活火山「十勝岳」のど迫力と周囲の絶景が楽しめる「望岳台」からの「十勝岳温泉」へ。道の駅「ひがしかわ 道草館」から(トイレ○仮眠△休憩○景観△食事○設備○立地◎) 

「望岳台」は、大雪山国立公園「十勝岳」本峰の「真下」。月並みな言い方をすれば「中腹」にある。

十勝岳は2077メートルの標高がある日本百名山のひとつで、十勝岳連峰の主峰である。

望岳台はその中腹・標高930メートルのところから十勝岳頂上を真正面に見上げる位置にある。

噴煙を上げる山頂を望むのは天気次第だが、ごつごつとした岩肌は溶岩流が流れたそのままであり、それが目の前に広がっていて、まさに大自然を体感できる場所となっている。

望岳台の大半は表土がない。
つまり活火山「十勝岳」から流れ出て固まった溶岩流の上に立って、そしてそこを歩いているのである。

いま溶岩流の上に立っているという実感

まず、そのことがすごい。

今は冷えてはいるが、この溶岩流が何もかもを燃やし、溶かしたわけで。

その上にいると思うと恐くなるし、突然噴火したらどうしよう、というか間違いなく一巻の終わりなのである。

ここから南東方面にある雌阿寒岳の火山活動が今(2025年9月下旬)にわかに活発化して警戒レベルが上がっているだけに、感じる恐怖にはリアルが増す。

雲に隠れてはいても、今も噴煙を吐き出している山頂あたりも間近にあることはわかる。

しかも御嶽山の噴火は記憶に新しいし、31年前には雲仙・普賢岳では知人のカメラマンが殉職したがご遺体は火砕流に消え、わずかの遺品しか回収できなかった、それほど活火山というものは恐ろしい存在なのだ。

いまだに草木も生えない、そんな溶岩流の上に今立っているという事実だけで、恐怖である。

雲に遮られても間近に感じる活火山「十勝岳」

望岳台には溶岩の塊で作られたモニュメントあって、ここが「望岳台」だよと教えてくれる。
ただ、ここから十勝岳を見渡せる好天の機会はなかなか無いようだ。
この日も、十勝岳には雲と霧が立ち込めて、山頂?はついに姿を見せることがなかった。

モニュメントの向こうに火山群、そして十勝岳山頂があるはずなのだが、霧だか雲だかに包まれてはっきりと確認できない。

ここは活火山「十勝岳」の迫力ある姿を間近に感じられるビュースポットということなのだが、十勝岳の麓というか中腹にある望岳台からは、雲や霧に覆われる日の多い十勝岳火山群の全貌を把握することは難しいようだ。

というか、ここからはむしろ近すぎて、実は仮に天気が良くったって十勝岳の「山頂」は見えないのである。

活火山「十勝岳」を間近に感じる迫力は別にして。

十勝岳の全貌を把握するためには、さらに少し離れた場所からの展望が適切だということらしい。

ところが、十勝岳以外の周辺は終始よく見える。

360度のパノラマ展望も望岳台の魅力

ここから見える十勝岳以外の、周囲の景色は実に素晴らしいものである。
十勝岳以外に見える山は大雪山の主峰「旭岳」、さらには「美瑛岳」「美瑛富士」「上富良野岳」などが間近に見え、さらに眼下には旭川市から富良野市までの360度のパノラマ展望が楽しめる。

たとえ正面の「十勝岳」頂上がよく見えなくても、溶岩流の上に立って大地の呼吸を感じ、そして周囲のパノラマビューを楽しむだけでも価値がある。

3つの温泉施設がある「十勝岳温泉」へ

十勝岳連峰の中腹に位置する十勝岳温泉には、上富良野町の市街地から近い順に、「思惟林(しゆうりん)」、「カミホロ荘」、「凌雲閣(りょううんかく)」の3軒の温泉宿がある。
これらの温泉宿の標高は当然この順番で高くなっていき、最も標高の高い「凌雲閣」は1,280mの高さにあって、北海道内で最も高い場所にある温泉地となっている。

日帰り入浴ができるのは「カミホロ荘」と「凌雲閣」の2軒だが、特に「凌雲閣」の日帰り温泉は2種類の泉質の温泉が楽しめる。

どうせなら標高も一番高い場所にある「凌雲閣」をチョイス。

「カミホロ荘」は次の機会に、と決めた。

「大岩の湯」の巨岩はどこから入れたんだろう?

