滝に打たれるわけではないけれど「常清滝」「作木滝」「八千代滝」「吉武滝」の滝旅。道の駅「ゆめランド布野」から(トイレ○仮眠◎休憩◎景観◎食事○設備△立地○)

広島県三次市作木町に落ちる「常清滝」は、落差126mあって、華厳の滝(落差98m)や那智の滝(落差133m)に匹敵するなどという宣伝文句をよく見かける。
しかし直瀑としての迫力に満ち溢れる華厳、那智の両滝と、段瀑となって静かに流れ落ちて優雅で美しい常清滝とは、同程度の落差があってもまったく印象が異なる。

100選滝の中でも第5位の落差がある常清滝だが、数値的に高さがあっても三段に分かれて流れ落ちていて、大きさや迫力というより、むしろ優雅さを感じる景観として楽しめる。

緑の隙間を複雑な段となって繊細に落ちる常清滝はとても美しく、見ているだけで涼しさも感じて、暫く滝を眺め続けた。

イヤホンからは伝説的名盤「A LONG VACATION」。

ナイアガラ・サウンドのリバーブ感に滝の水音が重なって。目を閉じればそこで大滝さんが歌っているような気がする。滝の前で、改めて大瀧詠一さんの偉業を思い、ご冥福をお祈りした。

私にとって大滝詠一=ナイアガラ・サウンド=納涼ソング。1975年に大滝さんが「ナイアガラ・レコード」を設立して今年で50周年、そして彼の没後12年だ。

時の流れは、あまりにも速い。

常清滝

常清滝の落差126mは国内でも屈指の高さ。これ以上車では登れないところに駐車場があって、そこから滝までは徒歩で500mもある。

これといった難所はないが、ジジイの足腰にはかなり負担のかかる道。

滝からの水が流れる小川沿いの道は、深い森で夏の直射日光は遮られ、滝の姿を楽しみに登っていくのは楽しくもあった。

そして多段の滝「常清滝」に到着。

三段に分けて『上段:荒波 36m』『中段:白糸 69m』『下段:玉水 21m』と命名されている。

滝だけに、ちょっと蘊蓄をたれると。
常清滝は、上流域から下流域辺りは約9千万年も前、中生代後期白亜紀の頃に創られた灰白色流紋岩の地質の、海抜500mの吉備高原面を浸食して形成された断崖に、三段に分けて落ちていく。
この辺りは中国山地の隆起に抗して、江の川が深い峡谷を形成しながら流下している地帯で「江の川関門」と呼ばれ、中国山地を東中国山地と西中国山地に分ける「地形境界」となっている。

常清滝の上流側は大まかに標高400~500m台の吉備高原面に相当する小起伏の山地が広がっているのに対して、作木川や江の川は標高120m辺りまで谷底の侵食を進めていて、上流~下流間には300~400mの標高差が生じている。つまり常清滝は、江の川から平原に向かっての谷頭侵食によってできた滝で、標高約300m辺りから標高約200mに落ちているということだ。

この地の地形が、江の川、作木川のほか名も無き多くの支流など河川による浸食作用で創られてきたと想うと、水の力は凄いものだと改めて思い知る。

作木滝と八千代滝

常清滝から駐車場に戻り、次の「作木滝」へ。

案内板表示がないということは、ここまで来る人はあまりいないのであろう。

いかにも地味に、作木滝があった。

落差11m の、小さな段瀑だが、この水は常清滝126m を落下してから流れてきた水だ。

ここから5kmほど東側に「八千代滝」がある。

八千代滝は、落差14m。

吉武滝

吉武滝は、常清滝、作木滝、八千代滝と同じ三次市にあるのだが、市街を挟んで反対側のエリアにある。

道路沿いにあって、駐車場からも滝は見える。

かなり歩いた先ほどの3つの滝よりはずいぶん楽に見に行けた。

出雲街道沿いの道の駅「ゆめランド布野」

4つの滝をめぐる旅の拠点としたのは、道の駅「ゆめランド布野」。中国自動車道の三次ICから国道54号線を北西に13km、広島県北部の旧布野村(現三次市布野町)にある道の駅だ。

沿道の国道54号線は別名「出雲街道」。中国地方の太平洋側と日本海側を繋ぐかつての主要道で、道の駅周辺も宿場町として栄えた歴史がある。

しかし、国道54号線と並行するように無料の高速道路の松江自動車道が2013年に開通すると国道54号線の交通量は激減。沿道地域の衰退が深刻な問題になっている。
この道の駅も、かつて存在した大きな物産館は規模を縮小して農作物直売所の一角に移転。 人気を博していたダチョウの肉屋「圭の助」が経営するダチョウ料理カフェも姿を消した。

駐車場はかなり広いが、交通量減にともなって、車の台数はパラパラ。

トイレは年季を感じさせるが、清掃していただいており、ありがたく使わせていただいた。

広い敷地に、たくさんの休憩スペースがある。

「まるごと布野のアイス屋さん」

道の駅には、2つの建物がある。

1つは駐車場の正面の赤い屋根が特徴的な2階建ての建物。かつてはここに物産館とレストランが入っていた。

もう一つは、駐車場から少し離れた所にある「布野ふれあい市場」と書かれた農作物直売所だ。

現在は物産館がこの「布野ふれあい市場」の中に移転し、かつて物産館があったスペースは空いた状態になっている。

物産館で人気を集めているのは「まるごと布野のアイス屋さん」のカップアイス。ゴマ、ラムレーズン、チョコチップ、柚子茶、抹茶、バニラ、ミルク、ハブ茶の8種類がある。

「まるごと布野のアイス屋さん」は「布野ふれあい市場」の入り口付近に直売コーナーもある。

新鮮な「布野たまご」も人気。 、「布野たまご」を美味しく味わう「たまごまんま醤油」も道の駅推奨の商品だ。

ふるさと惣菜バイキングは60分食べ放題

レストランは、バイキング形式だ。

旧布野村地区および三次市内で採れた農作物を使った「ふるさと惣菜バイキング」で 提供されている料理はチキンのバジル揚げ等の肉料理、アスパラの天ぷら、アスパラの厚揚げ、アスパラごはん等、アスパラガスを使った料理など約20種類もある。