近くの土地が中国資本によって取得されて、安全保障上の懸念が議論されたこと、覚えてないか?しかも奴らはやり方が汚い。金にものを言わすだけならまだしも、不法な入手が多い。それは、断固阻止せんとあかんのや」


「そういえば、山口県の岩国、あそこの山でも中国人資本の電源開発が進められてるわ。(ケータイを検索して)ほら、これこれ。なんでも、日本人がゴルフ場開発を始めた土地を、転売転売してるうちに中国人の手にわたったらしいわ」
「そう、そういう汚いやり方があいつらのやり方やねん。まさか、中国資本の電源開発目的に、許可降りるわけないやん。日本人の売国奴を探して、破綻した開発や金欲しさになんでもする日本人から買うわけよ。そして、開発目的をすり替えて、こういうことになる。断固阻止や、明日、ここに行ってくるわ!」


「ほんまに行くんか?殴り込むなよ!」
岩国で中国資本が開発している現場に行った
翌日、参院選当日だがすでに期日前投票を済ましている私は、激怒して岩国の「中国資本による自然破壊と電源開発および水源占有」の現場に向かった。
(耕三との話はまだまだ続いたが、それは後回しだ)
ぶったまげた。とんでもない規模の開発だった。
現地は、岩国市と言っても、羅漢山広島県立自然公園に近い、大自然の中。
この広大な土地の取引が始まったのは、日本の会社がゴルフ場の開発名目で取得したことが端緒と言われているが、あまりにも僻地。道があまりに悪くて、こんなところに誰がゴルフをしに来るかという、全くゴルフ場になる現実味ゼロの場所だ。
ゴルフ場開発は名目、隠れ蓑で、土地取得だけが目的だったろう。
そしていつの間にやら日本企業が買収され、事業者は上海電力の日本法人に。
事業は転売が繰り返されている間に、地元の人が実態をまるで把握できない「ステルス(隠密)」化していった。
大規模開発には森林法の規定で県知事の開発許可が必要。日本企業の許可申請は令和元年8月に許可され、11月に建設を着工したのち、まんまと上海電力に買収されている。
山口県森林整備課は「会社が代わるたびに審査している。計画に問題はなく、外資だからといって見直す考えはない」と取り合わない。
おかしい。臭う。なんで見直さない?調べ直さない?おかしいじゃないか?
事業者が変わっているのだ。
主体が変わって、その「計画に問題がない」となぜ言えるのか?
仮定の話。万一整備課職員や山口県当局責任者が「買収」されていたらそれこそ売国奴、万死である。疑われたくないなら、調べ直せばいいだけの話なのだ。
また、ご存知、岩国市沿岸部には米海兵隊岩国航空基地がある。発電施設は基地と訓練空域を往復する途上の真下だ。地域の環境問題だけでなく、安全保障の問題でもあるだろう。
現地の地名としては「秋掛」地区から「片山」地区に及ぶ山一帯だ。
しかし、広大な土地の周囲が、立ち入り禁止の柵と崖で完全に囲われていて、なんとか辿り着きはしたがどうにも入れない。




この崖の向こうにあるのだが、67歳の体、よじ登ろうとしても途中で力尽きて転落死するのも馬鹿馬鹿しい。
すごい数の監視カメラが並ぶ鉄柵を乗り越えて入れば、即不法侵入で逮捕ということになるだろう。
なんとかならないかと山の周りをぐるぐる回って、その規模がいかにすごいかの片鱗がなんとか伺えるのは、隣の山から撮影した下の写真。