凌雲閣の温泉は大岩の湯と小岩の湯があり、時間帯によって男女が入れ替わるそうだ。
大岩の湯、小岩の湯ともに源泉掛け流しの天然温泉だが泉質が異なる。

前者は茶褐色のお湯の鉄泉。高圧症、動脈硬化症などが適応症のほか、美肌の湯とも呼ばれている。
後者は酸性湯で、やや透明がかった茶色の温泉。酸性湯は慢性皮膚病が適応症だそうである。

私がお世話になった時間帯は、男性はお風呂の中に大きな岩がある「大岩の湯」へ。

岩が建物の壁を完全にぶち抜いているではないか。

その昔「地下鉄の電車はいったいどこから入れたんでしょうね?」という漫才があったが、「この大岩、どこから入れたんでしょうね?」と、まずその巨岩に度肝を抜かれた。
浸かりながらずっと考えたが、この巨岩を包み込むように建物を建てたのだという結論に達した次第である。

そういう結論に達して納得してから、その横にある露天風呂へ。
露天風呂から一望できる雄大な景色、色づき始めた木々はまさに「絶景温泉」、あるいは雲海が見渡せる「雲上温泉」と言いたいところだったが、この日は、雲の中にあって「雲中温泉」だった(笑)。

雲の中にあっても、それはそれで非常に神秘的。
なんとも素晴らしい露天風呂であった。

道の駅「ひがしかわ 道草館」

道の駅「ひがしかわ 道草館」(みちくさかん)は、日本最大の大雪山国立公園の玄関口である東川町の中心部にある。

北海道第2 の都市である旭川市と、旭岳・天人峡温泉、十勝岳などを結ぶ道道「旭川旭岳温泉線」沿いに位置していて、旭岳や十勝岳への拠点とするには最適な立地となっている。

駐車場はそんなに広くない。

トイレは清掃が行き届いており、とても綺麗。気持ちよく使わせていただいた。

休憩環境としては、特に屋内が充実している。

インフォメーションでは、東川町の見どころやイベント情報、グルメ情報を得ることができる。

特にオリジナルマップ「旭岳・天人峡マップ」「クラフトマップ」「グルメマップ」などは常に更新されており、最新の情報を無料で入手できるのが素晴らしい。

目新しい商品を揃えた充実の物産館

物産館はとてもゆったりしていて、特産品販売は地元の商品が中心。

春、そして夏から秋にかけて(つまり冬以外)は取れたての新鮮野菜が並び、地元のお客さんも朝早くから駆けつけて、賑わいを見せる。

工芸品、食器、布製品なども豊富

道の駅に入るとすぐ目の前に並んでいるのは、東川町の商品だ。特に東川町で新たにオープンしたお店を応援するために、新しい商品を一番お客様の目につく場所へ陳列しているそうで、道草館でお店や商品を知った方が、直接お店へ足を運んでくれるようになる効果はかなりあるようだ。

北海道の定番土産はどこでも買えるので、東川町ならではのおいしいものや楽しいもの、季節の農産物が少しずつ変化しながら並んでいるのがこの道の駅の人気の秘密。

何度も足を運ぶリピーターも多いという。

道の駅ひがしかわ道草館_カステラ

これは隣町・当麻町の商品「ワラカス」。お笑い大好きの私は思わず食いついた。