
長野県茅野市の蓼科(たてしな)高原を通る道路「ビーナスライン」の紅葉・黄葉はまだ見頃だが、そろそろ落葉が始まっていた。
ビーナスラインは長野県茅野市街と美ヶ原高原をつなぐ観光山岳道路で、元々は有料道路だったが、現在は無料開放されている。
ビーナスラインという名前は、の愛称。沿道から見える蓼科山の山容を女神に例えたことに由来するもので、1968年に公募で決まっている。
ちょうどその頃、オランダのロックグループ、ショッキング・ブルーがリリースしたシングル『Venus』(ヴィーナス)が大ヒット。まだ中学で英語を習う前だったが、意味もわからず全部丸覚えしたほど聴き込んだ(笑)。
バブルが始まった1986年(昭和61)にはイングランドのガール・グループ、バナナラマ(Bananarama)が同曲をカバーして日本のオリコン洋楽チャートで11月17日付から9週連続1位を記録。

ダンサブルなアレンジで狂った街に日々鳴り響いていたことを思い出す。私的にはバブル時代を象徴する楽曲でもある。
この2度の大ヒットでご存知の方も多いと思うが、この曲をヘビロテしつつ、道の駅「ビーナスライン蓼科湖」から、蓼科湖~白樺湖~霧ヶ峰のコースでビーナスラインの紅葉狩りドライブを楽しんだ。
見どころ一つ目は、カラマツの黄色葉


蓼科湖からしばらくは、紅葉だが、しばらくすると黄葉が目立ち始める。

黄色く輝いているのはカラマツの黄葉。
長野県では上高地のカラマツの黄葉も有名だが、蓼科高原も、高原全体にカラマツの山林が多く、山の斜面が黄金色に輝いているように見える場所もたくさんあって見ごたえがある。




見どころ2つ目、「女の神(めのかみ)展望台」


ビーナスラインの途中にある「女の神(めのかみ)展望台」(標高1700m)からは八ヶ岳連峰を望むことができる。午前中は逆光で、写真はイマイチ。
女の神展望台あたりはビーナスラインの中でもっとも標高の高い場所の一つだが、黄色やオレンジの色鮮やかなヤマモミジもまた美しかった。



赤いヤマモミジも。
見どころ3つ目、蓼科山、白樺湖、富士見台
蓼科山には「女神山(めのかみやま)」という別名がある。
また、「ビジンサマ」という山の神が住んでいるという伝承もある。
蓼科高原には人造湖の「女神湖」があったり、展望台に「女の神(めのかみ)展望台」という名前が付いていたりするのだが、蓼科山が女神の山というイメージがあるのはこのビジンサマの伝承からだろう。
その蓼科山は、こんな感じ。

そして、白樺湖周辺へ。
白樺湖を過ぎてからは、八ヶ岳・富士山・北アルプス・南アルプス・北アルプスを堪能できる絶景コースとなる。

さらに、富士見台から富士山を眺める。

ビーナスラインをぐるっと走って霧ヶ峰へ
霧ヶ峰あたりの景色は開放感たっぷり。この辺りからも富士山は見える。


道の駅「ビーナスライン蓼科湖」
今回のドライブの起点とした道の駅「ビーナスライン蓼科湖」は、中央自動車道の諏訪ICから国道20号線→国道152号線を通って北東へ、さらに「ビーナスライン」と呼ばれる県道192号線を北東へ。合計で15km走った蓼科湖畔にある。

道の駅は、長野県やや東部の茅野市の「蓼科湖エリア」にあるが、ここはかつて軽井沢と肩を並べる日本を代表する避暑を兼ねた観光地だった。 しかし蓼科湖エリアは1991年のピーク時からバブルが弾けて観光客が40%以上減少。かつての賑わいは影を潜めているようだ。
道の駅としての登録は2020年3月。同年7月にオープンして5年が経つ。 同時に湖畔の遊歩道の整備や湖畔周辺施設の無料開放を実施するなどの施策が功を奏して、蓼科湖エリアの観光客は回復傾向にあるようだ。
駐車場は、さすがに満杯に近い。


トイレは、とても綺麗で、使いやすかった。



休憩環境としては、綺麗な蓼科湖畔でもあり、申し分ない。




懐かしの「蓼科アイス」が一番人気
道の駅の施設は、小さな物産館、小さな農作物直売所、そして蓼科アイスの売店がある。
緘口令がひかれているのか関係者は口を閉ざすが、物産館と農産物直売所は違法建築が発覚して一度取り壊しになって、それで小さなものとなっているようだ。

ミソがついた道の駅だが、駅の代名詞的存在は、「蓼科アイス」の売店だ。


蓼科アイスは、昭和の時代から愛されていた蓼科スイーツの代表格だが、道の駅オープンと共に蓼科アイスも復活。 牛乳は八ヶ岳産、いちごは茅野市産で、往年の蓼科アイスに近い味覚を再現しているという。
アイスの種類は、バニラ、牛乳、いちご、ラムネ、ナガノパープル等、全部で13種類。
店内ではアイス以外に喫茶メニューも充実しているので、これからの寒い時期には無理してアイスはやめて「濃厚ホット牛乳」「ホットココア」「ホットハニーミルク」あたりにしておいた方がいいかもしれない。

蓼科エリアの特産品を幅広く販売
自業自得、違法建築でケチがついた物産館だが、蓼科エリアの特産品を幅広く販売している。 まず、「焼きとうもろこし」。 寒暖差の大きい蓼科のトウモロコシは「メロンより甘い」と言われる。
180ml入りで550円もする超高級「トマトジュース」、ナガノパープル、ミルク、プルーン、リンゴ等、豊富な種類がある「手作りジャム」、ご当地みそグランプリで入賞の「信州牛肉味噌」も人気商品だ。
テイクアウト用の弁当コーナーにも人だかりが。
「信州和牛グリル弁当」「信州ポークグリル弁当」 「信州福みそグリル弁当」の3種が販売されているが、弁当としてはちょっと高い。
まあ道の駅の規模としては小さいが、流石は観光地の蓼科湖エリア。 周辺には宿泊施設、温泉、いろいろな商業施設が並んでいて、賑やかだ。