「広島平和記念日」の式典を遠巻きに心で参加した後、道の駅「西条のん太の酒蔵」でシャワーを浴びてから仕事(トイレ◎仮眠○休憩○景観△食事△設備◎立地○) 

今日8月6日は、世界平和を祈る日として、原爆を落とされた広島市が制定した「広島平和記念日」だ。

「平和記念日」とも呼ばれているが、歴史的な悲劇から目を背けず、犠牲者の霊を慰めるとともに、世界平和を啓発するための特別な日である。

原爆が、アメリカによって広島市に投下された日付は、1945(昭和20)年8月6日の8時15分。

だから当然、「広島平和記念日」の式典は毎年、その時刻に黙祷を捧げるため、朝8時から始まる。

小学校1年生まで広島県福山市で幼年期を過ごした私は、やはりちゃんと朝から、広島にいて、この式典の始まりから終わりまで、その末席にいたかった。

もちろん午前5時から午前9時までの間、公園利用者の平和記念公園(式典会場)への入場は規制されているので、末席と言っても、その規制の外側に車を停めて、気持ちだけ慎んでの式典参加ではある。

午後3時からは仕事。道の駅「西条のん太の酒蔵」でシャワーを浴びてスッキリしてから大阪のメンバーたちとのリモート会議に参加、のち両親介護でお世話になっている会社のケアマネさんとのリモート情報交換。

行動がなんら制約されないという意味では、とてもありがたい時代になったものだ。

同じ「定型」だった広島市長と小6二人

いったい国民の何人が、8時15分から一緒に黙祷を捧げたのだろう?
私的には、そこだけが気になっていた。

あとは、平和記念式典で、この国の代表者たちがどのようなメッセージを世界に発信するかだが、これには、もう何十年も、ずっと期待薄である。
広島市の松井市長が読み上げる「平和宣言」の内容は、被爆者や専門家などによる懇談会で検討され、事前に平和宣言の概要とともに公表されていたし、「平和宣言」の重みからして、アドリブや軽口などは許されようもない。
広島市長が、一部噛んだけれども書かれた通りに読み上げたその内容は、被爆者で、国内外で核兵器廃絶を訴える運動の先頭に立ち続けた坪井直さんが4年前に96歳で亡くなるまで長年繰り返し口にしてきた「ネバーギブアップ」ということばを引用したほか、複数の被爆者の体験記を用いて、被爆者の平和への思いを伝えていくことが大切だと訴えた。

しかし、残念ながら大人の「棒読み」は、子どもの純粋さで本気でしゃべっていた小学生の「言霊」に、完全に負けていた。
いつもそうだが、「一瞬にして」「犠牲者の無念」「忘れてはならない」「あり得ない残酷」「想像を絶する苦しみ」「繰り返してはならない」など、大切な定番の言葉以外は、四方八方に配慮してまさに玉虫色の、一体何が言いたいのかわからないつまらない内容なのだが、唯一、昨今自国を守るためには核兵器の保有もやむをえないという考えが広まっていることを指摘し、世界の為政者に対して、安全保障政策そのものが国家間の争いを生んでいないかを問うたところだけは一定程度、一歩とは言えなくてもせめて半歩は踏み込んだ、広島市長としては精一杯の内容だったと感じた。
石破総理も、もちろん事前に練り上げられた「原稿」を読むだけに徹したが、一度も目線を上げることなく、粛々と原稿を「読む」ことに徹した。

批判する向きもあるのだろうが、これはこれで、中途半端なパフォーマンスなく、国際関係の矢面に立つ総理として、大変立派だったと私は思う。

もっとも良かった広島県知事の式辞

今回の式典で私が心を動かされたのは、湯﨑英彦広島県知事の式辞だった。

一言で言えば、まるで参政党の台頭に釘を刺すような内容だったと言えるだろう。

参政党の参議に選出されたばかりの「さや」というクソバカが「核武装が最も安上がりであり、最も安全を強化する策の一つだ」などと平気でぬかしたが、そのバカさ加減を戒めるかのように、諄々と、そして力強く説いた。

