
高尾城の戦いとは、加賀国の守護・富樫政親が高尾城を一向一揆に攻め落とされた戦いである。
長享2(1488)年、一向宗を信仰する人たちが団結した集まりである一向一揆の人々が、重い税に怒りを爆発させた。彼らは富樫家の内乱に乗じて政親の叔父の泰高を同盟の中心にしてまつり上げ、政親に対して反乱を起こしたのだ。
一向一揆の人々は、野々市の大乗寺に陣を置いた泰高とともに高尾城を取り囲み、政親は高尾城(たこうじょう=金沢市高尾)に立て籠った。
合戦は6月5日に始まり、6日の額口(ぬかぐち)の激しい戦いで一向一揆側の勝利が決定的となり、政親は9日に自害した。これが「高尾城の戦い」であり「長享の一揆」とも呼ばれる。
この事件によって、一向一撲衆の存在は無視できないどころか、加賀国は「百姓ノ持チタル国」と評されるまでになったのである。
すべては蓮如に始まって
もちろんここに至るまでには、何といっても蓮如の存在が大きい。
一向一揆のすべては蓮如に始まった。
本願寺8代蓮如は、高尾城の戦いから17年前の文明3年(1471)、加賀と越前の境に吉崎御坊を建立。北陸への布教を強化し、真宗門徒を急速に拡大していった。





文明6年(1474)には、蓮如の本願寺派と旧来の真宗勢力・高田派の争いに富樫家の内紛が絡んで戦闘が起こったが、この戦いは蓮如が味方した富樫政親が勝利して加賀守護となった。
その後、政親はあまりに大きな勢力を持った一向一撲衆が邪魔になり弾圧するようになる。
蓮如が開いたと伝わる加賀と越中国境の砂子坂道場跡には大規模な堀が構えられており、当時の緊張状態を今に伝えている。

「長享の一揆」から「一向一揆終焉」まで
高尾城の戦いで政親が倒された加賀国支配の実権は、若松本泉寺の蓮悟(蓮如の七男)、波佐谷松岡寺の蓮綱(蓮如の三男)、山田光教寺の蓮誓(蓮如の四男)ら賀州三ヶ寺が握ったのであった。
一向一揆衆に担がれた富樫泰高が加賀国の守護職を引き継いだがそれは形式的なもので、実権は一向一揆にあり、富樫氏の勢力は衰えていった。そして元亀元年(1570)、守護富樫春貞は金沢市伝燈寺で一向宗門徒に討たれて、富樫氏は滅亡する。
そしてこの年から実に10年間、天下統一を目指す織田信長と、強力な経済力と武力を持つ本願寺勢力が衝突した、ご存知「石山合戦」が続くのである。
織田信長が天下統一を進める上で、強力な勢力を持っていた本願寺の存在は大きな障害の一つだった。信長が、本願寺の石山からの移転や課税などを要求したことが直接的な契機となって、本願寺の顕如上人は全国の門徒に挙兵を命じ、「石山合戦」は始まった。
戦いは石山本願寺を主戦場としながら、各地の一向一揆や毛利氏など他の勢力を巻き込みながら実に10年間にわたったが、信長は鉄甲船を建造して毛利氏の補給路を断つなど、水上戦も展開。
天正8年(1580) 正親町天皇の仲介により和睦が結ばれ、顕如上人が石山本願寺を退去して戦いは終結したはずだったが、加賀で陣を張っていた柴田勝家は信長の停戦命令に応じず、金沢御堂や鳥越城等をさらに攻撃した。
ここに至って、金沢御堂はついに陥落。
約100年続いた一向一撲による加賀の支配、「百姓ノ持チタル国」は終焉を迎えたのであった。
レベルがとても高い道の駅「めぐみ白山」
高尾城の戦いがあった場所から西へ5キロ。
道の駅「めぐみ白山」は、石川県やや西部の白山市にある。

道の駅登録は2017年秋、2018年4月にオープンして7年。
白山市内には既に旧鳥越村の「一向一揆の里」、旧尾口村の「瀬女」という2つの道の駅があるが、ともに山間部にあって集客力がやや乏しいのに対し、道の駅「めぐみ白山」は市街地にあって、多くの客が訪れる人気の道の駅となっている。
駐車場には、人気の道の駅だけあって、平日なのにまあまあの数の車が。
かなりの広さがあって、空いている一角もあり、仮眠も取りやすそうだ。



トイレは無茶苦茶広いし、非常に美しいし、清掃も行き届いているトイレ。
これはいい、最高だ。




休憩環境も、施設内外ともにしっかり考えられて整備されている。



道の駅の施設は、物産館、農作物直売所、レストラン。
「白山」を冠した特産品が並ぶ物産館
物産館には、石川県を代表する銘菓「白山の月」を始めとして「白山豆乳タルトケーキ」「白山頭脳パン」「白山クリーム生プリン」「白山麓アップルパイ」「白山トマトカレー」「白山麓ジビエカレー」など、とにかく「白山」を冠した商品が多い。


「サバ糠漬け」「ニシン糠漬け」「カワハギ糠漬け」「フグの子糠漬け」等、さまざまな海産物の「糠漬け」は、伝統ある白山市の特産品だ。
物産館の一角ある農作物直売所では、市内の松任地区で生産された「まっとうトマト」と「松任梨」。
減農薬・減化学肥料で栽培した安心・安全で、それこそ「まっとう」な農産物だ。


個性的なメニューが多く選択肢豊富なレストラン


レストランでも白山市ならではのメニューがたくさんある。
白山市のブランドトマト「まっとうトマト」を用いた「まっとうトマトラーメン」、地元漁港水揚げの甘えびを使った「チリソース・デリプレート」、焼豚がたっぷり入った「白山和風チャーシュー麺」、 地産の特大なめこを使った「木滑なめこそば」のほか、激辛が好きな人には、鷹の爪に似た唐辛子「剣崎なんば」を使った「剣崎なんば麻辣まぜ麺」「剣崎なんば入り麻婆豆腐デリプレート」。健康志向の方には、便秘解消やコレステロール値の低下、骨密度の向上に効果があるとされる能登沖で採れる海藻(アカモク)「能登ながらも」を使った「能登ながらも冷やしとろろそば」など、道の駅ならではのメニューがとても充実している。