水は、当たり前だが高いところから低いところに流れる。「電源開発」を名目に山を押さえられて仕舞えば、水源は押さえられるも同然だ。

このあたりからは、北西方面へは島根県の益田や匹見で有名な清流へ、南東方面は岩国市、大竹市、廿日市市を潤す水が流れ落ちていくのだ。
また、これほど広大な土地が、鉄柵で覆われ、中国資本による自由になっていることに恐怖を覚える。
同じ上海電力の大阪市の人工島・咲洲の大規模太陽光発電所(メガソーラー)事業を巡っては、中国の上海電力に「特別の便宜を与えていた」とする月刊誌の記事で名誉を毀損されたとして、元大阪市長の橋下徹氏が発行元の「飛鳥新社」(東京)に損害賠償などを求めた訴訟の判決が昨年秋に出て、橋下さんが勝訴したことを記憶されておられる方も多いだろう。
これは2022年5月発行の月刊誌で、12年に大阪市が実施したメガソーラー事業の一般競争入札について「事業はそもそも『上海電力の参入ありき』で進められていたと断定するほかない」などとする記事が掲載されたことに対して、橋下さんが名誉毀損で発行元を訴えたものだ。
何が言いたいかというと、日本の各地のメガソーラー事業の大半が「中国資本」だということ、それでいいのか、上海電力を100%信用していいのかということだ。
私は「オウム真理教」の上九一色村がまだ存在するとき、近づいてみたことがあるが、あの時オウムはそこでサリンを製造していたのだ。
入れば不法侵入で、もはやそこで自由になんでもできる中国資本が、そこで化学兵器をつくらないという保証、売国奴として中国に売り渡した日本人、管理自治体当局の、いったい誰ができるのだろう。
時を戻そう。耕三との話の続きだ。
「で、お前はその一点だけが問題やというわけやね」
「だから、その一点、つまり外国資本による水源取得や電源開発、違法なリゾート開発に絞って問題にしているのが国民民主で、他党は全然あかんねん、腰抜けばかりや。もちろん神谷はこの件にも強硬姿勢だが、言われのない外国人問題とひっくるめてるから到底賛同できない」
「たしかにこれまで、「外国人問題」は、国際社会にあって非常に難しくデリケートなタッチが必要で、これまでアンタッチャブルやったしな。そうか、お前が言うように計算高く、意図的に、神谷が潜在右翼層を巧みに取り込もうと外国人のこと」を問題提起した参政党が想像以上に表舞台に出てきて、各党は、予想だにしていなかった展開に持って行かれたというわけやね」
「石破さんまでもが応援演説で、外国の人には日本のルールをきちっと守ってもらう。これを徹底していく、なんて言って、国内法の適用厳格化などを進める考えを強調せざるを得なくなった。でも、是々非々が不明確やねん。与党の片割れの公明党のまったく頼りない、名前も忘れたわ、そいつも同調して、外国人による迷惑行為の取り締まり厳格化を言う一方で、日本で働く外国人と支え合うべきだと意味不明な演説を繰り返して。アホかっちゅうねん。そら、与党は大敗するよ、間違いなくな」
「そしたら、今回は結局、どこが躍進する?」
「残念ながら参政党は議席伸ばすな、これは確実や。それから俺が投票した国民民主やろな。本来、立憲にはもっと頑張って欲しいけどな。自民、公明の与党大敗は、他の争点からも予想されたが、神谷が仕掛けた「外国人問題」でも、立憲も本来取れる相当の票を失うと思う」
「参政の立場を正面から批判してるのは、立憲民主党と共産党だよね。確か立民の野田さんは、日本人ファーストをスローガンに台頭する政党の排外主義はダメだと言ってる。果たして外国人の犯罪が増えているのか、ファクトを踏まえた冷静な対応が必要って、まともやん?」
「でも、じゃあ何をどうする?ってのが弱いわけよ。問題は不法な水源買い占めや開発の一点だけ!それはこうします!って明確じゃないわけよ。それを明確に言ったのが国民民主だけやった。外国人土地取得規制法を制定する。社会保険の加入実態を調査し、運用を適正化するってね」
「なるほど、それでお前、国民民主に入れたわけや」
「残念ながら消去法や。比例で佐々木喜一なんて馬鹿者を公認するとか、不倫とか、玉置浩二の歌はええけど玉木代表はあんまし好みじゃない。けど、他よりマシやねん」
「(外を見て)おっと、行列が長くなっとる。次の店、行こ!」
2軒目、焼き鳥屋にて。せっかく話題を変えたが京都の話に


