
絶景紅葉はココで決まり!という場所は、もちろんみなさんそれぞれにおありだろう。
お前はどうなんだと言われれば、海外旅行・国内旅行のツアーやホテル予約アプリ「NEWT(ニュート)」による「2025年・穴場紅葉スポット自治体ランキング」にて、全国1,741の自治体の中から2位に選ばれた長野県駒ヶ根市をイチオシしたい。
駒ヶ根市の紅葉は、9月下旬から見頃を迎える標高2,612mの中央アルプス・宝剣岳の山頂直下に広がる「千畳敷カール」を皮切りに、写真の「駒ヶ池に映る紅葉・中央アルプス」の絶景などが楽しめる標高850mの駒ヶ根高原まで、徐々に降りてくるのだが、今回全国第二位の評価を受けた大きなポイントは、「混雑を避けて楽しむ、新しい紅葉の定番地」としてのポテンシャルである。
なんと約2カ月にわたって紅葉のグラデーションが楽しめる、「日本一長く紅葉が楽しめる場所」だから観光客が9月中旬から11月中旬まで分散されて、時期と場所とをうまく組み合わせれば、オーバーツーリズムの混乱を味わわずに済むのである。
駒ヶ根の紅葉が「穴場」で「絶景」な理由
駒ヶ根市の紅葉シーズンは、標高2,600m超の中央アルプス山頂の冠雪、つまり雪景色を背景に、麓の駒ヶ根高原へと徐々に色が移り変わっていく様を奇跡的なワンショットで見ることができる「三段紅葉」が最大の特徴だ。


駒ヶ岳ロープウェイで一気にアクセスできる千畳敷カールは、9月下旬から10月下旬の1ヶ月間にわたって、息をのむような大パノラマの紅葉絶景が広がる。
この絶景は、11月になってしまえば、もっとも標高の高い千畳敷カールとロープウェイ区間ではあっという間に冷え込みが強くなって積雪が始まり、タイミングが合えば山頂付近の雪・紅葉・緑が織りなす「三段紅葉」を同時に見られるという幸運に期待するのみとなるのだが、この時期にはそれに変わって標高850mの駒ヶ根高原に、ちゃんと主役のバトンタッチが行われるのだ。
この見事なバトンタッチこそ、駒ヶ根の紅葉が「穴場」で「絶景」である、最大の理由である。
最後の見頃、「赤沢自然休養林」も11月8日まで
西の谷から木曽駒ケ岳を見渡すと、「寝覚の床」がもうすぐ見頃に入りそうな勢いで、紅葉場所の標高がずいぶん下がってきているのがはっきりわかる。
たとえば「赤沢自然休養林」の紅葉は今が最後の見せ場となっていて、ここの営業は11月8日で終了する。

11月上旬は標高900m付近がもっとも良いということで、確かに高原へのアクセス路から見る渓流沿いは非常に美しかった。
そして駐車場から森林鉄道軌道沿いは、もう色あせから落葉へ入る、その寸前の様子である。

それにしても、秋という季節は、本当に短くなったと実感する。
今年の冬は、ここ最近では一番早く訪れそうだということで、ひょっとすると運行中の森林鉄道が雪景色になる可能性もあるというが、もしそうなると20年ぶりのことだという。

写真は「しらび平駅」だが、11月初旬現在、紅葉の見ごろはもう、ロープウェイ山麓のしらび平駅から駒ヶ根高原までの路線バス区間にまで、降りてきている。
なので11月上旬は、標高900メートル前後にある名勝・光前寺や太田切川沿いの渓谷など駒ヶ根高原の広い範囲が赤や黄色に染まり、ゆったりとした時間の流れの中で紅葉狩りを楽しめる、まさにそんな時期の到来である。
光前寺の紅葉がすごい

標高の高い山の紅葉は既に終わっていても、温暖化の影響を受けてか、平地の紅葉は11月上旬から中旬にかけてが見頃である。
特にすごかったのは、駒ケ根市にある光前寺という天台宗のお寺である。
この寺はコケがとても綺麗な庭園でも有名で、国の名勝にも指定されているが、この時期の紅葉は噂以上、実に素晴らしかった。



その後,近くを流れる太田切川に架かる「こまくさ橋」へ。
太田切川は中央アルプスを水源とする一級河川で、このはるか上流にあるのが今はもう積雪が始まって冬を迎えた「千畳敷カール」だ。
こまくさ橋は歩道専用の橋だが、ここから眺める紅葉はとても人気があるようで、沢山の観光客で賑わっていた。



茅野市の長円寺へ
少し足を伸ばして、茅野市にある長円寺へ。
ここは、石仏百体観音が祀られている真言宗のお寺だ。
350年以上もの歴史ある古刹で、もみじ寺として知られており、その一行寺楓(いちぎょうじかえで)の色づきは実に見事である。






木曽御岳山も見える道の駅「木曽福島」
道の駅「木曽福島」は、長野県南西部の旧木曽福島町(現木曽町)の国道19号線沿い、緑に囲まれた長閑な場所にある。


国道19号線は旧中山道を基とした道路で、木曽福島町内にも「福島宿」「福島関所」などの史跡が存在するが、道の駅からこれらの史跡には数キロ走れば行ける。
今回この道の駅から木曽駒ヶ岳、駒ヶ根方面へアクセスしたわけだが、国道19号線沿いでは唯一、逆方向(西)に、木曽御岳山を見渡すこともできる。


雄大な山の姿は遠くから見るぶんには美しいが、2014年の噴火で多くの犠牲者を出したことがやはり頭をよぎる。
20キロ程も離れたこの場所からだが、謹んで犠牲者のご冥福を祈る次第だ。
駐車場、トイレ、休憩環境は?
駐車場は、施設規模なりの大きさで、不足感はない。


トイレも同様。



景色はいいのだが、休憩環境としてはあと少しの工夫、充実が欲しいか。

農産物直売所と物産館の品揃えはバッチリ
農産物直売所にしても物産館にしても、品揃えは非常に充実している印象だ。
木曽地方の特産品の買い物をゆったりと楽しむことができる。









農産品は、地元の方が早い時間帯から買っていくのだろう、いいものからどんどん売れていく。
一方で観光客向けの菓子類の充実ぶりも目を見張る。モンドセレクション2014金賞受賞の「白い針葉樹」や「信州りんごのホッペ」「りんごのムーンケーキ」「栗どら」「木曽駒の母」「ニコニコ饅頭」「とうもろこしカステラ」など色々ある。
御嶽山側にある開田高原の商品「開田高原コーンスープ」「開田高原ヨーグルト」、「信州そば」「開田そば」「鴨だしつけそば」などの蕎麦類、漬物類も木曽地方独特の「すんき」や「長芋の漬物」「わさび大根の漬物」「赤カブ漬け」「野沢菜漬け」など目移りしてしまう。




レストランはオーソドックス

道の駅の特色を出したメニューとしては、サーモンを沢山使った丼物で漬物とすんきが付いてくる「信州サーモン漬丼」。丼物ではほかに牛丼、天丼、定食類では「ハンバーグ定食」「豚生姜焼き定食」、 カレー、蕎麦類、ラーメン、ケーキセットなど、オーソドックスかつ幅広いメニュー構成となっている。
