
早い年ではなんと8 月下旬から色づき始め、9月中旬頃には日本で一番早い最初の紅葉が見られることで知られる旭岳に登った。
登ったと言っても、ロープウエイで「姿見駅」まで行って、そこから一応登山届は出したがハナから登頂する気持ちはなく(私には無理なので)、行けるところまで行って引き返しただけだが(笑)。
旭岳(2291m)は、日本で一番広く(226,764ha)、そして日本で最初に指定された国立公園(1934 年 12 月 4 日)である大雪山国立公園の山々の中の、最高峰だ。
早起きして、旭岳山麓駅まで行き、そこに車を置いてロープウェイに乗って約 10 分。



終点の「姿見駅」で、標高は 1600m ある。

1 周約 1 時間ほど、距離にして1.7km の「姿見の池周遊コース」をまず歩く。








姿見駅からはまず、姿見の池を目指して歩く。
硫黄の臭いがする噴火口がだんだん大きく見えてくる。
そして、2箇所の展望台に着くと、みなさんしばし、そこで景色を楽しむのだ。

次に目指すのは、3つの池沼である。
それぞれ、すりばち池、鏡池、満月沼という名前がついている。
そして、そこから再び姿見駅へ戻っていくというのが「周遊コース」だが、私はそこから少しだけ登ってみた。
しかし、どの山でもそうだが山頂に近づいていくほど岩ばかりになって、山頂の景色は往々にしてあまり良くない。
もちろん振り返っての下界の景色はどんどん良くなるのだが。
六合目あたりでは雲がさあーっと抜けて、天気はたちまち良くなってきたのだが、それとは逆に体力的にも精神的にもたちまち私の限界がやって来て、しばし立ち止まってしまった。
もちろん山用の服装は持参しているが、立っているとどんどん体が冷えていく。
ここで私の限界かと悟り、予定通り(笑)無理をせずに、姿見駅へと引き返した次第である。





さすがカムイミンタラ!
それでも。
旭岳はとても美しく、また独特の不思議なオーラがあって、十分に満足できた。

アイヌ語で旭岳を「カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)」と言うらしい。
姿見の池周遊コースを歩くだけ、そこから数百メートル高いところに登ってみるだけで、なるほどここはカムイミンタラなのだと、そんな気がしてくるのだ。
もちろん、本格的な登山愛好家の皆さんには大雪山系を縦走する猛者が多く、彼らにしか味わえない醍醐味があるだろう。
彼らは、旭岳からトムラウシ山へ、あるいは旭岳から黒岳などを進む。
黒岳を降りると層雲峡温泉に着くことができるし、トムラウシ山を降りるとトムラウシ温泉に、十勝岳を降りると、十勝岳温泉に着けるのだ。
旭岳温泉は麓にあるので、ロープウエイで山麓駅に戻ってからすぐに行ける。
しかし、私などにはそうした「縦走」はとても無理である。
だから、十勝岳温泉には反対側から車でアプローチしたし(笑)、層雲峡にも同じく、北側から車でぐるりと回って別途アプローチした。
かつて山スキーを嗜み、ヨーロッパアルプスオートルートにも行ったし、日本の冬山にもチャレンジしたことがあるので、山の危険はよく知っているつもりだ。
もうこの年では絶対に無理してはならない。
温泉愛好家として温泉巡り程度が、私には合っている。
旭岳温泉の麓には「天人峡温泉」がもあるが
ということで、なんちゃって登山であっても一応「登山」の後は、冷えた体を温め、足を休める温泉なのである。
旭岳の麓、東川町には「旭岳温泉」と、もう一つ「天人峡温泉」がある。

