
世羅町と言えば、まず、全国にその名を轟かせる駅伝の強豪校「世羅高校」が頭に浮かぶ。
年末の高校駅伝、特に男子の部を観戦していて、毎年必ず目にするのが広島県代表の世羅高校だ。
逆に、失礼ながら「セラ」といってもそれ以外はまるで思い浮かばない。参議院選挙で落ちた世良公則は字が違うし、京セラは広島の会社じゃないしw
わずかにここ3年は優勝から遠ざかっているが、優勝回数は1950年の第1回大会から計11回にも上る最多記録を持っている1番の強豪校で、2015年の第66回大会では、2時間01分18秒の大会記録を樹立している。
そんな世羅高校は、さぞかし設備や人にたくさん投資ができる私立校なのだろうと思いきや、実は世羅町という小さな町にある公立校である。
ちなみに世羅高校出身の有名人といえば、青学を強くした原晋監督か、陸上には全く関係ないが「気持ち悪くて独身」で売っている?アンガールズの田中か。
現役で活躍している選手では、服部孝宏選手、鎧坂哲哉選手などがいる。
公立高校ながら「最多優勝」を重ねる秘密
公立高校ながら常勝軍団であり続ける世羅高校の強さの秘密は指導者とか街全体の支援とか色々あるのだろうが、まず第一には、この修善院の裏山につくられたクロスカントリーコースにあると言われている。

クロスカントリーは激しい起伏と足場の悪い山道を走る。心肺機能の強化と、筋力強化はもちろんのこと、精神力の鍛錬に素晴らしくいいトレーニングだそうだ。
コースは、高校近くの「せら文化センター」駐車場をスタートして芦田川へ。往復22.4㎞のコースはフラットだが、不整地を走ることで脚力と体幹が鍛えられる。
選手たちを強くするもうひとつのコースは、高校の北にある修善院の裏山に分け入っていく往復4.85kmの急勾配コースだ。

選手たちを見守る「修善院」の「韋駄天」さん
修善院は臨済宗佛通寺派の「禅寺」だが、世羅の盆地に食い込む丘陵の先端に位置し、その境内から世羅の町全体を見渡している。祀られている俊足の神様「韋駄天」さんが、毎日駆け上がってくる選手たちを見守っている。


本堂の中にご本尊が安置されているが、ご本尊は「韋駄天」ではない。


本堂に向かって左奥に、韋駄天の石像がある。
〝韋駄天さん〟の呼び名で親しまれる「韋駄尊天」は、いにしえよりインドから中国を経て日本に伝わる仏法の守護神で「俊足の神」として広く信仰されてきた。
俊足を駆使して修行者の衣食住を護るとされることから禅宗寺院においては庫裡の玄関に木彫の像が奉られている。
修善院の韋駄尊天のように野外へ建立された「露座の石像」は日本国内で唯一の存在らしい。
奉納シューズの見学は予約制
本堂の中には、御本尊と一緒に、一流選手が奉納したランニングシューズが奉納されている。
リクルートが誇る偉大な「高橋さん」「有森さん」はもちろん大好きな「野口さん」のシューズや、「君原さん」「瀬古さん」「宗兄弟」、「谷口さん」など往年の名選手から「山縣さん」「大迫さん」「鎧阪さん」など現役バリバリの選手のシューズまでを見ることができるらしいが、展示されている本堂の中に入るには予約が必要とのこと。何ももったいをつけているわけではなく、臨済宗西日本唯一の大本山である佛通寺の宗務総長も務める神田住職は、本山勤務により日中は修善院に不在の場合があるからだ。
ということで、計画性ゼロの旅をしている私などはどこに行くにも思いつきでしかないわけで、シューズを拝むことはできなかった。
道の駅「世羅」
広島県内18番目の道の駅「世羅」は、平成27年にオープンした 一般社団法人「世羅町観光協会」が運営する道の駅である。
山陽自動車道 尾道JCT経由尾道道 世羅ICで下車。または山陽自動車道 河内IC下車 フライトロード→フルーツ ロード→国道432号線を東へ。あるいは松江自動車道 三次東JCT経由尾道道 世羅ICで下車。
尾道松江道の世羅インターを降りると、すぐである。

駐車場台数は大型 10台 普通車 78(身障者用2)台があるのだが、人気の道の駅だけに混雑気味である。



トイレは清掃が行き届いていて、とても気持ちよく使わせていただけた。



休憩環境としては、施設内外ともに豊富な休憩スペースがある。






道の駅世羅の特徴の一つとして、店内にインフォメーションカウンターを設置して、観光コンシェルジュが旬な情報を提供しているということがある。

店内には、レストランやキッズコーナーも充実していて、来客満足度を追求する姿勢がひしひしと感じられる。
広島県のほぼ中央部に位置する世羅町は、高原特有の大きな寒暖差が生み出す美味しい野菜、果物、加工品、お米、お酒など、数多くの特産品を有している。










とれたての野菜がたっぷりの地産地消料理をバイキング形式で楽しめるレストランも、とても評判がいい。
