おそらくもっともいい時期と天気とに恵まれた「栂池自然園」の紅葉世界は、半世紀以上の紅葉狩り体験を通じて「別格」だった!

もっとも見たくない日本シリーズなるものを見てしまった2025年10月下旬だった。

このシリーズが始まった次の日、私はもっとも美しい時期の「ザ・紅葉」ともいうべきものも見ていたのだが、その日の夜の第二戦大敗によってあまりのモチベーション低下でとてもそのことを書ける状態ではなくなった。
そして今日、ようやくリセット。
再び生きていこうと思い直し、なのでほぼ1週間遅れの記事アップになった。
私が1週間前にいたのは、北アルプス白馬連峰を望む「栂池自然園」である。

『栂池(つがいけ)~白馬乗鞍岳~白馬大池』は、標高1,900m~2,469mの、高山散歩の王道コースだが、私は無理をせず自然園周回にとどめたが、それは筆舌に尽くし難い、なんとも素晴らしいものだった。

スキーシーズン以外の栂池は初めて

白馬はもちろんスキー場としても有名で、私も冬には何度もここを訪れてきた。
しかし、しばしば訪れてきた栂池高原スキー場の真上にあるのに、『栂池自然園』に来たのは初めてである。

ここは、ゴンドラリフトとロープウェイに乗っかればなんちゃって登山さえもせずにヒョイっと着いてしまう、標高1,900mにある天空の別天地だ。

まずは、ゴンドラリフトに乗る。

ここはいち早く紅葉のピークを迎えており、人、人、人w。

ゴンドラに乗って、登り始める。
麓は、紅葉などまだまだという状況。

ところが…。

次第に、木々の色は変わっていって。

そして、ゴンドラからロープウエイに乗り継いで、さらに上へ。

色はさらに、どんどん変わっていく。

ロープウェイを下りて数分歩くと、建物が二つ見えて来る。

宿泊もできる山小屋の栂池ヒュッテと、食堂・売店・休憩所のある栂池山荘だ。

その奥が、栂池自然園の入り口となっているビジターセンターだ。

栂池自然園コース入口~水ばしょう湿原~ワタスゲ湿原~川原までは40分

いよいよ栂池自然園コースの中へ。
入口で2つに分岐しているが、私は右周りのコースを選択。

木道は有料なだけあってよく整備されていて、水ばしょう湿原あたりまでなら車いすでも見て周れるようだ。自然園は広く、途中からはやや険しい道のりになるが。

水ばしょう湿原を過ぎると2つのコースが合流し、やがてまた2つに分かれる。
ここから左のコースを行くが、少し登りになって冷たい風が吹き出す「風穴」が見られ、その後、ワタスゲ湿原に入る。ワタスゲの可憐な白い花が見られるのは7~8月中旬で、今の時期はもちろん見ることはできない。

湿原を過ぎるとまたコースが合流し、少し行くと登りになって、川を渡る。

川原に下りることもできる。

川原で、綺麗な水に手をつけると、想像以上に冷たくて驚いた。

川原~浮島湿原~展望台まではさらに50分

ここからしばらくは、林の中の狭い道を登っていく。

15分ほど歩くと左手に、湿地を眺めながらのちょうどよい休憩場所がある。

さらに歩を進めると、道が3本に分かれています。一番左のコースを取ると、「浮島」のある池を通っていくことになる。

湿原を過ぎると登りがさらにきつくなる。

ほどなく尾根にたどり着くと視界が開け、白馬の大雪渓が正面に見える。

この視界変化は感動的だ。

そこから狭い「ヤセ尾根」を歩くと、広い「展望台」がある。

展望台からの眺望は、実に素晴らしい。

展望台~展望湿原~コース入口まで1時間30分

さらに歩くと、「展望湿原」があり、そのまま道なりに行くと、周回しての帰路となる。

ところどころに、片側に森林と白馬連峰、反対側に栂池自然園の湿原全体を見下ろせる場所があって、景色に飽きることはない。

林の中の狭い一本道を下り、ワタスゲ湿原、水ばしょう湿原を通ってコース入口に戻っていく。

行きに来た道でなく逆の道、ワタスゲ湿原は左側、水ばしょう湿原では右側のコースを取って歩いた。

栂池山荘~天狗原・白馬大池登山はオプショナルコースで往復6~7時間

整備された有料の自然園では飽き足りない本格派の方は、栂池山荘とビジターセンターの間を右へ曲がると、天狗原・白馬乗鞍岳山頂・白馬大池まで登山できる。

栂池自然園は、白馬連峰への登山道入り口でもあるのだ。

「ここから登山道」の看板を目にして、なんちゃって登山家でしかない私は、もちろんそこから先には行かなかった。

さわりだけちょこっと歩く?でもどうせならもう少し?もうちょっと行くと大池だ、なんて色気を出すと良くない。日帰り往復ギリギリの目標地点は白馬乗鞍岳~大池までなので、素人の無計画な登山は、プロ野球の日本シリーズより危険である。