先に天人峡温泉の紹介になるが、この温泉は大雪山国立公園の切り立った柱状節理の岩場とその間を流れる忠別川に寄り添うように存在する温泉地で、1894年に忠別川での鉱物探索中に発見されたといわれている。
発見直後は、1897年に発見した松山多米蔵の名前を付けて、松山温泉と称していたが、その後、1937年に現在の「天人峡温泉」と改称。
その翌年に自動車道路が開通して、アクセスが飛躍的に向上した。
開湯当初から糖尿病や動脈硬化症への効能で知られた良質の湯で知られ、自然湧出100%かけ流しの天然温泉は、温泉愛好者からの評価が高い。
ただ、天人峡温泉には現在1件の温泉施設しかなく、日帰り温泉もあるが、近隣の町からドライブがてらにやってきて入浴を楽しむ人や、近くにある大雪山系のトムラウシ下山口から長い距離を下山してきた登山者が汗を流しにやってきて、どうやら混んでいるようなのだ。
日帰り入浴に、3つの選択肢がある「旭岳温泉」
と言うことで、私の「カン」が働いて、今回は「旭岳温泉」を選択した次第である。
旭岳温泉は大雪山国立公園の中にあって、大雪山の主峰、旭岳の麓にある温泉で、北海道ひろしといえどもっとも歴史のある温泉である。
かつてはアイヌ語で「湯に向かってゆく川」という意味の勇駒別(ゆこまんべつ)と呼ばれていたそうだ。
旭岳温泉には、いわゆる温泉街はない。景観を配慮して、宿泊施設も温泉施設も高さ制限があり、建物間もある一定の距離を保っていて、とてもゆったりとした雰囲気がある。
宿泊できる施設は9件あって、日帰り入浴ができる施設も、私が調べた限り3軒ある。
3軒あれば、比較的空いている温泉もあるだろうと考えての選択である。
えいや、で選んだのは温泉エリアの中央やや旭川方面寄りの、「湯元湧駒荘」。
たくさんの浴槽がある大きな温泉施設だが、日帰り入浴では「神々の湯」のみ利用可能となっている。大人1,200円と、ちと高いが、他の2つの施設ともそんなに変わらない。リンスインシャンプーとボディソープは備え付けられていて、
開放感満点の高い天井、木材と大雪山鉄平石でできた浴場
木材をふんだんに使った浴室は、推定500年前の大噴火の際にできた大雪山の鉄平石を敷き詰めた床、大きな窓、開放感のある吹き抜け天井が素晴らしい。
1年を通して入浴可能な露天風呂
なんと言っても最大の魅力は、神々の湯には一年間を通して入浴可能な露天風呂が併設されていることである。
まだ午前中だったし、旭岳を後にした時には快晴に向かっていたので、ちょうど浴槽から立ち上る湯気が日光に照らされて、これぞ「神々の湯」って感じに。
入浴料1,200円がとても安く感じた次第である。
道の駅「あさひかわ」が満車なのは当然
道の駅「あさひかわ」は、JR旭川駅の南側に位置し、旭川から富良野を経由して日高地方へ向かう一般国道237号に接してもいて、いろんな用途で利用されているようだ。


駐車場は、昼も夜もほぼ満車。
夜8時過ぎに到着した時に、たまたま2台ほどの空きがあってラッキーだった。


道の駅のほとんどは街中にはないので、例えば居酒屋に寄った後、車の中でぐっすり寝るなんてことはほぼできない。しかし、ここはそんなことができる可能性がないではない、数少ない道の駅である。
もちろん、夜も、昼も、駐車場はほぼ満車状態。この日は夜に到着するとタイミングよく駐車スペースが数台だけ空いており、近くの居酒屋に出かけることができてとてもラッキーだった。
ちなみに街中で飲みたい時はいつもTimesなど最大料金の設定がある駐車場を利用するのが気兼ねなくて良いのでそうするのだが、まあ、たまには。
こんなラッキーもあるのだなということで許してくだされ。


トイレもとても美しく、使いやすい。



便利すぎるぐらい便利なのだから、休憩環境としてこれ以上望むのは厚かましすぎるような気がする。


北海道のどこに行くにも便利なのだ
さて 道の駅「あさひかわ」は、平成12年8月、北海道66番目に登録された。北海道には現在およそ130の道の駅があるので、道の駅歴としてはちょうど「中堅」といったところだ。
何度も言うが、この道の駅の最大の特徴は、国道237号に沿いに位置してもいるが、JR旭川駅からクリスタル橋を渡って5分と、旭川市中心部からのアクセスが抜群に良いことである。
近くに街があるだけではない。遠出するにも最高の立地なのである。
旭川市には、道の駅に沿った国道237号以外に、主要国道があと3本(国道12号、39号、40号)走っていて、高速道路にだってすぐ乗れる。
ここは、「道内観光の中心拠点」と言って過言ではない。
私は翌日早朝から東方面「旭岳」に向かったが、道東、道北、道央、道南‥北海道のどこにいくにも、ここを出発点にすると非常に便利な道の駅なのである。
道の駅の内容も充実、周辺施設も多彩
また、道の駅「あさひかわ」は、豊富な地場産品を販売する売店、ご当地グルメが味わえるフードコートも充実している。

売店
北・北海道の(上川・留萌・宗谷)管内の特産品が充実している。
「旭川魂」と、気合も十分だ。






フードコート
ご当地グルメの「旭川ラーメン」をはじめ、市内有名店が出店している。
夜遅くまでやっていれば最高なのだが、そんなことをしたら駐車場がもっと大変なことになる(笑)



ベーカリー
DAPAS(ダパス)が出店していて、焼き立てのパンを提供している。

大展示場&周辺施設
いろんな「密度」が高いので、狭くも感じたりするが、この道の駅、敷地の広さは1,500平方メートルもあるのだ。その広さと立地を生かして、自動車ショーなど色々なイベントが開催されている。
また、付近には郷土博物館がある「大雪クリスタルホール」、アイスホッケーなど様々な催しが行われる多目的施設「大雪アリーナ」、三浦綾子作品『氷点』の舞台となった「見本林」や「三浦綾子記念文学館」等の施設がある。
