珍百景「金砂城跡」からバンジーの「竜神大吊橋」へ。道の駅「常陸大宮」から(トイレ○仮眠△休憩◎景観○食事○設備○立地○)

金砂城は、常陸太田市上宮河内町の、西金砂神社あたりにあった山城だ(写真は西金砂神社本殿)

今から845年前、源頼朝による佐竹氏「追討」での戦いがあった場所であり、佐竹氏「立て籠もり用の山城」としてよく知られている。

この場所は、城跡近くの西金砂神社が、かつてテレビ番組「ナニコレ珍百景」で紹介されていた。

まあ、珍百景に値するほど奇妙な天然の要害だから、さすがの頼朝も攻めあぐねたと言うが、結局は城内から裏切り者が出て最終的には落城してしまう。

金砂城は、佐竹氏の奥の手であり天嶮の要害として用いられたが、あまりにも辺鄙な山の上であったがゆえに、その後用いられることはなくなってしまったようだ。

下にある西金砂神社の鳥居から細い道をくねくねと上がって行き、山上に上って駐車場に車を止めると、すぐ目の前に土壇のような高台があり、そこに「金砂城跡」の案内板が建っていた。

そこは長軸50mほどの変形四角形の郭らしく、西側下に虎口状の切通しも見られたが、これがそのまま城址であるのかどうかはわからない。

鎌倉幕府が編纂した歴史書『吾妻鏡』にはこうある。

「城郭は高山頂に構え」、「両方(敵と味方)の在所、天地の如し」

まさに記述通りの光景が、今もそこにあった。

「金砂城の戦い」は頼朝挙兵直後

治承四年(1180)8月、源頼朝(よりとも)が伊豆にて平家打倒の兵を挙げると、常陸国内の豪族たちは概ね頼朝に応じた。

しかし当時佐竹氏は、常陸平氏に加え奥州藤原氏とも姻戚関係を結び、「奥七郡」(常陸国北部地域)を領有して強大な勢力を誇っており、隆義は当時京にあって平氏に従っていた。

佐竹忠義、弟の隆義、その子秀義も平氏の権勢を恐れて、あえて頼朝の招きに応じなかったのである。

駿河の富士川の合戦で平氏を敗走させた頼朝は、佐竹氏討伐のため兵をかえして常陸国に進撃する。

11月4日、常陸国府に到着した頼朝は計略をめぐらし、佐竹氏の縁者である上総介広常(かずさのすけひろつね)を遣わして、忠義・秀義を誘い出して謀殺しようとした。

誘いに応じた忠義はただちに殺害されたが、思慮あって参上しなかった秀義は金砂山(久慈郡金砂郷村)山頂に城壁を築き要害を固めて、立てこもった。

これが「金砂城の戦い」に至った経緯である。

佐竹氏を深追いしなかった頼朝

戦いの結果は、頼朝の勝ち。

秀義は山に逃げ出し、山越えをしながら北茨城市の花園神社近くの奥州花園城に落ち延びた。
頼朝軍は金砂城を破却したあと常陸国を去り、佐竹氏の支配地だった奥七郡は恩賞として頼朝麾下の武将たちに分け与えられたが、頼朝は花園城に逃げ延びた佐竹秀義を深い追いしなかった。

なぜか。

頼朝は、常陸平家や奥州藤原氏と姻戚関係のある佐竹氏をこれ以上佐竹氏を追い詰めると、奥州藤原氏が南下してくるのではないか、と危惧を抱いたのだと思われる。

過ぎたるは猶及ばざるが如しとも知り、他勢力や人間の感情をしっかり俯瞰した上での判断だったのだろう。常に冷静沈着な源頼朝、さすが天下をとった人物だ。

高所つながりで「竜神大吊橋」へ

私は高所恐怖症で、「ナニコレ珍百景」の断崖絶壁にも足はすくんだが、すぐ北方向にはバンジージャンプの名所でもある竜神大吊橋があって、ここの紅葉が素晴らしいというので、怖いもの見たさついでに足を伸ばした。

画像提供:バンジージャパン

竜神峡は、竜神川の浸食作用によって深く切れ落ちたV字形の渓谷だ。その美しさから関東の耶馬渓とも呼ばれている。

竜神大吊橋は、この竜神川の下流を堰き止めて竜神ダムを造り、その上空100mに架けられた歩行者用の吊り橋で、長さは375m。歩行者専用の橋としては本州一の長さだという。

巨大な吊り橋といえば、瀬戸内海の海原の上に1998年に架けられた、全長約2キロの明石海峡大橋。世界最大の吊り橋だ。

綱の張力だけで吊り下げられる橋だと思うと不安を感じなくもないが、私は住んでいる明石と、故郷・淡路島とをこの橋を利用して頻繁に行き来する身。すっかりそんなことも感じなくなっていたが、この竜神大吊橋を歩いて渡るとなると、もう渡る前からキン●マが縮み上がって、うずら卵のように小さくなっている。

