
連日、車中泊の旅である。
当然毎日車の中で寝るわけだし、「人生3分の1は布団の中」だから。
昔から寝具にはこだわりがあって。
そんじょそこらのホテルもびっくりのいい寝具、例えばセミダブルのマットと枕は浅田真央ちゃんのエアウィーブ、最高級羽毛布団に、防寒対策としてマイナス20度までいけるというコールマンの最上級寝具をセットして、就寝環境は抜群の改造車に仕上げてある。
寝るだけならこれ以上の環境は望めず(笑)、実際毎日快眠できていてそれは問題ない。

問題は、晩酌環境だ(笑)。
車の中での寝酒ばかりでは、やはり飽きてくるわけで。
かといって、そこそこの料理旅館などに泊まると10日分ぐらいの旅行予算が一気に吹っ飛んでしまう。
なので私の選択は、駐車後12時間とか24時間の最大料金の設定があるパーキングに車を停めて街に繰り出し、しこたま梯子酒してジモティーにいじってもらうというコース。
酩酊となったら駐車場の車に戻ってバタンキュー、これが最高なのである。
今回の北海道では、札幌で2度、旭川で2度、帯広、函館、小樽の街でそれぞれ一度ずつその「梯子酒」を楽しんだ。
度外れた観光料金の小樽は論外&最低で、函館もコスパ悪かった。
札幌はさすがススキノ、とてもいいのだが、あまり東京や大阪などと変わらなくて、実はつまらない。
突出して良かったのが、旭川と、帯広だった。
旭川の夜(2日目)
旭川の夜の1日目は、道の駅のすぐ近くの店に入り浸って梯子酒をしなかった。
2日目は、まだまだ明るいうちから張り切っていわゆる昼飲みから始めたので、この日のことを書くことにする。
まず、梯子酒の1軒目は軽く、ワインあたりから行こうと。
駅前ビルを物色して、立ち飲みワインの店を見つけた。
1軒目、立ち飲みワイン(店名失念)
駅前ビルにある店だが、流石にここにはそんなに変な店は入ってない。
店内は明るく、広々していて、昼飲みの後めたさをゼロにしてくれる。
一杯目は、イタリアの赤ワイン。
ワインは全く詳しくないので、店主にお任せ。薦められた「プリミティーヴォ」やらという品種はおそらく初めてだったが、酸味控えめで、一杯目としてはちょうど良かった。
もう一杯、今度は白をいただき、チーズを頼んで、3杯目にはジンの炭酸割りを。
店主はとても話しやすく、ひとり飲みのお客さんも多くて、立ちっぱなしでも全然苦にならず1時間弱で店を出て、2軒目へ。

2軒目、あさひかわ立ち飲みスタンド「あわ」
2軒目もまだアイドリング。まだ暗くなってないので引き続き、立ち飲みだ。
あさひかわ立ち飲みスタンド「あわ」という店に入って、店名に合わせて今日まだ飲んでいなかったビールを。
ビールって、食欲を促進するのか、そろそろ座っていろいろ食べたくなったので、ビール一本でこの店は失礼した。

陽が落ちるのがすっかり早くなっていて、店を出ると薄暗くなっていた。
周りを見渡すと、ああ、あれが旭川駅かと。
電車に乗らない私、旭川駅がこんなにでかい駅だとは知らなかった(笑)

飲み屋さんが集中しているエリアにどんどん進む。


街を歩いている間に、この人は絶対地元の人だと明らかにわかる人を見つけて、質問する。
「地元の人に人気の居酒屋はありますか?ぜひ教えてください」と。



いくつか候補を絞り込み、実際にそれぞれの店の前でしばらく観察する。
明らかに地元の人が、ひっきりなしに入店していくかどうかを確かめるのだ。
3軒目、「田舎料理・田子兵衛」
結果、3軒目に選んだのが「田舎料理・田子兵衛」。
入り口は狭い2階への階段だが、みんなまったく躊躇せずに、どんどん入っていく。
これは間違いなく地元の人気店だと確信し、この店を3軒目に決定。

階段を上がって店に上がると、「ご予約は?」と聞かれた。
「していない」と伝えて、ダメかなと思ったが、ラッキーなことにカウンターの一番奥の一席だけ予約がなくて空いていた。






とてもいい店だったが、特にで美味しかったのは、カニと馬肉のユッケ。
何より日本酒の品揃えが私好みで、「三千盛」などを置いている店は久しぶり。
ワインはまったくの素人だが日本酒には少々うるさくて、「三千盛」は私的トップ5に入る銘柄。
嬉しくなって、3杯も飲んでしまった。
4軒目、すずらん小路の「田ぬき村」
4軒目も、地元の人がバンバン入っていく「田ぬき村」という居酒屋へ。



この店も正解。
カウンターの奥に、広い座敷があって、そこでは北海道弁?旭川訛り?での大声の会話が聞こえてくる。観光客相手の店ではなく、地元の常連客に支持されている店だとすぐわかる。




海鮮を中心に、生ビール一杯とメガハイボールを2杯。
店がある「すずらん小路」の「昭和感」がすごい。
つい若かりしころに入り浸ったスナックにフラフラと足が向いてしまいそうになったが、ここはグッと我慢。


