
群馬県多野郡上野村の山の中にあるリゾート施設「まほーばの森」。
いかにもミーハー受けを狙ったネーミングどおり、カフェをはじめ、山小屋風のコテージやオートキャンプ場、BBQ場などミーハー定番アイテムを揃え、大自然を満喫できるスポットとしてミーハーに人気の施設となっている。
一番の売りは、山並みの絶景を独り占めできますよと謳うウッディなコテージ、これぞ“森の中のキャンプ”ができますよと謳うキャンプ場、真夏・真冬でも快適にすごせますよと謳うインスタントハウスなど、大自然の中の快適な宿泊。
いずれも私には関係ないが、付近の自然公園の紅葉と鍾乳洞などを目当てにやってきた。

特に「天空の回廊」は、深い谷で隔てられた標高700mのまほーばの森と川和自然公園を225mの徒歩専用巨大吊り橋をつなげている、ということで、高所恐怖症ではあるが怖いもの見たさの訪問だ。
上野スカイブリッジで高さ90mの空中散歩

最初に、上野スカイブリッジのことを。
イルミネーションの装飾がされたトンネルを通る。トンネル内以外の点灯が開始されるのは12月1日かららしい。

トンネル内はすでに点灯されていて綺麗だった。
橋の袂まで来ると人感センサーが作動するのか協力金100円を募るアナウンスが流れる。
100円払って先に進む。

イルミネーションの装飾、紅葉目当ての客にははっきり言って邪魔。
と鬱陶しがっていたら、橋の中央に来るとそこだけはイルミネーションなし。
そこからの景色はすごかった。





数ヶ所に設置された専用の機械から、突然吹き出し始めたのはシャボン玉


無数のシャボン玉が谷間に落ちていく。私はこういう演出はあまり好まない。
聞けばシャボン玉の噴射は30分ごとにやっているらしいが、シャボン玉の成分が日々谷底に蓄積していって、自然に徐々にダメージを与え、結果大切なものを損なっていくのは、ちょっと考えればわかることではないか。
仕掛ける方も、みて喜ぶ方も、はっきり言って愚かだと思う。

大きなモミジなど、紅葉はちょうど見ごろだった。



ミーハー受けを狙う演出が鼻につく。
嫌なら来なければいいだけだがw

上野村の恵みと「まほーばの森」
上野村は関東の秘境と呼ぶのに相応しい村で、村の面積の90%以上は手つかずの鬱蒼とした森林だ。 鉄道、高速道路も通ってないので、アクセスには関越自動車道の本庄児玉ICから国道462号線、国道299号を通って西に50キロ走るしかない。
そんなところに、「上野振興公社」が運営するまほーばの森はある。
レストランでは、特産品「イノブタ」を使用した、特製のロコモコや、ホットドック、カレーなど、特色ある手作り料理が提供されており、もう少し安ければ利用したいところだった。
地産地消とか、特産品のアピールとか、地元観光との連携とか、ミーハー受けする仕掛け以外にも色々頑張ってはいたが。
今回は、巨大吊り橋「スカイブリッジ」だけでお腹いっぱい。
村内最大の観光施設である不二洞は横穴2.2km、縦穴120mもある大規模な鍾乳洞で、関東随一の規模と言われているが、有料と聞いた途端気持ちが萎えて、結局行かず。
帰り際、スタッフに、大量に放出しているシャボン玉の成分を聞いたがわからず。ひとこと苦言を呈して、まほーばの森を後にした。
いいGSが隣にある道の駅「上野」
道の駅「上野」は群馬県南西端の上野村にあって、まほーばの森、不二洞、上野スカイブリッジは道の駅から約3キロの距離にある。


駐車場は施設規模なりの広さ。
隣にJAのセルフ給油所があって、だいたい山中のGSのガソリン価格は高いものなのだが、ここはとても安くて、助かった。
トイレは、ごく普通の内容。しっかり清掃していただいて、とてもありがたい。



休憩環境としては、とてもいい。



特産品は「十石みそ」
上野村の特産品は、なんと言っても「十石みそ」である。

地形や気候の関係から米作に適さない上野村では、古くから麦を使った味噌作りが盛ん。
十石みそといえば上野村、上野村といえば十石味噌だ。
お土産にしやすいのか、物産館の売り上げNo.1に輝いているのは、「十石みそまんじゅう」だが、特産品として最も有名なのは「十石みそ漬け」だろう。
上野村産の野菜を十石みそで漬けた漬物で、塩辛さの中にも味噌独特のまろやかさがあって人気である。 種類はきゅうり、茄子、大根、山ウド、ヤーコンの5種類がある。
観光案内所で販売されている「十石みそソフトクリーム」は、定番のバニラソフトに十石みそをブレンドしたご当地ソフトクリームだ。 「バニラソフトの甘さ」と「十石みそのまろやかな塩辛さ」が足し合わさった味が気にはなったが、何せ寒いので。
気になるご当地ソフトには、「プラム味」「あおばたきなこ味」などもある。
他には蒟蒻や上野村のみで生産されている岩茸というキノコも気になった。
イノブタも特産品
十石みそに次ぐ上野村の特産品はといえば、イノブタである。
物産館ではイノブタベーコン、イノブタホルモン漬け、イノブタ餃子、イノブタフランク等が販売されている。

イノブタをすぐに食べたいなら、レストランで。
「イノブタソースカツ丼十石盛り」が一番人気だが、「イノブタ丼」「イノブタ鍋定食」「イノブタ生姜焼き定食」「イノブタメンチ定食」など色々ある。
上野村の森林資源と活用
衰退したとはいえ、上野村にとって林業は欠かせない。
上野村の山々から伐出された木材は、樹種ごとに分けられ、針葉樹のうちヒノキやカラマツは原木市場で競りに、スギは製材工場で建築用材へと加工される。
製材の際、端太材は廃棄せずにチップへ加工し、製紙工場へ販売。少々の曲りのある材や広葉樹などの建築用材にならない材は、食器・おもちゃ・家具・雑貨などの工芸品へと活用される。
曲がりや割れなどがひどく材料として使えない木材も、村営の木質ペレット工場でバイオマス燃料となり、村内のバイオマス発電所や、一般家庭でペレットストーブの燃料として利用される。
90%以上が森林の上野村では、森林を大切にし、木材を無駄なく利用するシステムが機能しているようだ。