以下は、湯﨑英彦広島県知事の式辞全文だ。

「被爆 80 年目の8月6日を迎えるにあたり、原爆犠牲者の御霊に、広島県民を代表し謹んで哀悼の誠を捧げます。そして、今なお苦しみの絶えない被爆者や御遺族の皆様に、心からお見舞いを申し上げます。

草木も生えぬと言われた 75 年からはや5年、被爆から3代目の駅の開業など広島の街は大きく変わり、世界から観光客が押し寄せ、平和と繁栄を謳歌しています。しかし同時に、法と外交を基軸とする国際秩序は様変わりし、剥き出しの暴力が支配する 世界へと変わりつつあり、私達は今、この繁栄が如何に脆弱なものであるかを痛感しています。

このような世の中だからこそ、核抑止が益々重要だと声高に叫ぶ人達がいます。し かし本当にそうなのでしょうか。確かに、戦争をできるだけ防ぐために抑止の概念は必要かもしれません。一方で、歴史が証明するように、ペロポネソス戦争以来古代ギリシャの昔から、力の均衡による抑止は繰り返し破られてきました。なぜなら、抑止とは、あくまで頭の中で構成された概念又は心理、つまりフィクションであり、万有 引力の法則のような普遍の物理的真理ではないからです。

自信過剰な指導者の出現、突出したエゴ、高揚した民衆の圧力。あるいは誤解や錯 誤により抑止は破られてきました。我が国も、力の均衡では圧倒的に不利と知りながらも、自ら太平洋戦争の端緒を切ったように、人間は必ずしも抑止論、特に核抑止論が前提とする合理的判断が常に働くとは限らないことを、身を以て示しています。 実際、核抑止も 80 年間無事に守られたわけではなく、核兵器使用手続の意図的な逸脱や核ミサイル発射拒否などにより、破綻寸前だった事例も歴史に記録されています。

国破れて山河あり。 かつては抑止が破られ国が荒廃しても、再建の礎は残っていました。 国守りて山河なし。 もし核による抑止が、歴史が証明するようにいつか破られて核戦争になれば、人類も地球も再生不能な惨禍に見舞われます。概念としての国家は守るが、国土も国民も復興不能な結末が有りうる安全保障に、どんな意味があるのでしょう。

抑止力とは、武力の均衡のみを指すものではなく、ソフトパワーや外交を含む広い 概念であるはずです。そして、仮に破れても人類が存続可能になるよう、抑止力から核という要素を取り除かなければなりません。核抑止の維持に年間14兆円超が投入 されていると言われていますが、その十分の一でも、核のない新たな安全保障のあり 方を構築するために頭脳と資源を集中することこそが、今我々が力を入れるべきことです。

核兵器廃絶は決して遠くに見上げる北極星ではありません。被爆で崩壊した瓦礫に 挟まれ身動きの取れなくなった被爆者が、暗闇の中、一筋の光に向かって一歩ずつ這い進み、最後は抜け出して生を掴んだように、実現しなければ死も意味し得る、現実的・具体的目標です。

「諦めるな。押し続けろ。進み続けろ。光が見えるだろう。 そこに向かって這っていけ」

這い出せず、あるいは苦痛の中で命を奪われた数多くの原爆犠牲者の無念を晴らすためにも、我々も決して諦めず、粘り強く、核兵器廃絶という光に向けて這い進み、人類の、地球の生と安全を勝ち取ろうではありませんか。

広島県として、核兵器廃絶への歩みを決して止めることのないことを誓い申し上げ て、平和へのメッセージといたします。」

国道2号線にできた最高のトイレとシャワーが使える道の駅

道の駅「西条のん太の酒蔵」は、式典が行われた広島市の隣、広島県やや南部の東広島市にある。

山陽自動車道の志和ICから県道83号線→国道2号線を通って南東に6km、 あるいは山陽自動車道の西条ICから国道375号線→国道2号線を西に7km。

私は広島市からなので、下道を走って、すぐに着いた。

我慢していたので、トイレに急いだが、トイレはとても豪華だった。

特に女性用のトイレには腰掛型の化粧台と立ったまま利用できる化粧台によるパウダーコーナーがあるようで、 男性用トイレも素晴らしかった。
おそらくトイレの豪華さに関しては全国の道の駅でもトップクラスだろう。

