紅葉が見頃を迎えた東京、奥多摩湖へ。道の駅「たばやま」の「のめこい湯」から(トイレ○仮眠○休憩◎景観◎食事○設備○立地○)   

東京西部にある奥多摩には、古里村、氷川町、小河内村の三町村があった(合併して奥多摩と総称されている)。

多摩川を小河内ダムによってせき止めて造られた奥多摩湖は、周囲が45kmあり、貯水量は1億8,540万立方メートルもあって、都民が利用する水の約20%を供給しているという。

冒頭写真は奥多摩湖の水上に浮かぶ、全長220mの「ドラム缶橋」。今はドラム缶状の樹脂を使っているが、昔は本物のドラム缶を利用していたそうだ。橋の上を歩くとかなり揺れるというので私は遠慮したが、橋の真ん中まで行って360度見渡すと素晴らしい大パノラマが満喫できるという。

さて 都心からは在来線で約1時間、車では約2時間程度と比較的近いと思える場所に位置している奥多摩だが、ここには、これって同じ東京かと思うほどの自然が広がっている。

奥多摩周辺は関東の中でも比較的紅葉が早く始まり、例年10月中旬~11月中旬が見頃と言われているが、今ちょうどカエデやイチョウなどの木々が美しいく色付いているという情報を得て、山梨方面から車を走らせた。

奥多摩湖の周囲には、東京都最高峰の雲取山(2017m)をはじめ、低山から中級山岳まで個性的なら山々が連なる。水源かん養林となっている山々の森ではさまざまな落葉樹が生育し、美しい紅葉は雲取山で始まって、今は徐々に標高を下げてきている最中だ。

山梨から奥多摩へと向かう道中、秋の深まりとともに標高を下げてきた紅葉が、とても美しかった。

11月入ってから御岳山の紅葉が進んでいる

御岳山紅葉2011 by na0905

まず、パワースポットの宝庫としてもよく知られる「御岳山」だ。この御岳山の紅葉がそろそろ見頃を迎えようとしていた。

この山は、奥多摩についたらまず目に入る。山頂には武蔵御嶽神社があり、ケーブルカーを使えば6分程で行くことができる。

富士峰園地では真っ赤になったサクラやコハウチワカエデの葉の落葉も始まっていた。

例年紅葉の見頃は11月中旬以降なので見頃にはまだ早いのだろうが、このところ急に気温が下がって紅葉は確実に進んできていて、とても美しい。

色づき始めた御岳山

氷川渓谷のカエデも緑が抜け色づき始めて

氷川渓谷ではカエデの緑色が少し抜け色づき始めていた。

今はカエデの紅葉はもっと標高が上の1500~1600mあたりが見頃になっているようだ。

ちなみに標高2000m(雲取山あたり)の紅葉はとっくに終わり、気温も氷点下の毎日となっている。

奥多摩に来て外すことができないのが、やはり「奥多摩湖」だろう。

奥多摩周遊道路の月夜見峠あたりから見下ろす奥多摩湖も、見頃とは言えないが少しづつ紅葉が進んでいる。

周辺は山々に囲まれ、その全てが紅葉するため湖と山のコントラストが素晴らしい。

Ikoi Trail @ Lake Okutama by *_*

パワースポット「小河内神社」へも

高台には、河内ダムの底に沈んだ小河内村の神社を集めて合祀された「小河内神社」がある。ここは鹿島踊りなどの郷土芸能が東京都の無形文化財になっていること、パワースポットであることでも有名だ。

小河内神社では例年11月上旬から中旬にイチョウやモミジが色付く。境内はヒノキの木が生い茂っているので、奥多摩湖への眺望は限定的だが仕方ない。

麦山浮橋から神社入口の社務所に至る道からは、木々の間から多少湖を望むことができた。

小河内神社 紅葉 奥多摩湖

道の駅「たばやま」は国道411号線沿いの貴重な休憩所

道の駅「たばやま」は、山梨県東部の人口およそ500人という過疎の村「丹波山村」にある。

東京の八王子市と山梨県の甲府市を結ぶ、全長120キロの国道411号線沿いにある。 頻繁に渋滞する中央高速の甲府-八王子間を抜ける絶好の抜け道なのだが、あまりにカーブとアップダウンが激しいために交通量が少なく、道の駅も長らく存在していなかった。

国道411号線利用者にとって待望の道の駅「たばやま」は2008年に登録して誕生。今年で17年が経つ。

高速道路からは遠く離れていてアクセスはかなり困難な道の駅で、最寄りの高速ICは中央高速の八王子ICか勝沼ICのどちらかだが、どちらからでも下道を60キロ以上走る必要がある。

私は山梨県側の勝沼ICからアクセスしたが、ヘアピンカーブが続く「柳沢峠」越えは終始気が抜けなかった。

駐車場にはそこそこの台数の車が。

トイレはこぢんまりとして、綺麗に保たれていた。

休憩環境としては申し分ない。とても空気が綺麗で、景色もいい。

「のめこい湯」に入ることが目的でやってきたが

私の目的は温泉施設「のめこい湯」に入ること。

「のめっこい」とは丹波山の方言で「つるつる、すべすべ」という意味。源泉温度44度の硫黄泉は、神経痛、筋肉痛、冷え性、疲労回復などの一般効能に加え、入浴後にはしっとりつるつるする美人の湯として評判だ。

温泉は、多摩川源流の丹波川に架かる吊り橋を渡ったところにある。

この温泉施設には、「和風風呂」と「ローマ風呂」の2種類があり、日替わりで男湯と女湯が入れ替わる。両方の風呂にそれぞれ内風呂、露天風呂、サウナがある。

露天風呂からは、多摩川源流の川流れを見ながら湯に浸かれると思って来たのだが、露天風呂は囲いに覆われていて外の景色を見ることができない。

おそらく国道411号線の路肩から風呂が丸見えになってしまうからなのだろう。

私は気にしなくても、写真を撮られて拡散されたらそりゃあ大問題だ。

周りが絶景なだけに残念だが仕方ない対応だと諦める。

丹波山で「しか」味わえない丹波「シカ」カレー

温泉施設以外の施設は、観光案内所、物産館、レストラン。

コンパクトな物産館で目につくのは丹波山産の野菜類と、「丹波鹿カレー」、そして「わさび」。
カレーは、丹波山村で捕獲された鹿肉が入ったもので、わさびは水の綺麗な丹波山村の特産品。鹿カレーとわさび漬けは丹波山村の代名詞的存在だ。

油、ドレッシングなどの荏胡麻関連商品、桔梗信玄餅、甲州信玄亭の商品、ワイン、ほうとう、生そば等、山梨県定番の特産品も販売されている。

特色ある2つのレストラン

物産館の横にあるレストラン?「TABAテラス」と温泉施設内にある「のめこい湯レストラン」の2つのレストランがある。

TABAテラスでは、「丹波山ジビエ」と称する単品ジビエ料理が人気で、鹿バーガーを筆頭に、鹿肉ソーセージ、鹿肉フランク等を気軽に味わうことができる。

「のめこい湯レストラン」では丹波鹿カレー、鹿肉ソーセージカレー、わさびカレーといった丹波山村の特産品をミックスしたカレーがメインだが、蕎麦なども味わうことができる。