
有珠山とは、約1~2万年前に洞爺カルデラの南壁上に生じた成層火山と溶岩ドーム群を言う。
直径約1.8kmの外輪山を持つ玄武岩-玄武岩質安山岩の成層火山と、その側火山=ドンコロ山スコリア丘および小有珠、大有珠、昭和新山のデイサイト溶岩ドーム3個と西山、金比羅山、西丸山、明治新山、東丸山、オガリ山、有珠新山、2000年隆起域ほか多数の潜在ドームから構成される。
7000~8000年前に山頂部が崩壊して、南側に「善光寺岩屑なだれ」が流下。その後、長い休止期を経て1663年に活動が再開した。以降、山頂部では流紋岩―デイサイト質マグマによる軽石・火山灰を噴出する噴火を繰り返し、火砕流や火砕サージも発生している。
1910年以降は山麓でもマグマ水蒸気噴火や水蒸気噴火が発生し、火口から火山泥流の流出が起こる場合もある。
活動中に粘性の高いマグマが上昇して溶岩ドームや潜在ドームを形成してきたが、私の子どもの頃にみるみるうちに山ができてしまったあの昭和新山の驚異は忘れることはできない。

前回は洞爺湖からアプローチしたが、今回はまず山の海側の展望台から有珠山を眺め、そして近づいていった。

まずは有珠山SAの展望台から
前日、札幌すすきのでしこたま飲んだので(笑)完全にアルコールが抜けるまで朝はゆっくり。
道の駅あぷたへは車で2時間半、午前中に着けばいいと。
札幌市内のICから高速道路に乗って、苫小牧、室蘭方面に進む。
いつもは高速道路はあまり使わない私だが、今回の北海道旅では4日で1万円程度で乗り放題のプランを数珠繋ぎして滞在しているので、あちこち思いつくまま、高速道路乗り放題なのである。
途中にパーキングエリアがいくつかあるが、中でも有珠山SAは展望台から見える景色が素晴らしいと聞くので、まずはそこへ。
このP.A.は有珠山の南側。曇りがちだったが、時折差し込む太陽の光に有珠山と昭和新山が浮き立っていた。



有珠山と反対側、南に向くと、噴火湾が見える。

前回は、洞爺湖に行くには一つ先の虻田洞爺湖ICが最寄りなので、そこで降りていた。
今回は一つ手前の伊達ICを降りて国道37号を海岸線沿いに進んで、有珠山に近づいていった。
有珠山ロープウエイ
今回は有珠山に登った。と言っても、ロープウエイで(笑)。
有珠山ロープウェイは、山麓駅から山頂駅までの1370mを6分で結ぶ。




山麓駅でチケットを購入。
昭和新山麓の火山村にある山麓駅を出発すると約6分間、有珠山の山なみ、昭和新山、洞爺湖、そして、羊蹄山も視界に入れながらの空中遊覧だ。

ぐんぐん標高が上がっていく。まず山麓駅周辺の昭和新山。
ロープウエイは、あっという間に先ほどまで見上げていた昭和新山を超える高さに達して。


その昭和新山がどんどん小さくなていく。
ロープウェイは速い!乗っている時間はおよそ6分、片道1,800円払ったが、あっけなく山頂駅に到着してしまう(笑)。1分300円也、チーン。


洞爺湖展望台
標高約550メートルの山頂駅に着くと、展望台からは昭和新山や洞爺湖、さらには羊蹄山、遠くに噴火湾(内浦湾)が一望できる。
そしてこの展望台から7分ほど歩くと、さらに有珠山火口原展望台があって、ここが本丸だ。

有珠山火口原展望台へは、少しアップダウンのある道をおよそ300mほど歩く。

有珠山火口原展望台
ここからは噴火口と太平洋に繋がる噴火湾、そして反対側に洞爺湖も間近に見ることができる。
月並みでボキャ貧だが、絶景というしかない。






すり鉢状の火口(銀沼大火口)がさらにくぼみ、まばらにある周囲の木々は立ち枯れている。
この荒涼たる銀沼大火口は、昭和52年〜昭和53年の山頂部のマグマ水蒸気爆発で、カルデラ内の池・銀沼が火口へとすっかり姿を変えたのだ。
45年ほど前は銀沼周辺に緑が広がりハイカーの憩いの地だったのが、想像がつかないほどに変貌したのだと思ってこの景色を見ると、やはり怖い。
火口原展望台から外輪山に沿っては階段状の遊歩道が続いている。
これが「外輪山遊歩道」で、反対側の有珠山外輪山展望台(有珠登山道合流地点)まで1.1km。
片道30分だが、当然だが往復することになり、アップダウンもあって結構ハードな道のりなので、私はパスした。
この遊歩道は、大有珠・小有珠・有珠新山を見ながら銀沼大火口・有珠山外輪山展望台までの散策ができる道だが、早くも11月からは閉鎖となるので、行かれる方は10月中に。
Mt.USUテラス

有珠山ロープウェイ山頂駅には、Mt.USUテラスというカフェがある。
「うす照らす」と周りが口にするたびに、髪が薄くて周りを照らす輝きの頭皮が気になる。

メニューは、スムージーやコーヒー、ソフトクリームもあるが、さっき道の駅でけっこうな散財をしたのでここはグッと我慢。

Mt.USUテラスは、何もいただかなくても、見てるだけでお腹いっぱい。
春から初夏にかけての朝方には、雲海が発生することもあるという。

上写真は有珠山ブログより
噴火湾を一望できる道の駅「あぷた」へ

道の駅「あぷた」は噴火湾(内浦湾)を眺望できる小高い丘に建っていて、夕日の名所としても知られる。

テラス席が設けられていて、ここからは有珠山よりも噴火湾の眺めが素晴らしい。


噴火湾(内浦湾)は、北海道南西部、洞爺湖と有珠山の西に広がる湾のことだが、湾内に火山があって噴火しているわけではない。沿岸に有珠山を始めに多くの火山があるので、それでこの湾の名前が「噴火湾」になったということだ。
天気が良いと噴火湾の向こう側に駒ヶ岳を始めとした山々が見えるが、この日は空気がさほど澄んでいなかったので、それらはうっすらと控えめに。
駐車場からの眺めからしてとてもいい。


トイレはこぢんまりしているが、道の駅の規模なりで、不足はないだろう。


休憩環境としても同様。あまり人がいないから、このぐらいのコンパクトな施設はとても落ち着く。



洞爺湖町(旧 虻田町)は、北海道の南部に位置し、湖と山と海に囲まれた自然豊かな町である。
道の駅「あぷた」の目の前には虻田漁港があり、新鮮な魚介類がここから水揚げされて運ばれてくる。



眺望もさることながら、食堂で噴火湾で獲れた新鮮な魚介類を噴火湾のパノラマを眺めながら楽しむ、これがこの道の駅の究極の楽しみ方だと思う。

道の駅「あぷた」の食堂は、ホタテカレーなどのホタテ料理やウニ丼がいい。ホタテ料理ははっきりと冬が旬なので、私はオールシーズンもののウニ丼を。
ウニ丼は一折がそのまま出てくる豪快さで、これが通年2,500円とはリーズナブル。
ご飯に好きなだけ載せてよし、刺身のように摘んで食べてよし。大好物のウニを心ゆくまで楽しんだ。
せっかく私のランチにしては贅沢をしたので、どうせなら食後はレークヒル・ファーム道の駅あぷた店で、牧場の牛乳と洞爺湖町の素材にこだわったオリジナルのジェラートを。
