
春日山城は、別名「鉢ヶ峰城」とも呼ばれ、戦国時代の名将の中で私が最も好きな上杉謙信の居城として知られる。国の指定史跡であり、日本百名城にも数えられている。
城地としての広さは、東西・南北ともに2キロメートルほどもあって、この規模の雄大さと複雑な自然の地形を巧みに利用した堅固な城塞は、難攻不落の天下の名城、全国屈指の名城といわれる所以である。


現在も、空堀や土塁、大井戸など山城の特徴が残っているが、屋敷や空堀が展開する山の裾野に、延長1.2kmにも及ぶ堀と土塁で総構が築かれている点が大きな特徴だ。
標高約180mにある本丸跡からは、日本海や頸城平野、それを取り巻く山並みが一望できる。


越後府中の砦「春日山城」
春日山城は、越後府中の要害(砦)として築かれたが、築城の時期はよくわかっていない。永正10年(1513年)の古文書に初見されることから少なくともこの時期には山城として機能していたと思われるが、現在のような広大な城郭に整備されるのは、謙信・景勝、さらに堀氏が城主を務めた16世紀後半と考えられている。
城は大きく4つのグループに分けられる。
本丸周辺から春日山神社にかけての郭群、南三の丸と通称される本丸の南に広がる平坦な一群、そして御屋敷遺構群、さらには総構が築かれた山裾の平坦地の4つだ。
これら4つのグループにみられる違いは、春日山城の形成過程を示していると考えられる。
春日山城は、初期の山頂を利用した小規模な段階から、南に拡大して平坦で大規模な郭を形成し、御屋敷遺構群が普請(ふしん)された後、最終的に総構と段階的に拡大していったのだ。
これらの遺構が間断なく連続していることは山城としては珍しく、中世から近世にかけて築城法の移り変わりを一つの城跡で探ることのできる例としては全国的にも大変珍しい貴重な遺跡とされる。
特に、屋敷や空堀が広がる山のすそ野に延長約1.2キロメートルに及ぶ堀と土塁で総構が築かれていることは春日山城の大きな特徴の一つである。


中腹にある春日山神社へ

春日山神社は、山形県米沢市の上杉神社より分霊され、上杉謙信公を祭神に祀った神社である。

明治34年(1901年)に童話作家・小川未明の父である小川澄晴によって創建されたが、日本近代郵便の父・前島密もこれを援助したそうだ。
上杉謙信像、そして直線的でがっしりとした神明造の社殿は、共に見応えがある。


境内に隣接する春日山神社記念館には、謙信公の遺品・資料などが展示されている。

こちらは上越市埋蔵文化財センター前にある、馬に乗った上杉謙信像だ。
道の駅「うみてらす名立」
道の駅「うみてらす名立」は、新潟県西部の旧名立町(現上越市名立区)の海沿いにある。
春日山城址からの道中は、所々に棚田があり、日本の原風景を眺めながらのドライブを満喫できる。

やがて運転要注意のS字カーブが現れるので、ここだけ要注意。カーブを抜けた先に、真っ青な日本海が眼前に。 そのまま国道8号線に入って道なりに進むと、道の駅に到着する。
駐車場は広いが、人気の道の駅らしく、結構な台数が駐車している。
先に人気の秘密を2つ明かしておこう。まず、名立町の中心部に位置しているという立地が、多くの地元客を集めている。そして、観光客には、実は車中泊がしやすい道の駅として人気があるのだ。
ホテルがあるのに車中泊を語るのは恐縮だが、温浴施設がホテル利用客に限らず利用可能で、しかも17時以降は割引料金が適用されるし、レストランも比較的遅い時間まで営業している。 また、空調が効いた休憩室がなんと24時間利用できるという至れり尽くせり。
「車中泊ご遠慮ください」と面と向かって言われない限り、ついお世話になりたくなる道の駅だ。



トイレは施設内に複数箇所。それぞれ大きいし、清掃もしっかりしていただいているので気持ちよく使用させていただける。



休憩環境としては、全く申し分ない。景色も抜群にいい。






道の駅の施設はどれも充実


道の駅「うみてらす名立」には、オーシャンビューのホテル「光鱗」、 海産物直売所、そしてフードコート、レストランが一体となった複合施設「うみてらす名立」が、入り口から逆コの字型に並んでいる。
入って直ぐの場所にあるのが、海産物直売所だ。

ここには、道の駅のすぐ近くの名立漁港で水揚げされた海産物がメインで並び、 少量ながら地域の特産品の販売もある。
海産物直売所を抜けて先に進むとフードコーナー(うまいもの横丁)がある。
ここでは「いくら丼」「海鮮丼」「漁師丼」「三色丼」「ネギトロ丼」などの丼物や、「海鮮ラーメン」「カニラーメン」などのラーメンが食べられる。


フードコーナーの横にある階段を上って2階に上がると、レストラン「海のだいどころや」がある。
ここでは、プチ贅沢な、本格的な海鮮料理が堪能できる。
日本の名湯を再現した展望温浴施設
道の駅の人気を支えているのが温浴施設。 源泉から湯を引いていないため温泉とは呼べないが、日本各地の名湯を人工的に再現していて、見晴らしがよく、とても付加価値が高い施設になっている。
温浴施設は2階建て。
1階には内湯3つとサウナがある。この内湯の一つは「全国温泉湯巡り風呂」と呼ばれており、週替わりに全国20種類の名湯を再現している。 残りの2つの内湯はエステ風呂とバブル湯だ。
階段を上って2階に上がると檜風呂と露天の展望風呂がある。 展望風呂からは日本海を一望できる。


17時以降は割引料金となるので、天気の良い夕刻に利用すれば日本海に沈む夕日の絶景を割引料金で楽しむことができて最高ではないだろうか。
