
四国に行った際には、「四国88箇所」をランダムに、コツコツ、回るようにしている。
「歩き遍路」は私にはとても無理なので、車での「なんちゃって遍路」ではあるが(笑)。
今日訪れたのは、四国八十八箇所霊場の第20番札所「鶴林寺」。
勝浦郡勝浦町にある、もちろん高野山真言宗の寺だ。
遠くに和歌山や淡路の山々と太平洋を望む標高470メートルの鷲が尾の山頂にあって、山裾より急坂で幽寂な遍路を約4km、よほどの健脚の持ち主以外は1時間半以上歩き登り続けて、ようやく山門に辿りつく。
「歩き遍路」にとって、この表参道は、「遍路ころがし」と呼ばれた急傾斜の難所である。
その遍路道には「丁石」(ちょういし)と呼ばれる標石柱が21箇所建っていて、お遍路さんの「苦楽の指標」となっている。1丁は約109メートル、あとどれぐらい歩くのかの目安となるわけだ。
当寺の本堂を起点にして、「一丁石」から「十一丁石」までの花崗岩方柱には貞治2年(1362)、応安、永和、明徳の、室町時代の各元号が刻入されたものが残っている。これが徳島県最古の丁石だ。
私は丁石のありがたみを噛み締めることもなく苦しみもせず後めたい気持ちを胸に車で登るわけだが、ずっとローギアのままで燃費は最悪。まさに心臓破りの坂を実感する。
もし、ここを歩こうものなら心不全で昇天するだろう。
指定の駐車場に車を停めて、最後の坂道だけは歩いて登る。
樹齢千年を超すような老杉、檜や松の巨木が参道の両側を覆い尽くし、夏の日差しさえ遮っている。
そこに建つ寺門は、静謐そのものであった。



境内の山容がインドで釈尊が説法をしたと伝えられる霊鷲山に似ていることから、山号は「霊鷲山」と定められている。

鶴林寺の歴史と見どころ
寺伝によると、延暦17年、桓武天皇(在位781・806)の勅願により、弘法大師によって開創された。

大師がこの山で修行していたとき、雌雄2羽の白鶴がかわるがわる翼をひろげて老杉のこずえに舞い降り、小さな黄金のお地蔵さんを守護していたという。この情景を見て大師はたいへん喜び、近くにあった霊木で高さ90センチほどの地蔵菩薩像を彫造したそうな。
そしてその胎内に5.5センチぐらいの黄金の地蔵さんを納めてこれを本尊とし、寺名を「鶴林寺」にしたと伝えられている。




桓武天皇以降、平城天皇、嵯峨天皇、淳和天皇と歴代天皇の帰依が篤く、また源頼朝や義経、三好長治、蜂須賀家政などの武将たちにも深く信仰され、七堂伽藍の修築や寺領の寄進をうけるなど鶴林寺の寺運は大きく栄えた。
そして阿波一帯の寺が兵火に遭遇した「天正(1573・92)の兵火」の際にも、ここ山頂の難所までは火がまわらずに難を免れ、それからも長く「お鶴」「お鶴さん」などと親しまれてきた、山鳥が舞う大自然そのままの寺である。

徳島県下唯一の三重塔として昭和27年に県指定重要文化財となった「三重塔」は、江戸時代後期、文化14年(1817)着工、文政10年(1827)上棟。塔の落慶儀式には庭儀曼荼羅供の大法会が執り行なわれたが、往時の儀式用具も設計図面も現存している。
最大の特徴は、初重は「擬宝珠」、二重「はね」三重に「逆蓮柱」を用いた勾欄だ。

道の駅「ひなの里かつうら」
鶴林寺を目指すお遍路さんも拠点とする道の駅「ひなの里かつうら」は、徳島南部自動車道の徳島津田ICから県道129号線→県道120号線→県道16号線を通って南西に18km、 徳島県東部の勝浦町にある。
駐車場の車のナンバーの大半は「徳島」。どうやら地元客の利用が多いようだ。


トイレは小ぶりだが、駐車場の正面にあって便利である。


勝浦町と言えば「ビッグひな祭り」と「みかん」が有名だ。
真夏に訪れると、もちろんその有名な両方ともがシーズンオフである。
「ビッグひな祭り」のほうは勝浦町の歴史的な伝統行事ではなく、町興しのために昭和63年(1988年)に始まったもので、当時のひな壇は100段(4面×25段)と、現在の500段(高さ8m)、人形の数は3万体に比べれば小規模なものだった。それが徐々に「人形を供養してもらえる」と話題を呼び、人形の数は年々増加。 毎年3万人を集める大イベントに成長した。
一方、勝浦町で生産されたみかんは「勝浦みかん」と呼ばれ、全国ブランドになっている。
こちらも真夏はシーズンオフで、秋から初春にかけて農作物直売所に「勝浦みかん」が溢れる。

もちろん勝浦みかんを使った加工品、特産品は、年を通して主に物産館にて販売されている。
人気No.1商品は勝浦みかん100%ジュース「勝浦みかんストレート」。 甘味と酸味が混在しているが甘味が優勢なのは、温暖な勝浦町で育ったみかんの特徴である。 「みかんチョコレート」「みかんパイ」「みかんシロップ」「愛情手作り焼きプリン」なども道の駅の人気商品だ。


農作物直売所では、夏には勝浦みかんはなかったが、それに変わる夏の旬野菜、果物がいっぱい。
産地をよく見ると勝浦町産の農作物の比率は3割程度。おそらくあとの7割は、客の大半を占める地元住民のために、全国各地から町内では調達できない野菜や果物を取り寄せているのだろう。
もちろん、秋からの「みかんシーズン」は様相が一変するのだろうが。













地元客でごった返す喫茶店とうどん店
定食とデザートを提供する「喫茶オレンジ」と、うどんの店「みやこ屋」が、どちらも地元客を中心に大変な賑わいを見せていた。


「喫茶オレンジ」では「道の駅ランチ」「焼肉定食」「唐揚げ定食」「エビフライ定食」などの定食メニューが人気。
勝浦町の食材を100%使った「ジェラード(みかん/キウイ/いちご/すだち)」「ホットケーキ」「チョコレートケーキセット」「かぼちゃワッフルセット」、といったデザートメニューも充実している。