「那須与一」由来、栃木は「伊王野温泉神社」の紅葉へ。道の駅「東山道伊王野」から(トイレ○仮眠○休憩△景観○食事◎設備△立地○)

630年に創建されたという「伊王野温泉(ゆぜん)神社」には、平安時代の末期には源平合戦で那須与一宗隆が屋島の戦に扇の的を射る際、那須湯泉神社に祈願し見事に的を射抜くことに成功させたといういわれがあり、平家物語にもその記載がある。

与一目をふさいで、「南無八幡大菩薩、我が国の神明、日光の権現、宇都宮、那須の湯泉大明神、願はくは、あの扇の真ん中射させてたばせたまへ。これを射損ずるものならば、弓切り折り自害して、人に二度面を向かふべからず。今一度本国へ迎へんとおぼしめさば、この矢外させ給ふな。」と心の内に祈念して、目を見開いたれば、風少し吹き弱り、扇も射よげにぞなつたりける。(出典:平家物語)

この逸話から、必勝祈願に御利益がある神社として人気となっているが、他にも縁結び・病気平癒の御利益があるという栃木の由緒ある神社で、とても広いというのも特徴だ。

伊王野温泉神社は、第34代 舒明天皇の630年(飛鳥時代)の頃、狩野三郎行広が白鹿を追ってこの山中に温泉を発見したことにより創建された。

正倉院文章には奈良時代の貴族が湯治に訪れたとの記載もある。

おそらく紅葉のピーク。冒頭写真は「一の鳥居」だが、参拝した温泉神社の境内は、赤や黄色に染まってとても美しかった。

那須温泉神社最初の鳥居(大鳥居)

伊王野温泉神社の境内へ

那須温泉神社にある足湯

大鳥居をくぐるとすぐに、足湯がある。

こちらの御祭神は、大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)、誉田別命(ほんだわけのみこと)だが、いきなり私の臭い足を突っ込むのは神々への冒涜か、それとも、臭い足で境内を歩くのほうがダメなのか、かなり迷ったが、結局ここに足を突っ込まずにスルー。

那須温泉神社の社務所

授与所があって、ここから本殿まで、鳥居が全部で3つある。

那須温泉神社の二之鳥居

御神木「生きる」のオーラ

二之鳥居をくぐって御神木の前へ。

那須温泉神社の御神木

この御神木、「生きる」という名がすごい。推定樹齢は800年だ。

拝見していると、何かどんどん生きる力を感じてきた。オーラがすごい。

私も100年ぐらいは軽く生きるんじゃないかという気がしてきた(笑)

那須温泉神社の三之鳥居

最後の三之鳥居は、那須与一が奉献したと言われている。

那須温泉神社の参道①
那須温泉神社立見神社の紅葉
那須温泉神社の参道④
那須温泉神社の参道③

紅葉を楽しみつつ、本殿へ

素晴らしい紅葉を拝みながら、本殿へ到着した。

那須温泉神社の手水舎

手水舎で、手を洗い清めて、参拝させていただく。

那須温泉神社の本殿②
那須温泉神社の本殿⑥
那須温泉神社摂社の立見神社

こちらは摂社のひとつ、見立神社。ここの紅葉は見事だった。

人の命を奪う「殺生石」

本殿の裏に、殺生石へ続く道がある。

那須温泉神社から殺生石に続く鳥居

殺生石っていったい何だ、と思ってググるとこうあった。

800年ほど昔のこと、美しい女性に化けて中国やインドで悪行を重ねていた妖狐である「九尾の狐」は、日本で帝を惑わせてこの国を自分の物にしてやろうと考えていた。しかし、陰陽師に正体を見破られて那須野が原へ逃げ込んだ九尾の狐は退治されてしまうのだが、今度はその姿を毒石に変えて、近づく人や動物の命を奪う「殺生石」になった。この話を聞いたお寺の和尚が毒石に向かってお経を唱えると石は3つに割れて飛び散り、そのうちの1つがここに残った」と。
まあ、見たら死ぬとかゴーゴンの類ではないことがわかったので、行ってみた。

那須温泉神社裏の殺生石
殺生石

うわ、本当に見事に割れているわ。

那須温泉神社には摂社がいくつかあるが、その一つである九尾稲荷神社はこの九尾の狐を祀っている。

東日本一の巨大水車がある道の駅「東山道伊王野」

道の駅「東山道伊王野」は、伊王野温泉神社のすぐ南にある。

千葉県と福島県を結ぶ国道294号は比較的交通量が多いが、道の駅がある栃木県北東部の那須町は人口密度が少なく、道の駅あたりは交通量が少ない。

道の駅の目印は、車輪の直径が12メートルもある巨大水車。

写真13

公式ページの情報によると東日本最大の水車ということだが。

水車小屋の中には直径2メートルの石臼があり、その石臼で挽いた蕎麦が人気を博している。

駐車場は、施設規模なりの広さが確保されている。

トイレは、施設建物とは別に独立したものがある。

休憩環境としては、まあ、普通というか、悪くはないというか(笑)

「伊王野祭り伝承館」は入場無料の施設。伊王野祭りで用いられる大きな屋台が展示されていた。ほとんど誰も入らないのか、照明が消えていて、残念な写真にw

特産品は、蕎麦と鮎と餃子

道の駅の施設は、物産館、農作物直売所、蕎麦処、レストランのほかに、伊王野祭り伝承館、ソフトクリーム売店、たい焼き売店などがある。

まず、農作物直売所が人気だ。

この道の駅を訪れる客のおよそ8割は農作物直売所で販売されている新鮮野菜が目当だそうで、高原野菜を中心に地産の野菜の品揃えは充実。地元の人はいいものをよく知っていて、目当てのものをさっさと買っていく。

物産館では、まず蕎麦が目立つ。道の駅の巨大水車で挽いた「水車そば」が人気No.1のようだ。

栃木県内で有名な「島田そば」「島田うどん」もある。 その他、「伊王野餃子」「那須味噌」「東山道チーズケーキ」などが特産品として目立っていた。

レストランは2つ

レストランは、蕎麦がメインの「水車館」と、和食処「あんず館」の2つある。

「水車館」の人気は、やはり巨大水車と巨大石臼でひいた「伊王野水車そば」だ。

蕎麦に次いで、「鮎ごはん」も、とても人気がある。

暖簾の異様に低い位置が気になる「あんず館」は、オリーブヤシオマス丼という珍しいメニューもあるが、和牛ハンバーグ、伊王野天ぷらご飯、那須和牛重、那須和牛カレーなど、比較的ポピュラーなメニューが多い。

売店も充実!

売店コーナーがなかなかいい。ソフトクリーム売店とたい焼き売店があって、どちらにも多くの人が集まっていた。

物産館と農作物直売所
蕎麦処とレストラン
東日本最大の水車
水車そば
薄皮たい焼き
伊王野祭り伝承館に展示されている屋台