休憩環境としての道の駅だが、まず、無料で利用できる屋内のキッズランド(60分間の制限あり)もあって、子育て世代にも利用しやすい施設になっていることを感じた。 

以下の写真のように、広々として、施設内外ともに、ゆっくり休憩できる環境が用意されている。

この道の駅は、2022年2月に道の駅登録、同年7月にオープンしてちょうど3年という新しい道の駅だが、この駅ができる前は、国道2号線は長い間、道の駅の空白区間だった。広島県の「みはら神明の里」から山口県の「ソレーネ周南」まで、 実に172kmにわたって道の駅が存在しなかったのだ。

しかし、この道の駅がオープンしたことによって、東側の「みはら神明の里」までは44km、 西側の「ソレーネ周南」までは128kmとなり、ドライバーがなかなか休めない「道の駅の空白区間」は大幅に改善された。

そして何より、ドライバーにとって何がありがたいかと言うと、この道の駅にコインシャワーがあることだ。

私も利用させていただき、クソ暑くて噴き出していた汗を流してスッキリすることができた。

シャワーは、私的にはもっとも強調したいが、道の駅の施設はとても多彩。

物産館、農作物直売所、レストラン、フードコート、コンビニのヤマザキショップそれぞれのクオリティがそれぞれ高く、とてもレベルの高い道の駅と感じる。

酒蔵のまち「西条地区」ゆえ道の駅は酒、酒、酒

ところで、道の駅があるここ東広島市西条地区は、酒蔵の町として有名だ。

JR西条駅の駅近に、7つもの酒蔵が存在する。

酔って、もとい、よってこの道の駅のコンセプトも、「酒」である。

道の駅の入り口からして、「酒蔵」をイメージしていて、酒蔵に付き物の大きな煙突までちゃんとある。

物産館内では西条地区の酒が勢揃い。

酒そのもの、そして酒を使った加工品が、数多く販売されている。

まず目につくのは、店の奥にドンと構えられた西条の酒コーナーだ。

西条地区に酒蔵を置く、山陽鶴、白牡丹、西条鶴、加茂鶴、亀齢、福美人、加茂泉の7つのメーカーの酒、そして広島県内に酒蔵を置く地酒も販売されていて、酒の種類は半端ない。
酒を使った加工品も多彩。

定番商品としては「酒まんじゅう」や酒をたっぷり含んだ「酒ジュレ」、「酒粕かりんとう」などがある。

「食」の施設は多彩。あとはコスパ!

道の駅の「食」の施設は、レストラン「リストランテ・ファミリア」、 フードコート内にある「東広島フードパークKAMOSU」、 屋外売店棟にある「BISTRO PAPA」「OKONON」「stelladew coffee」の5つがある。

いずれも東広島の食材を使った料理を味わうことができるが、コスパが課題のように思う。

レストラン「リストランテ・ファミリア」の主力はピザ、お米うどん、プレート。

ピザは西条の酒粕を使った「スイーツ酒粕」を始めとする4種類があり、 お米うどんは東広島産の特A米「恋の予感」を使っていて、提供されているメニューは7種類、 数量限定の「ファミリアプレート」もあって、商品の内容はとても充実している。
「東広島フードパークKAMOSU」の人気は、西条の酒と米粉を使った唐揚げ「コメカラ」、「西条ラーメン」だ。

屋外にある「BISTRO PAPA」の名物は、「のん太バーガー」。
「OKONON」では志和のさむらいネギが入った「おこのん焼き」で勝負している。

ただ、昨今の物価高はわかるが、どの施設も商品も、価格に関しては、はっきり言って納得できない。
たとえば、せっかく寄った道の駅のハンバーガーがバカ高ければ、もう少し走ってマクドで食ったほうがいいなと思う客も、たぶん多いと思うよ。