水鳥の大群を夜襲と勘違いして敗走した平氏が見ていた同じ景色を、道の駅「富士川楽座」から(トイレ◎仮眠✖️休憩○景観◎食事○設備○立地○)

「富士川の瀬々の岩越す水よりも早くも落つる伊勢平氏かな」(鴨 長明『方丈記』
長明は、東西の雌雄を決する戦いとなった「源平富士川の合戦」を日本三大急流富士川に見立てて、平氏方の敗走ぶりをこう詠んだ。1180年10月20日夜、甲斐源氏武田信義一隊が動いたのに驚いた水鳥の大群が、一斉に飛び立った。平氏方侍大将上総守忠清の先陣はこれを夜襲と勘違いし、鎧をすてて京に逃げ帰った、その様である。

ここ富士川町の「物見堂」という地名は、平氏方の最東端の物見跡に由来する。

そして、この場所こそ現在、東名高速道路富士川サービスエリア付近で平成12年3月に日本で初めて高速道路と道の駅を連結し富士山と富士川の眺望地点となっている「富士川楽座」だ。

今日ではもう珍しくない高速道路利用者も一般道利用者も利用可能な道の駅だが、東名高速道路の上り線側の富士川SAと直結して開業した道の駅「富士川楽座」は、当時は兵庫県の道の駅「フレッシュあさご」と共に、高速、一般道兼用タイプの先駆け。道の駅は今年2025年3月27日、開館25周年を迎えた。
そんな道の駅「富士川楽座」の桜の季節を狙って、定評ある夕景、夜景を見にやってきた。

ここから見る富士山と桜には定評が

特におすすめは夜!ということで、一通り4階にある展望ラウンジから見る夜の富士山そして富士の街並みの眺望は最高だと聞いて、その時間に滞在するよう狙ってやってきた。

ちょっと早めに着いたので、まだ明るいうちに、いろいろなものが楽しめるという施設をぐるっと回ってみた。
私は一般道から来たので、駐車場のサイズは小さく、その駐車場からの眺望はこんな感じ。

富士川は目の前で、富士山もとても近い。

この、小さめの駐車場にもトイレはあって、まずそこを利用させていただく。

ここから、エスカレータで3階に上がると、高速道路側のでかい道の駅施設と連結する。

ちょうど25周年を迎えたばかり、平日だがかなり盛り上がっている印象だ。

高速道路側の駐車場のスケールはでかい。

高速SAと直結。新タイプの道の駅

本駅は 本駅の特徴を一言でいうと…それは一言では言えないほどの多種多様な施設があるということだろう。 私も実際のところ全ての施設を体験するには至っていない。体験次第、ページを更新していきたい。 なお、本駅は高速道の上り線側の富士川SAと直結しているが、下り線側からも少し歩けば道の駅施設を利用することが出来る。

1階から4階まで各階に存在する施設群

富士川SAの一番奥(北)にある4階建ての建物が、道の駅の施設で、1階から4階まで施設が存在する。館内のトイレは各階にあって、とても清潔だし、25年も経っているようにはとても思えない。

休憩できるスペースも、各階それぞれにちゃんとあって、シニアには助かる。

それでは下の1階から施設を紹介しよう。

1階は観光案内所。観光案内スペースと共に富士市に伝わる「かぐや姫伝説」の飾り物がある。

かぐや姫の飾り物

2階は「富士川体験施設どんぶら」。

富士川体験館「どんぶら」

企画展示が行われているが、展示されているものはその時々、決して富士川にまつわるものとは限らないようだ。

3階はメインの施設である物産館とレストランだ。

物産館では「福を呼ぶ縁起物」として名高い「かっぱまんじゅう」の他、富士市の特産品である「しらす」「桜えび」「イカの塩辛」「たこワサビ」「田丸屋のわさび漬け」「富士宮やきそば」 「金目鯛の煮つけ」など数多くの商品が並んでいる。
はっきり言って、なんでもある。

こちらは喫茶スペース。

レストランでは特産品を用いた「桜えびかき揚げ丼」「釜揚げしらす丼」が人気だ。 その両方を少しづつ味わうことが出来る「わんこ丼セット」が人気を集めているようだ。

展望ラウンジからは富士山の絶景が

更に上に登り施設の4階には少し高級なレストランとプラネタリウム、更に展望ラウンジがある。

4階のレストランには駿河湾の海の幸を集めた「駿河路丼(2400円)」「すし三昧(1350円)」「国内産うな重(2800円)」等、 少し高級なメニューが用意されている。

その横にはプラネタリウム。1日10回の公演(内2回は無料)が行われている。

最後に紹介するのは入場無料の展望ラウンジ。外が明るい時間帯はこんな感じの眺望だ。

よく晴れた日は辺りが暗くなってくると夕日に染まる富士山、そして陽が落ちてからは富士山のシルエットが黒く浮かんでくる。

ああ、今日もまた1日が終わる。
「ゆく川の流れは絶えずしてしかも元の水にあらず。

よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。

世の中にある人と栖(すみか)と、又かくのごとし。(中略)
朝に死に、夕べに生まるるならひ、ただ水のあわにぞ似たりける。」