耕三と私は、リクルートの同期入社。
もう43年も前のことをとやかく言っても仕方がないが、そう言う話にもなる。
「ところで、お前、大阪外大やったよな。何語学科やったっけ?」
「インドネシア語や」
「おお、アジアの大国。で、なんでまたリクルートに入ったん?他に内定もらった会社なかったんか?」
「あったよ。伊藤忠商事に内定してた」
「へえ、伊藤忠なら、インドネシアでの石油開発なり何なりとでっかい開発部隊あったのになあ。なんでまた、リクルートに?」
「騙しの島田さん、富永さんに、インドネシアの活躍舞台は君がつくったらええ。自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ、という会社だから、なんでもできるよ!と言われてフラフラと」
「もったいないことしたなあ、お前は伊藤忠の方が絶対よかったな。人生、棒に振った(笑)」
「偉そうに、そんならお前はどうやったんや?他にどんな道があったんや?」
「俺は、ミズノに行くか、高校の美術教師になるか、それともリクルートに行くかで最後まで迷ったな」
「で、なんでリクルートやったんや?」
「前も話したやろ?受付に岡本さっちゃんというええ子がおったんや。芸大で絵の具まみれの女の子しか知らんかったところに、さっちゃんの笑顔に一目惚れしてもうた。柴田にとられたけどな」
「なんとも、不純な動機やな」
「給与も良かったし、一応、学生時代、広告が専門やったしな。あ、そういうお前、リクルートに入ってきた可愛い後輩・がみちゃんに手をつけて、嫁にしたくせに!お亡くなりになって、寂しいやろ?」
「そうやな、なんか、まだ(彼女の死を)受け入れられてないかもしれん。なくなったと言えば、俺の最初の上司・林清三さんが去年お亡くなりになったよ」
「お前、ボロクソ言うてたよな、清三さんのこと」
「それはそれ、お線香あげさせてくださいと言って、こないだ彼の家を訪ねたよ。まあ、正直言うと、お前と佐藤の上司が田中勝さんで、羨ましかったけどな。お前、こないだ田中勝さんの箱根の別荘でまびなと一緒に楽しそうに。羨ましいよ。そう言えば、佐藤はどうしてるんや」
「会社潰して、いろんな人にババかけて、自己破産して。もちろん、人生やり直して結婚もしてお子さん、お嬢さんやけどももう大学生や。高嶋さんが佐藤には優しくて、よく構ってやってるみたい」
「高嶋さんな、どうしてる?」
「自分の会社を続けてて、ライフワークで自分の劇団持って毎年やってたけど、今年が最後らしい。しかし高嶋さん率いる神戸と、林光晴さん率いる京都が、全国1位争いしたこと、覚えてるか?」
「もちろん。結局京都が2位で、神戸が1位になった、あの時な」
「高嶋さん、毎日のように光晴さんに電話して、偵察して、で、勝ちたいがために計上締切の何日か前から、計上せずに溜め込んでいたのを、最終締切直前にドッと固めて計上したんや。それまで、接戦、どっちが勝つかな?なんて光晴さんを欺いて。まんまとやられた光晴さんは悔し涙や。そういうセコイところがあって俺は高嶋さんのことは実は新人の頃からずっと好きやないねん。それからも、何かにつけてセコイし。平尾さんもつくづくセコい男や言うとったわ」
「まあ、光晴さんもセコイ男で、どっちもどっちと違う?データ回線事業で大成功した宮下に取り入って、彼の金をうまく使うような男やし」
「確かに、どっちもどっちやな」

二人に縁のない大金で京都がチャイナタウンに?
「しかし、お前、京都が長かったけど、京都はすっっかり変わったで」
「なんか、インバウンドがすごいよな。コロナを挟んで、外資系のホテル開発がすごいと聞いたけど」
「すごいなんてもんやないねん。コロナ前、俺、もちろん日本資本のゲストハウスのコンサルに入っててな、その会社傾いたもんやから、立て直して欲しいと」
「で、コロナで吹っ飛んだ!」
「そう、コロナでいったん、京都のインバウンドも縮小したけど、その間に、中国人含めて、京都の要所が買い占められたんや。そういう動きがわかってたから、京都にいて少しでも阻止したかったけど、心筋梗塞で倒れたしな」
「で、実際はどういう感じなんや?」
「俺が宿泊業のコンサルをしていたコロナ前から、高級車を乗り回して京都市街を物色する在日華僑はいたよ。京都で不動産コンサルティングをやっている男で、宿泊施設の運営もやってたから競合もしてた。しかし彼の仕事のメインは海外投資家向けの不動産売買仲介。京都の土地や建物の買収をしまくってたよ。標的は伝統ある神社仏閣に至近の土地ばかり」
「たとえば定年退職後に移住してくるような日本人は、交通の利便性を重視して、南は京都駅から北は丸太町の、堀川通り沿いの土地が人気やね。そこは大丈夫なわけ?」
「彼が狙ってたのは特に祇園・東山。建仁寺周辺のような、寺社保有の土地は手出しできないが、清水寺や八坂神社、高台寺周辺は意外に個人保有が多くてな、彼はそこに目をつけて買い漁ってた」
「コロナ禍で大混乱の隙に中国の大富豪が東山の一等地を手にしたってなんか聞いたことあるような気がするな」
「その噂の土地に、建築計画概要を記載した標識が立ってて、建築主が書かれているやろ?え〜っと、名前は今出てきいへんけど、そいつ何者かと言うとな、中国の巨大な不動産会社の社長の嫁はんや。で、その社長の財産は3000億円以上。フォーブスの中国富豪リストに載った、中国でも最も裕福な成金や。せやけど過去2回も、中国の全人代の代表に選出された大物。全人代やで!」
「しかし、そんな土地をなんで売り渡すんやろ?みすみす中国資本に売り渡すことになってしまったのには、どんな事情があるんや?」
「ええ質問や。京都の高齢化率で、最も高いのはどこや?そう、今どんどん買い占められてる東山区なんや。石畳の坂道や階段は、観光客にとっては風情があっても、そこで暮らす高齢者にとってはしんどい。手放したくなる気持ちはわかるわ。で、京都市が公開している『旅館業法に基づく許可施設及び施設外玄関帳場一覧』を俺は調べた。施設の所有者を示す「申請者氏名」を確認したらわかる、ホテルや旅館などの宿泊施設保有を目的に買い占めに動く中国人ばっかりやで」
「よし、次に中華料理というわけにはいきそうにないな。お前、暴れるやろ?メインの店は和食な。まだまだ行くで!」
(つづく)