紅葉の始まりからピークまで、層雲峡にこだわって良かった。道の駅「とうま」から(トイレ○仮眠◎休憩◎景観○食事◎設備○立地◎) 

今回、新日本海フェリーに愛車を積んでもらって北海道の小樽港に上陸したのは9月13日だった。

目的は、秋の北海道を満喫することである。
なので、こまめに紅葉情報をアップデートし、いつでもどこにでも自由に駆けつけられるよう、高速道路の周遊割引利用を最大限に活用。途中9月下旬の3日間だけ仕事で北海道を離れざるを得なかったが再び戻り、かなり長期わたって滞在中である。

もっとも楽しみだったのが、層雲峡と旭岳のある大雪国立公園。
ここは例年「日本一早い紅葉」がとりあげられている北海道を代表する紅葉の名所である。
まず紅葉が始まったばかりの旭岳をメインに、層雲峡も9月中旬に一度訪れ、そして2週間経ってピークを迎えた10月上旬に再訪して本格的に紅葉狩りをして、さらに北東にある斜里岳にも登って紅葉を満喫した、いうのが今回の旅のキモであった。

9月中旬の層雲峡は、紅葉の「序の口」

北海道到着早々、旭岳に行ったが、まだまだ紅葉は序の口だった。

その足で、黒岳や周辺の銀泉台にも行ってみたが、他に先駆けて紅葉のピークに差し掛かっていたのは赤岳銀泉台だった。

北海道上川層雲峡・ホテル大雪のスタッフによる日本一早い紅葉情報
北海道上川層雲峡・ホテル大雪のスタッフによる日本一早い紅葉情報
北海道上川層雲峡・ホテル大雪のスタッフによる日本一早い紅葉情報

赤岳第三雪渓ではウラジロナナカマドの紅葉はピーク、ダケカンバの黄葉は始まったところだった。

その後私は、道北、道東、道央、道南を駆け巡って活火山めぐりや温泉めぐりを楽しんだが、そのあと、10月になってから層雲峡をちゃんと再訪。

旅のメインディッシュは、とっておいただけのことはあった。

北海道上川層雲峡・ホテル大雪のスタッフによる日本一早い紅葉情報

10月上旬の層雲峡は、紅葉の「横綱」

2週間ぶりの温泉街・紅葉名所の散歩道として有名な紅葉谷でも、いよいよ紅葉が始まっていた。

層雲峡温泉は北海道有数の規模を誇る温泉街で、1950年代に近代的な温泉地として開湯している。

泉質は単純硫黄泉で、効能はリウマチ、糖尿病、高血圧など。温泉街には、温泉旅館や宿泊施設、駐車場、レストラン、無料の足湯と日帰り温泉「黒岳の湯」、大雪高原牛やニジマス、山菜などを使った料理が名物となっている飲食店もある。

黒岳を見やれば、5合目あたりがどうやらピークを迎えているようだ。

北海道上川層雲峡・ホテル大雪のスタッフによる日本一早い紅葉情報

黒岳沢の岩肌に立ち並ぶ木々の紅葉と、無機質な岩肌とのコントラストがとても美しい。

北海道上川層雲峡・ホテル大雪のスタッフによる日本一早い紅葉情報

層雲峡は、大雪山北麓にある石狩川上流の峡谷で、なんと約24kmにわたって柱状節理の断崖絶壁が続いている。

もともとアイヌ語で「滝の多い川」という意味の「ソウウンベツ」と呼ばれていたことから、大正10年(1921)に訪れた文豪・大町桂月によって「層雲峡」と命名された。

切り立った断崖からはいくつもの滝が流れ落ち、周囲は大原生林で、雄大な峡谷美が広がる景勝地となっている。

層雲峡ビジターセンターがあって、大雪山系への登山基地としても機能している。

ここから黒岳登山に向かう人も多いが、なんちゃって登山愛好家の私などは決して無理はせず、天候および紅葉ピークの最高の日と時間を選んで、ちゃっかり黒岳ロープウェイに乗るのであった(笑)。

層雲峡アプローチの拠点に選んだ道の駅「とうま」

こうして層雲峡の紅葉を堪能した私が、そこへのアプローチの出発拠点としたのは、国道39号線から当麻の市街地に入るその入口にある道の駅「とうま」だった。
この道の駅は、平成10年に北海道内で48番目にできた道の駅だ。

