
皇族をはじめ、「日本資本主義の父」「実業界の父」「金融の父」と呼ばれてついに「マン札」に印刷された渋沢栄一、戦後の「日本の三大億万長者」のひとり『ホテルニューオータニ』の創業者・大谷米太郎ほか日本を代表する実業家たちが参拝を重ねた、富山県高岡市の『越中総鎮守一宮 射水(いみず)神社』。
渋沢栄一は、遷座50年の節目において「射水神社」と揮毫した社号額まで残していた(冒頭写真)。
この実筆は、新札発行のタイミングで公開されている。
ほかにも、錚々たる実業家、著名なアスリートたちの参拝が絶えない。
遡れば戦へと向かう名だたる武将たちも命をかける大事、出陣時に、ここで勝利を祈願した。
射水神社には、それほど運気を右肩上がりに導くご利益があるらしい。
城跡の本丸跡に社殿を構える日本で唯一の一宮
射水神社の創祀は神代とされる。
現在の地、初代加賀藩主・前田利長公ゆかりの高岡古城公園には1875年に遷座したが、江戸時代の城跡の、しかも本丸跡に社殿を構える日本で唯一の一宮として存在する。

射水神社のある高岡古城公園は、高岡城の跡地である。
敷地は約21万㎡もあり、その3分の1をお濠が占めている、珍しい水濠公園だ。
「甦る水100選」にも選ばれていて、「高岡」という地名は、前田利家の子・利長が『詩経』の一節からとって名づけた。

御祭神は高岡市と氷見市に跨がる二上山(にじょうざん)に鎮まる瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)=天津神。五穀豊穣、道拓きの神と信仰される瓊瓊杵尊は、祖母である天照大御神の御名代により、葦原中国(あしはらのなかつくに)を治めるために地上に降臨した神である。
これが日本神話の「天孫降臨」で、その際に天照大御神から託されたのが「三種の神器」と「高天原の稲穂」だった。
射水神社は、この瓊瓊杵尊の「三種の神器」と「高天原の稲穂の豊穣」という最強の両力にあやかって、商業繁栄の神、金運・開運の神と崇められているのである。
一粒が万倍に。努力を成功に導く験担ぎ
その御神徳に各時代の開拓者たちは信仰を寄せ続けてきた。
五穀豊穣、商業繁栄、家内安全、縁結び、開運厄祓、道拓き…とまさに万能な御神徳を持つ射水神社は水を司る神でもあり、お清めの神としても霊験あらたかである。
そして、開運アイテムもまたありがたい。
心願成就の「一守り」。4色あるが、白い守袋は毎月1日限定である。
すべての始まりとなる「一」は、「一念発起」「一意専心」「一攫千金」「一大転機」とビジネスパーソンにとってとても重要な数字であろう。
また、「一粒の籾を撒けば万倍にも実り、立派な稲穂になる」という意味で、吉日とされる一粒万倍日のみ拝受できる籾種入りの「金色の一守り」を求めて訪ねる人も多い。

ちなみに2025年においては、一日と一粒万倍日が重なるのは10月1日のみである。
万倍に増やしたら1年後に御礼とともに種銭ともどもお返しすることはとても大切だ。
お力をお借りした成功者は、渋沢栄一のように再拝し感謝を表すことを欠かさない。

見よ、御鳳輦の屋根に舞い降りた鳳凰からして一歩足を踏みだしていて、徹底的に「一」にこだわる神社なのである。
随所に感じる由緒と信仰心
本殿、外拝殿は、伊勢神宮の正殿「神明造」に基づいている。
外拝殿正面の扁額(へんがく)は、第12代加賀藩主の前田斉泰公の筆。
中門の扁額は有栖川宮熾仁(ありすがわのみやたるひと)親王の御真筆。
昭和天皇からの幣帛料を賜り、1975年の遷座百年祭に修築された銅板巻き神明型大鳥居。
伊勢の神宮の外宮、豊受大神宮から譲り受けて建てられた木曽檜製の神明鳥居(第一鳥居)。
とにかく、境内の随所に神社の由緒を感じさせる射水神社。
高岡随一、富山随一であろうパワースポットには平日にも次々に参拝者が訪れ、参拝者たちの信仰の篤さがひしひしと感じられる。

道の駅「カモンパーク新湊」
道の駅「カモンパーク新湊」は、射水神社から5kmほど東。
北陸自動車道の小杉ICから国道472号線を北に7km、 あるいは能越自動車道の高岡ICから国道8号線を東に12km。富山県北西部の旧新湊市(現射水市)にある。
駅名の「カモンパーク新湊」には、市町村合併前の旧市名だった新湊、そして旧新湊市の公式キャラクターだったカモンちゃんの名が残っている。
新湊市は2005年に消滅し、同時にカモンちゃんも活動休止となってなんと20年。
しつこく「新湊」と「カモンちゃん」の名が残り続けている道の駅である。
道の駅「カモンパーク新湊」はリニューアルの最中
道の駅の施設は、物産館、レストラン、フードコート、そして新湊博物館。
但し、現在(2025年夏)は大規模リニューアルの真っ只中。かなり大掛かりな工事である。

新装オープンの予定は、2025年11月。
どんな施設として生まれ変わるのか楽しみだが、それまでの営業を担っている現施設も、建物は古いが仮施設とは思えないほど充実している。



駐車場も工事中の道の駅とは思えない、そこそこの台数の車が。


敷地も広く、休憩環境としても、伸び代は大きそうだ。




仮営業施設とはいえ、かなり立派な建物である。

道の駅「白えび」への改名を提案したい
新湊市は富山湾に面しているが、富山湾の幸と言えば、「白い宝石」と呼ばれている「白えび」である。
白えびは傷みが早いため遠方まで流通させるのは困難なため、白えび関連の商品の販売はほぼ富山県内に限られているという。
ということで、物産館で目に付く商品は、やっぱり「白えび」なのである。
もちろん他の商品もたくさんあるわけだが、「白えび釜揚げ」「白えびの素干し」「白えび餃子」「白エビカレー」「白えびふりかけ」「富山白えびラーメン」等々、菓子類の土産品も白えびが中心で「素焼き白えびせんべい」「白えび紀行(薄焼き煎餅)」 「しろえび小判(小判型せんべい)」などなど、もう「白エビ」だらけでうんざり、もとい圧倒される。
名は体を表すで、道の駅「白えび」に改名したらどうか。
「新湊」も「カモンちゃん」も、なくなってからもう20年大切にしてあげたのだから、怒りはしないだろう(笑)





仮営業とは思えない立派なフードコートでも白えび


レストランは昨年12月で営業を終了したらしく、フードコートの「ファストフードコーナー」が白えびを使った料理を中心に提供している。

ファストフードコーナーには圧倒的人気商品があって、それは「白えびバーガー」。
バンズの中に白えびかき揚げ、キャベツが入っている。まず白えびかき揚げの噛んだ時の食感、サクサク感がたまらないし、添えられているキャベツ、タルタルソースとの相性もとてもいい。
ニューバージョンの「白えびバーガーわさび風味」ともどもすごい人気である。