というのは、街角リサーチをした際、複数の人から薦められた「KINTA」という店に予約を入れていたからだ。
5軒目、KINTAで飲み放題


旭川市3条通6丁目「珍平ビル」3階にある「KINTA」が5軒目。
カラオケも楽しめるカジュアルな雰囲気のバーで、最後に旭川ラーメンで締める前に、ちょっとお腹を空かせるにはちょうどいいと考えて予約しておいたのだ。
先客は10名近くいた。一席開けていただいていたカウンター席に着席。人気店なのだろう、その後お客さんの入店が相次いで、テーブル席も満席になった。
「飲み放題」2時間2,800円、カラオケ込が最安だが、2,800円コースのウィスキーは「トリス」のみ。+500円、3,300円だと、「角」と、他に「翠ジン」「二階堂」なども注文できるので「3,300円飲み放題」にした。
飲み放題にすると、持ち前の貧乏人根性で元を取ろうと無茶飲みしてしまうのが私の欠点。
また、どう撮影しても誰かの顔が映るので写真もやめ。
満席なので、カラオケは一曲だけ「知床旅情」を歌って、あとはガンガン飲みまくった。
十分酔って、店を出て、あとは締めの「旭川ラーメン」。
寝るために駐車場にフラフラと戻りながら、事前にリサーチしていた店を再度、順次チェックする。


もっとも混んでいたのは、有名な「梅光軒」本店だったが、ここのラーメンは何度もいただいて、ちょっと飽き気味。
6軒目、旭川ラーメン「味特」
ということで、こぢんまりしていて満席の店に決めて、これが最後の6軒目。



旭川ラーメンは、醤油ラーメンが基本。
浮気せず、変なトッピングもしないで、王道を行った。


締めのラーメンはやはりなくてはならない。
千鳥足がだいぶ修正され、駅近の駐車場になんとか戻って、あっという間に眠りについた。
おそらく6軒合計しても、小樽の寿司屋一軒の勘定より安かったと思う(笑)。
帯広の夜
帯広で梯子酒をするのは、というか帯広の夜は初めてのこと。
十勝は豚丼や海鮮、チーズ料理などグルメの宝庫で、この地の玄関口である帯広には居酒屋も多く、非常にレベルが高いと聞いていたので、楽しみにしていた帯広の夜である。
なので、帯広でも意気込んで早いスタート。まだそれほど腹は減っていない。
1軒目、立ち呑み「ひびき屋」
スタート。1軒目は、やはり立ち呑みだろう。「ひびき屋」という、いかにも地元の常連が集っているであろう店から。

ここは酒屋さんがやっている立ち呑み屋さんで、普通は初めての人だと入るのに勇気がいるタイプの、バリバリ地元の常連主体の店。入り口付近がいい感じで魚臭く、いいいお酒が揃っていた。
立ち飲みは大体間違いない。まあ、観光客で立ち飲みする人はそんなにいないだろうからw

「とりあえずビール」の後、日本酒へ。
夏の終わり、というか北海道はすっかり秋だが、「セミのラベル」、「福岡の三井の寿」を一杯目に呑む。

セミラベルの「チカーラ」は、夏限定の純米吟醸だ。

うすにごりでやや黄色味がかっていて、とてもしっかりした味わいだ。
最初から飛ばしすぎは良くないのでこの店は30分程度でお暇し、十勝の飲み屋の代名詞「北の屋台」を見学。ただしこの「北の屋台」はガイドブックなどにも必ず載っていて顧客ターゲットがやや観光客寄りで、私好みではない。
ただ一応、見ておこうと(笑)。


2軒目、「炉ばた とかち番屋」
ということで2軒目、腰を落ち着けて呑んだ店は、JR帯広駅より徒歩約6分 、ジモティー相手に大衆的な屋台が立ち並ぶ「十勝乃長屋」内にある「炉ばた とかち番屋」だ。

とにかく、ひとりでふらりと入りやすい。これぞ屋台という雰囲気が私好み。

十勝産の食材を中心に、厚岸町産の牡蠣や広尾町産のシシャモ、北海道産の肉、野菜、海鮮などは、大変美味しい。メニューは幅広く、たぶん50種類以上はあった。


日本酒も、北海道だけでなく全国各地のさまざまな地酒を豊富に揃っていたが、せっかくなので「北海道縛り」で楽しませていただいた。

3軒目、「波瀾万丈 五番館店」
ここは、先ほどよりはちょっとチェーン店くさいが、とてもアットホームな雰囲気の居酒屋だ。
例の「地元民ヒアリング調査」によると、一品料理だけでなく、そばが美味しいのだとか。料理とお酒を飲んだあと、そばで〆る人が多いということだった。



チョウザメなどは関西ではいただけないが、養殖を行っている鹿追町から仕入れて、刺身や唐揚げが店の一押しメニュー となっていた。海鮮ではその刺身と、ハマチのなめろうが特に美味しく、馬刺しも美味かった。








散々食い散らかし、この店では芋焼酎メインで飲み散らかして、さあ、最後をなんで締めるかという局面。
地元の人に評判の蕎麦か、あるいは帯広の代名詞「豚丼」か」。
お腹いっぱいで両方は無理。
迷った挙句、豚丼で締めることにした。

もう、お腹裂けそう。予想以上に豚丼はボリュームがあった。苦しい。
2軒目、3軒目の料理がとても美味しすぎて、どちらの店でも長居してしまった。
最後4軒目、「洋食酒場 Bo-ya」でワイン
ということで、最後のお店は、「おつまみ程度しかお腹に入りませんが」とお断りして、お一人様大歓迎のお誘いに甘えることに。


JR帯広駅より徒歩約5分のイタリアンバルだが、ワインならまだお腹に入りそうだったし、とても静かな店で、落ち着けそうだった。
カウンター席に座って、白ワインを注文。赤の方が好きだが、満腹の時は白が好みに変わる。
ワインやカクテル、ウイスキーなどドリンクは40種類以上あるだろうか。
「何かデザートのようなものはありますか?」と尋ねると、オリジナルの「生ティラミス」がオススメだということで、それを注文し、2杯目は赤をいただいて、帯広の梯子酒を締めた。
どの店も、クオリティ高く、値段もリーズナブル。
4軒とも大変満足できた帯広の夜、いい梯子酒だった。