100メートル以上下に、下流を堰き止める竜神ダムが見える。


紅葉の見頃は11月中旬。見頃の時期に合わせて11月の1ヶ月間、「竜神峡紅葉まつり」が開催され、スタンプラリーや地元の特産品を販売する物産市などを楽しもうと県外からも多くの人が訪れる。

画像素材:PIXTA



吊橋を歩きながらの紅葉鑑賞は、まるで空中散歩というが、高所恐怖症の私には拷問以外の何物でもないw

2020年まで日本一だった「竜神バンジー」

そんな私が信じられないのは、バンジージャンプする人がいることだ。

日本国内で1番高い場所からのバンジージャンプは、「岐阜バンジー」、その高さは驚異の215m。

岐阜バンジーがオープンした2020年までは、ここ茨城県の「竜神バンジー」が一番だった。

この「竜神バンジー」には年間1万人以上の人が挑戦しているらしい。

料金は19,000円、おかわりは8,000円。

世の中には、2種類の人間がいるのだなあ。バンジーする人と、しない人。

道の駅「常陸大宮」

道の駅「常陸大宮」は、常磐自動車道の那珂ICから県道65号線→国道118号線を通って北に19km、 茨城県北部の常陸大宮市にある。

道の駅の愛称は「かわプラザ」。 道の駅のすぐ横は久慈川が流れている。道の駅の展望台から見る川の景色が美しい。のびのびゆっくり休憩できる環境だ。

駐車場はとても広いが、それでも車でいっぱい。

トイレは、大きいの小さいの、屋内外にいくつかあって便利。

人気の農作物直売所

この道の駅は、2016年3月にオープンして以来、ほぼ10年間、高い人気を維持。 口コミ満足度ランキングでも県内で常にトップ争いをしている道の駅である。
人気を支えているのは、広い物産館と農作物直売所だ。

農作物は種類こそそんなに多いとは思わないが、販売量がすごくて、県北部ではこの道の駅がNo.1とのこと。 

物産館の品揃えは多い。

常陸大宮特産品コーナー」「常陸大宮和菓子コーナー」「納豆コーナー」「干し芋コーナー」「漬物コーナー」に分かれている。

常陸大宮の地酒「久慈の山」も!

「常陸大宮和菓子コーナー」では、「酒まんじゅう」「黒糖まんじゅう」、白糖を煮詰めて精製した皮の中に小豆餡を詰め込んだ銘菓「いしごろも」など、市内の菓子店「堀江製菓」の商品が人気だ。

「干し芋コーナー」では紅はるかの干し芋、「漬物コーナー」では生蒟蒻、刺身蒟蒻、蒟蒻ゼリーなど、蒟蒻各種を販売している。 「島田そば」「御前山そば」、一口羊羹の「栗よせ」等、近隣市町村の商品も多数販売されている。

納豆、メンマ、荏胡麻に注目

店舗の奥の方の冷蔵庫の一角は、な、な、なんと、な、「納豆コーナー」。

昭和26年創業、市内に工場を構える丸真食品の納豆を中心に、 茨城県産の大豆を使用したたくさんの納豆が売られている。
なかでも「舟納豆」は、季節の温度変化によって大豆を水に浸す時間を変える等で納豆菌が繁殖する最適条件を調整し、包装には経木を使うことによって調湿性、通気性を保つなど徹底的なこだわりによって、普通の納豆とは糸の引きも味も大きく違うものに仕上がっているらしい。

「常陸大宮特産品コーナー」の「久慈川たけのこメンマ」は、久慈川の竹林で収穫された筍をこの地方伝統の醤油と清酒で味付けした人気商品。

「荏胡麻うどん」「荏胡麻油」「荏胡麻ドレッシング」等、荏胡麻を使った商品も多い。

4つのレストラン

お腹が減ったら、「レストラン常陸亭」「麺屋げんき」「瑞穂牛キッチンCOWCOW」「ジェラート&スムージー」の4店舗が待っている。

「レストラン常陸亭」は、常陸大宮市のブランド牛肉の瑞穂牛、および手打ちの常陸秋そばなどが看板。テラス席もあり、久慈川の美しい風景を見ながら食事を楽しむことができる。

「麺屋げんき」は「ラーメン」「味噌ラーメン」「味噌チャーシュー麺」などが人気。 この店ならではのものとしては、麺に粉蒟蒻が配合された「藤右衛門ラーメン」。 一応、ラーメンなのだが、麺の見た目は糸蒟蒻。常陸大宮認証特産品にも選定されている「えごまラーメン」もこの店ならでは。

「瑞穂牛キッチンCOWCOW」は、店名の通り常陸大宮のブランド牛肉の瑞穂牛がメイン。 ブランド牛肉を使っているわりに、値段は比較的安い。

「ジェラート&スムージー」では、常陸大宮市産の荏胡麻を使用した「えごまジェラート」。「グリーンスムージー」「ソフトクリーム」も楽しめる。