
ゴールデンウイークのお約束「名探偵コナン」の新作映画が封切られ、映画館を出てきた子どもたちがコナンの決め台詞「真実はいつも一つ!」と叫んでいる。
コナンが言わなくても、真実でなくても、日本広しといえども、どんな分野でも、「日本一」はただ一つ、ただ一人であり、日本一の鮎焼き名人、そして日本一の鮎は、和良村にいるという。
その美しい姿から「清流の女王」と呼ばれてきた鮎だが、なかでも和良鮎は、姿、香り、わた、身、総合の5つの要素から評価される全「国清流めぐり利き鮎大会」で、4度のグランプリと5度の準グランプリの受賞歴を持つ、これまた「日本一の鮎」である。
その和良鮎を育むのが、清流和良川だ。
和良川は、木曽川水系の豊かな森に囲まれた最上流。鍾乳洞が点在し、川底からは大地によって濾過された伏流水が至るところから湧き出てくる。水質の良さと穏やかな流れは、川に住む生き物にとってこれ以上ない恵まれた環境で、故にここには天然記念物のオオサンショウウオや、鮎と同様に藻を食べるアジメドジョウなども生息している。

私の興味は鮎の友釣り」。これは、おとり鮎を泳がせて行う野鮎との駆け引きだ。渓流で繰り広げられる頭脳戦には、強い憧れがある。相手が日本一に輝いた和良鮎となればなおさらで、これからぜひ挑戦してみたいことの一つである。
何は友釣り、もとい、何はともあれ、東海北陸自動車道の郡上八幡ICから国道156号線→国道256号線を通って東に20km車を走らせて、 岐阜県中央部の旧和良村(現郡上市和良町)に行ってきた。
日本一の鮎焼き名人
「鮎、出てこいやあ〜!」と叫んでいるかは不明だ(たぶん叫んでない)が、高田延彦似のダンディな大澤克幸さんは、鮎釣り名人としても有名だ。

岐阜県郡上市和良町で生まれ育ち、幼い頃から和良川で鮎釣りを楽しんだ大澤さんは、現在和良川の漁業協同組合長、和良鮎を守る会の代表、和良川を守る会の会長を兼任。和良鮎をこよなく愛し、和良川の環境保全に尽力されておられる人である。
彼の鮎釣りの腕前はピカイチで、2006年にはダイワ鮎マスターズで全国3位に輝いている。また、地元の鮎の美味しさを知ってもらうために秘技「五面焼き」を習得し、鮎の塩焼きに蓼酢を合わせる絶品料理を提供するゆえ「日本一の鮎焼き名人」とされる。鮎を横にして焼くのは凡人。
五つの面とは頭、腹、背、両側の身のことだが、この5面を遠火でじっくり焼き上げる。特に鮎を縦にして腹の部分からじっくり焼くのが鮎焼き名人の「五面焼き」の極意だという。
日本独自の釣り文化「友釣り」
彼が少年の頃から長年かかって極めた“友釣り”は、世界的にも珍しい日本独自の釣り文化である。
鮎はおいしい苔が生えるお気に入りの場所を見つけると、独り占めできるように“縄張り”を作り、そこに他の鮎が侵入すると体当たりをして追い払うが、この習性を利用したのが友釣りだ。
水面から見て、苔にスジがついて岩肌が白くみえる石は鮎が苔を食べた証拠。そこが縄張り、おとり鮎を泳がせるポイントとなる。おとり鮎と呼ばれる生きた鮎に針を仕込み “縄張り”に侵入させると、怒って体当たりしてきた野鮎に針をかけて釣り上げるのだ。
流れのある川でおとり鮎を自在に泳がせるテクニックと、野鮎がいるポイントを見定める眼の確かさがものをいい、また、野鮎との駆け引きは頭脳戦。感覚を研ぎ澄まして鮎と向き合うスリル。鮎の友釣りは魅力いっぱいだ。
道の駅「和良」
「道の駅 和良」に向かうインターからの道中は、最初の2キロは郡上市の中心街を抜ける都会的な風景。 ただ、その町並みを抜けると突然、急坂急カーブの厳しい峠道に突入する。 やっとの思いで峠道を抜けた後も山の間を縫うような山林の風景、時々川。



暫くしてようやく山並みが途切れて前方の視界が開けた頃に、本駅を示す道の駅看板が見えてくる。


駐車場は、施設を取り込むように広く、停める場所は目的に合わせて選び放題だ。



トイレの場所はわかりやすい。
清掃が行き届いていて、気持ちよく使わせていただいた。





休憩環境としては、雨が降っていなければ屋外の散歩が気持ちいいと思う。






長寿団子も「村の名物」
鮎で有名な和良村だが、長寿日本一の称号も不滅だ。 和良村が合併→消滅前の最後の国勢調査となる2004年に、和良村は全国の市町村別の男性の平均寿命で見事に日本一に輝いたのだ。この長寿日本一を記念して編み出されたのが道の駅名物の「長寿団子」だ。
長寿団子は道の駅の出店「ちんちろ屋」で売っている。

物産館とレストラン
道の駅には、物産館とレストランがある。 各々の施設の規模はこぢんまりしているが、商品やメニューが絞れていて、私などには使いやすい。







このレストランはモーニングタイム(8:00~11:00)とランチタイム(11:00~14:00:土日祝は15:00まで)で分かれており、 注文できるメニューが異なる。
モーニングの時間帯は「トースト」「サンドウィッチ」および飲み物(コーヒー/トマトジュース等)を、を提供。 ランチタイムは「うどん」「そば」「ピラフ」「カレー」 「牛丼」「ハンバーグ定食」「から揚げ定食」などを、「わかりやすく」提供している。
近くに和良歴史資料館

物産館から少し離れた場所には和良歴史資料館がある。
和良川はサンショウウオの最も東の生息地で、かつてはオオサンショウウオを間近で観察できる施設として有名だったが、 現在はオオサンショウウオの観察は不可。 代わりにオオサンショウウオに関する資料の展示や、和良村の歴史文化財が展示されている。

近くには念興寺の”鬼の首”
道の駅「和良」からほど近い念興寺には、昔から”鬼の首”が祀られている。
これは、高賀山信仰で有名な藤原高光が瓢ヶ岳(ふくべがたけ)に出た鬼を退治した際に切り落としたものだと言われ、その鬼のシャレコウベを粥川太郎右衛門という人が念興寺に持ち帰って供養したと伝えられている。
私はシャレコウベよりも桜が見たくて訪れたが、とても静かで良いお寺だった。