国道39号線沿いにはこの道の駅を含めて3つあるが、旭川から出発して北見方面に向かった場合、ここが石北峠前最後の道の駅になる。

北海道の各地を放浪していて、それでも紅葉情報をキャッチして急遽しかも遠路層雲峡に向かうには、この道の駅「とうま」は立地的にベストな拠点となってくれた。

道の駅とうまは、円を基調とした形が特徴の建物。

駐車場は大型車両にも対応しておりゆったり止めることができる。

層雲峡の翌日の天気と場所ごとの紅葉状況とを詳細にチェックしながら駐車場で待たせていただくわけだが、トイレとカフェコーナーには本当にお世話になった。

トイレはそれこそ、繰り返し、何度も使わせていただいた。

コーヒーとカレーが秀逸

ここは、道の駅とうまオリジナルのブレンドコーヒーが抜群だし、カレーもめちゃくちゃ美味しい。

お食事処にもお世話になった。

道の駅の物産館には町内の生産者による加工品や農産品をたくさん取り揃えているのも魅力。

事業者とアイデアを出し合い新たな商品が、随時ラインアップに加わるという。

トマトジュースやバジルペーストの他にポップコーンなども販売しており、3種類から選べる玄米の量り売りも人気だ。

自販機や休憩スペースを含め、この道の駅にはさんざん大変お世話になったので、秋ではないその他の季節に訪れる魅力についても紹介しておきたい。

「でんすけさんの家」の超高級すいか

物産館には「でんすけさんの家」という愛称がある。

そう、旭川の隣町・当麻町にある道の駅「とうま」の最大の特産品は、「でんすけすいか」なのである。
そして、「すいか」ということは、夏なのである。

でんすけすいかは、もちろんサイズによって価格が変わるが、平均価格は1玉5,000円~10,000円超の、高級すいかだ。

地元当麻町や隣町・旭川市のスーパーでも少しは販売されているが、そうそう手が出せる価格ではなく、道の駅「とうま」の豊富な在庫やサイズバリエーションにはかなわない。

テレビや新聞では毎年初競り価格が話題になっていて、これまでの最高値は2019年の75万円!

競りのニュース後はご進物、贈り物にと、地方発送する人が大勢訪れるのだとか。

味もさることながら見た目も真っ黒で特別感のあるでんすけすいかは、ギフトにはピッタリのようだ。

でんすけすいか

というのも、縞模様がほとんど見えない真っ黒な色合い。カットすると真っ赤な果肉が鮮やかな「でんすけすいか」は糖度の高さも抜群だが、大きさがすごい。

大きなものは平均して6~8kgの重さがある。玉を大きく、そして甘みを乗せるために、1本のつるから1玉のみを育てる「一果採り」で育てているそうだ。

なので、大変高級なスイカとなっており、地元民でもなかなか購入できない。

でんすけすいかの販売はお盆までがピーク

でんすけすいかの生産はお盆がピーク。

北海道の夏は短く、お盆を過ぎると季節は一気に秋へ向かう。

生産のピークと共に、販売も在庫限りで終了。

でんすけすいかの販売終了は、北海道の夏の終わりでもある。

ただ、でんすけすいかを使ったスイーツはたくさんあり、夏が終わってもその味わいが楽しめる。

春から夏の終わりまで人気の「すいかソフトクリーム」

でんすけすいかソフトクリーム

まず、スイカ風味のソフトクリーム。ソフトを楽しみに遠方から来る人もいるのだとか!
見た目はピンク色だが、しっかりとスイカの味がするらしい。

ただ、あまりに高価なでんすけすいかが入っているわけではない。

そこのところは、大変重要。
「でんすけすいかソフト」ではなく、普通の「すいかソフト」なので、そこんとこ、絶対に誤解なきよう。

北海道一の収穫量!当麻産「朝もぎきゅうり」

きゅうり

でんすけすいかは高価でも、きゅうりは安い!
道の駅では、パリパリの採れたてきゅうりが3本で100円前後と破格である。

知名度では、でんすけすいかに引けはとらない。

そのまま食べても甘く濃い味わいの当麻産の「きゅうり」は、実は北海道一の生産量を誇るすごいコンテンツである!