美しいのか、それとも無惨なのか、大阪城へ巨石を届けた小豆島。道の駅「大阪城残石記念公園」から(トイレ○仮眠○休憩○景観△食事◎設備○立地○)  

この景色を見て、美しいと感じるか、無惨だなあと感じるかは、人それぞれかもしれない。
私の場合は、山を削って石を取り出した跡が剥き出しのこの景観を、とても無惨に感じてしまう。

日本三名城の一つに数えられる大阪城の、見どころの一つは巨石が積まれた「石垣」だが、その代表的な巨石は、400年前に小豆島から切り出されたものだ。

大阪城は、豊臣秀吉によって築城されたが大坂夏の陣で落城。
その後、徳川秀忠から大坂城再築を命じられた諸大名達は、石垣造りに使う「花崗岩」の石切丁場を小豆島や瀬戸内海の島々に設置した。

小豆島には、切り出したのに運ばれなかった石が今も沢山残っていて、それらは「残念石(ざんねんせき)」と呼ばれている。
また、運搬中に落ちた石も「城が落ちる」とされ、利用されないまま残された。

兎にも角にもまず、大阪城の石垣のあまりの巨大さに驚く。
そして、この巨石が小豆島で切り出されて海路で運ばれていたとは…

小豆島 残石

大阪城の石垣のシェア50%は小豆島?

大阪城に運ばれた石の大きさのトップ10とその産地は以下のとおりだ。
第1位 桜門枡形虎口内【蛸石】 (縦5.5m 横11.7m 表面積59.43㎡)産地:犬島
第2位 京橋門枡形虎口【肥後石】(縦5.5m 横14.0m 表面積54.17㎡)産地:小豆島
第3位 桜門枡形虎口 【振袖石】(縦4.2m 横13.5m 表面積53.85㎡)産地:犬島
第4位 大手門枡形  【見付石】(縦5.1m 横11.0m 表面積47.98㎡)産地:小豆島
第5位 大手門枡形  【二番石】(縦5.3m 横8.0m  表面積37.90㎡)産地:小豆島
第6位 桜門枡形   【碁盤石】(縦5.7m 横6.5m 表面積36.50㎡)産地:北木島?
第7位 京橋門枡形  【二番石】(縦3.8m 横11.5m 表面積36.00㎡)産地:小豆島
第8位 大手門枡形  【三番石】(縦4.9m 横7.9m 表面積35.82㎡)産地:小豆島?
第9位 桜門枡形    【四番石】 (縦6.0m 横5.0m 表面積26.90㎡)不明
第10位 桜門枡形   【竜石】 (縦3.4m 横6.9m 表面積約23.00㎡)産地:沖ノ島

ランキングの中に、小豆島から運ばれてきた巨石が5つもある。

小豆島のどこで石を切って大阪城まで運んだのか

小豆島の中にはいくつもの石切場があり、特に小豆島町岩谷(いわがたに)地区にあるのが島内最大の遺跡「天狗岩丁場跡」だ。

大天狗岩の推定重量は1,700トンもある。

大坂城の石垣、小豆島の石

ここを含め6ヶ所が国指定史跡の『大坂城石垣石丁場跡 小豆島石丁場跡』とされているが、他にも、県指定史跡として「大坂城石垣石切 千軒丁場跡(千軒地区)」「大坂城石垣石切 小瀬原丁場跡(小海地区平尾)」、町指定史跡として「大坂城石垣石切 とびがらす丁場跡(小海地区)」「大坂城石垣石切 宮ノ上丁場跡(小海地区)」「大坂城石垣石切 北山丁場跡(小海地区)」がある。

切り出す技術もすごいが運ぶ技術もすごい

100トンをゆうに超える巨石を、切り出すのもすごいが、どうやって運んだのだろうと思ってしまう。
おそらく陸上では「修羅(しゅら)」を用いたのだろう。

修羅とは陸送用の木ゾリのことで、Y字に分かれた巨木の二股部分に石材などを載せ、幹に縄を結び、多人数で引く。巨石を海岸まで陸送する際には、この修羅が使われたと考えられている。

しかし、小豆島から100トン以上の石を乗せて瀬戸内海を横断するには「筏」くらいでは確実に沈んでしまう。

巨石を運んだのは藩主「池田忠雄」率いる岡山藩で、おそらく巨大な「船」を利用したはずだが、運搬方法は完全には解明されてはいないらしい。

石切場があるのはほぼ海岸部であり、色々な運搬説がある中、『干潮時に船に石材を載せ、満潮で船が浮かび上がるのを待って出航した』というのが有力だ。
もちろん運搬中に海に沈んでしまった石も、一緒に沈んだ犠牲者も多かったようだ。

道の駅「大坂城残石記念公園」

戦国時代の終わり、冬・夏の陣で落城した大坂城を修築する際に切り出されたが、使われることなく放置された40個の残石を中心に、道の駅として整備されたのが「大坂城残石記念公園」だ。

公園内には小豆島における石丁場、残石などに関わる写真や古文書のほかに、当時の石の運搬に使われた修羅、道具類や石工たちが使う用具類などが展示されている。

道の駅 大坂城残石記念公園

「残念石」たちを眺めていると、虚しいというか、やはり残念な気持ちになってしまうばかりだ。

しかし、小さな食堂があって、そこで「海鮮カレー」をいただいたところ。

これが「ニシ貝」や「イカ」などたくさんの海鮮が入ってとても美味しく、値段は550円。

これだけは「残念」ではなかった。