道の駅「マルメロの里ながと」に併設された「やすらぎの湯」で知ったこと(トイレ○仮眠○休憩○景観△食事○設備◎立地○) 

マルメロ?なんそれ?

カリメロの兄弟?ナツメロなら好きだよ、なんて私のような人間もいるぐらいだから。

果物らしいが、食べたことがないな、食べ方が分からないという人も多いのではなかろうか。カリンなら知っているよという人は、それとよく似ているというと、その大体の姿形は思い浮かべられるだろう。マルメロはカリンと近縁で「西洋カリン」ともよばれ、カリンとして流通していることもあるのだとか。

マルメロとカリンはよく似ているが、見分けは簡単らしい。

まず、マルメロは洋ナシ形あるいは球形で表面にびっしりと細かいうぶ毛が生えている。

それに対して、カリンは楕円形で、ツルッパゲなのだ。

人間も、頭皮が硬くなってくると禿げが進行しやすく、まだ柔らかいうちはうぶ毛が再生して禿げの進行が止まると聞いたことがある。私なんぞ、頭皮は「カッチカチ」のツルン、もといカリンと同じやぞ。

諏訪地方の特産品「マルメロ」

なんで「マルメロ」なんかの話をしているかというと。

道の駅に付帯する温泉施設の中でもかなり評判の良い「やすらぎの湯」が長野県にあるのだが、その施設があるのが「マルメロの里ながと」という道の駅で、長野県東部の旧長門町(現長和町)に入って国道152号線を進んでいると、マルメロが約3キロにわたって延々と立ち並んでいたのである。

何を隠そうハゲを隠そう、「マルメロ」なんて見たことも食べたこともなかったものだから、道の駅に着いて色々教えてもらった。

「マルメロ」は「トルコ」と「長野」の特産品

マルメロはバラ科マルメロ属(シドニア属)の落葉木で、イランをはじめとする西アジアが原産らしい。ヨーロッパでは古代ギリシャ・ローマ時代から栽培されている歴史のある果樹で、マルメロの生産量が最も多い国はトルコだそうな。

日本に渡来したのは、安土桃山から江戸時代にかけて。国内では長野県が最も生産量が多く、古くから諏訪地方の特産品だったとか。この道の駅の名前も、 マルメロの産地という理由で「マルメロの里」と名付けられたということだった。

冷涼な気候を好むので、ここ長野県の他では青森県、秋田県などの東北地方、北海道でもそこそこ栽培されているらしい。

「好き嫌い以前」「無知なだけ」

では、なんで私は食べたことがなかったのか。

それは、「マルメロ」は芳香は良いのだが果実は硬く、強い酸味と渋みとがあって、石細胞(せきさいぼう)も多いため、生食には不向きだからだった。

ジャムやシロップ漬け、果実酒などに加工して食べるのが一般的なので、果実酒なんかは私も知らずに飲んでいたかもしれないが。

ただ、これは、何も「マルメロ」に限ったことではないように思う。
世界はもちろん日本にも、もちろん高級食材の多くは知らないものが多いだろうし、高価な食品ではなくても私が知らないだけの果物、野菜、ジビエなどはきっとまだまだあるのだろう。

「好き嫌いしない」「嫌いな食べ物はない」というのは決して嘘ではない。

しかし「今のところ」という前置きを忘れてはいけないと、自分の認識不足を大いに反省した。

露天風呂が柵に囲われていた以外は大満足

さて、疑問を解決したところで、目的の温泉へ。

「やすらぎの湯」は、ph8.1のアルカリ性温泉で「美肌の湯」と評判が高い。

まあこれ以上美肌になっても仕方がない私だがw

泉質もさることながら、広々とした露天風呂も魅力である。

露天風呂の手前の「羽釜風呂」は源泉掛け流しで、人気が高い。

サウナやジェット風呂、打たせ湯など、湯の種類も豊富である。

湯上りの休憩のための大広間や食堂も完備されていて、さらに道の駅の施設での休憩は選択肢豊富。あこれh道の駅併設温泉のメリットで、総合点は高い。
敢えてマイナス点を探すとするならば、周りを柵で囲っているため、露天風呂からの眺望がよくなかったこと。見られても大したことはないので、柵など取っ払っていただきたいところだが。

まあ、それを割り引いても、無料の足湯のクオリティも高く、素晴らしい温泉だった。

ちなみに、道の温泉のすぐ近くには「ふれあいの湯」という温泉施設もあって、こちらは(柵がないのか?)ずいぶん眺望が良いらしい。

個人商店と町営施設のコラボレーション

道の駅「マルメロの里ながと」は、1997年開業の古参の道の駅である。

90年代、「道の駅はドライバーのための休憩所である」という役割がメインで、 現在のように「道の駅を利用した賑わいの場づくり」という発想がなかった。

この道の駅の施設で町が主導したのは観光案内所のみで、 地元の個人商店主が駅周辺の土地を自ら買い取り、物産館、レストラン等の施設を開業してきたという歴史がある。
2021年8月には大きな物産館「黒耀」が加わったが、他の道の駅とは異なり、こじんまりとした施設が複数並ぶという独特の施設外観となっている。

駐車場は十分な広さがある。

トイレも複数あって、それぞれは年季を感じるものの、機能的にはなんらの不足もない。

休憩環境としては、こぢんまりとしたものが施設ごとに散らばってあって、これはこれで休憩しやすいと捉えられるかもしれない。

道の駅の施設は、物産館「黒耀」、「菜の花館(物産館)」「大島屋(菓子店)」「ら.ささ(ガレットの店)」 「森の泉(アクセサリー)」「かりん亭(レストラン)」、「ローソン(コンビニ)」、そして「ながと温泉(やすらぎの湯)」。たくさんある。

各施設は温泉施設、大規模な物産館、町営の農作物直売所を除くと、いずれも個人経営の店舗である。

「菜の花館」は「野沢菜漬け」や「信州浅漬け」などの長野の漬物、12種類の手作りジャムなどを特産品として推している。

大島屋は手作り菓子のお店。「和紙の里」「マルメロ」「温泉まんじゅう」等の菓子や「おやき」が人気商品だ。

「ら.ささ」の喫茶コーナーにも、「森の泉」の「各種アクセサリー」にも支持者が多くいるようだ。「くるみそば」、長門牧場の乳製品なども販売している。

「かりん亭」は、100種類近い豊富なメニューが自慢の、かなり大規模なレストランだ。